仮面ライダー エターナルインフィニティ
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第百十六話 日記所有者達その四
「どうしてかな」
「わからないよ、僕にも」
雪輝もこう言うだけだった。
「けれどね」
「うん、このまま歩いたら?」
二人の携帯にはそう書いてあるのだ、それぞれ。
「わかるって」
「どういうことかな」
「おい雪輝」
ここで二人の後ろから声がしてきた、強い少年の声だ。
「ちょっといいか?」
「あっ、高坂」
黒髪を長く伸ばしたサッカー選手を思わせる外見の少年だ、顔立ちは威勢のいい感じで体格は雪輝よりいい。幸輝と由乃の共通の悪友高坂王子だ。
彼の他に三人いる、胸が多くボーイッシュな表情の茶色の髪を短くした長身の少女日野日向に紫の髪を長く伸ばした楚々とした感じの少女野々坂まお、それに白髪に赤い瞳の何処か謎めいた微笑みを浮かべている少年である秋瀬或だ、この四人がそこにいた。
高坂がだ、怪訝な顔でこう雪輝に言ってきたのだ。
「実は今から御前に後ろからわっと声をかけてやろうって思ってたんだけれどな」
「また!?」
「けれどな、その時にな」
まさにだ、その瞬間にだというのだ。
「携帯にメールが来てな」
「デウス=エクス=マキナっていうな」
「その人から来ました」
日向と真澄も言ってきた。
「うち等のところにも来たんや」
「このまま歩いていけって」
「この道をな」
高坂は怪訝な顔でまた雪輝に言った。
「これ何だと思う?」
「よおわからんけどけったいなこっちゃ」
「悪戯でしょうか」
「いや、悪戯じゃないよ」
ここでこう言ったのは秋瀬だった、彼が三人に言ったのだ。雪輝と由乃に目だけで何かを言ってからである。
「これはね」
「じゃあこのまま歩いたらか」
「何かあるんやな」
「よくわからないですけれど」
「そうだよ」
秋瀬も自分の携帯を見ている、三人と同じく。
「これはね」
「じゃあ何なんだ?悪戯じゃなかったら」
高坂は秋瀬の話を聞いて余計にいぶかしんで言った。
「こんな訳のわからないメール送ってな」
「最初迷惑メールと思ったわ」
「私も」
日向とまおもそれぞれのメールを見ながら言う。
「こんなけったいなメール急に来てな」
「何かって思ったわ」
「うん、けれどね」
秋瀬は今も雪輝と由乃を見つつ三人に述べる。
「安心していいよ、皆もいるから」
「まあな、一人じゃないからな」
「そやしな」
高坂と日向は秋瀬の今の一人でないという言葉に実際に安堵した、やはり一人なのかそうでないかは大きい。
「それじゃあな」
「このまま行こう」
高坂と今度はまおが応える、こうしてだった。
一行はそのまま真っ直ぐに進んだ、すると。
急に場が変わった、そこは雪輝と由乃、そして秋瀬はよく知っている場所だった。中央に何か巨大なものが座す場があるギリシアの神殿を思わせる場だ。そこに入ると。
雪輝と由乃はそれぞれ別の台の上にいた、そして秋瀬はというと。
二人のすぐ傍の台の上に立っている、そこからこう言った。
「ああ、そういえばあの人は捕まってるから」
「それで秋瀬君がなんだ」
「三番目になったのね」
雪輝と由乃はそれぞれ秋瀬を見て言った。
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