バスケ
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第七章
第七章
「絶対にな」
「その時の報道もするからな」
「俺達でやらせてもらうからな」
「ははは、その時を期待してくれよ」
こう話してだ。クローバーへの取材は終わったのだった。そしてアメリカに戻った二人に彼のことは記事に細かく書かれ報道されたのだった。
それを聞いたファン達は驚くと共にだ。喜んだのだった。
「生きていたんだな」
「オーストラリアでバスケを広めていたのか」
「そうしていたんだな」
「引退してどうしていたかと思ったけれどな」
「違うんだな」
そうしてだった。彼等はクローバーの今について思うのだった。
「バスケのことを真剣に考えてか」
「今もやってるんだな」
「アメリカだけじゃなくてオーストラリアでもか」
「バスケを広めてたんだな」
「バスケ、今も好きなんだな」
情熱を失い引退したと言われたからだ。このことも心配だったのだ。
しかし彼はバスケのことを真剣に愛し続けていた。このこともわかってだ。ファン達は安堵してそのうえで喜んでもいたのである。
そんな彼等の声を聞いてだ。バスターもクラウンもだった。
ネットや雑誌の書き込みや投稿を見てだ。そうして喜ぶのだった。
「皆クローバーのことが好きなんだな」
「そうだな。心配していてだよな」
二人はまたあのレストランでだ。今度はチキンナゲットを食べながら話すのだった。その飲み物はだ。今度はオレンジジュースだった。
「それでクローバーがバスケを広めてるって聞いて」
「喜んでるんだな」
「いいことだよ」
バトラーは笑顔で言った。
「ファンにとってもな」
「ファンにとってもか」
「クローバーにとっても。バスケにとってもな」
そのだ。どちらにもだというのだ。
「とてもいいことだよ」
「クローバーだけじゃなくてバスケにとってもか」
「そうだよ。クローバーはバスケを愛していて」
それでだというのだ。
「それにバスケもクローバーに愛されてな」
「どっちにもいいことか」
「そうだよ。幸せな話だよ」
こうだ。バトラーは満面の笑みでチキンナゲットを食べながらクローバーに話す。
「ファンにとってもクローバーにとってもバスケにとっても」
「つまりあれだな」
クラウンはバトラーの話を聞いて述べた。
「ファンはクローバーがバスケを愛していてそれに情熱を注いでることがわかって」
「それでクローバーはバスケを愛していてそれを広めていて」
「バスケはファンにもクローバーにも愛されているか」
「いいこと尽くめだよ」
バトラーはまた満面の笑顔で言った。
「本当にな」
「嬉しい結末か?」
クラウンは笑いながらこうバトラーに話した。
「これは」
「そうだな。最高の結末だな」
「最高のか」
「クローバーが元気に頑張っていてバスケを広めてくれてるんだぜ」
「そうだな。それを考えたらな」
「そうだろ。それじゃあ今度は」
どうするか。バトラーも笑顔で話す。
「クローバーがオーストラリアをバスケ大国にした記事を書くか」
「その時にな」
二人はその時のことを楽しみにしながらだ。今はチキンナゲットにオレンジジュースを楽しむのだった。記事の中のクローバーは屈託のない希望の笑みを浮かべていた。
バスケ 完
2011・6・1
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