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~MHO~ モンスターハンターオンライン

作者:エミル
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ティガレックスとキリンの狩猟 1

俺達は瀕死のキリトと気を失っているサチという少女をひとまずポッケ村の集会所に運び、キリトにティガレックスについての話を聞いた

カ「キリト。ティガレックスについて聞きたいんだが……」
キ「……ああ。あのモンスターことか。正直、あのモンスターは化け物だ。四人がかりで行ったが、仲間が二人奴にやられた……」

キリトは悔しそうに拳を握る。だが、キリトと最前線プレイヤーがいてもこれだけ被害があるということはそれくらいティガレックスが強いという訳だ。俺達が行っても勝てるかどうか……それすら分からない

キ「頼む!!あのモンスターを倒すのを手伝ってくれ!仲間の仇を取りたいんだ!!」
カ「手伝うのはいいが……俺はパスだ。キリンを狩る」
モ「お、俺はティガレックスを………どっちも怖いけど」
レ「あたしもティガレックス。この防具の耐性値じゃ、まともにキリンを狩れないわ」
カ「あたしはカリトと同じくキリンで」
ア「私もティガレックスで」

それぞれバラバラのパーティーになってしまった。キリン狩りは俺とカナミ。ティガ狩りはキリトとモーランとアスナとレイア。キリトの連れのプレイヤーのサチはアルゴが面倒を見るという。後で2万コル取られるが………

カ「じゃ、それぞれ狩猟の準備をしてくれ。あ、キリトはちょっと俺と一緒に来い」
「「「「「はーい(へーい)」」」」」

全員、必要な道具や武具の強化、回復アイテムを揃えるために集会所を出ていく

キ「で、カリト。俺に何の用があるんだ?」
カ「キリト。ティガレックスと戦うなら武器を変えるのがおすすめだぜ。今の武器じゃまた返り討ちにあうだけだ」
キ「変えるって言っても………俺は片手直剣しか使ってないしなぁ…」

こいつ他の武器使わねぇのか……まぁ、まず色々試してみるか









雪山・ベースキャンプ

カ「まずは武器選びだな。実際に扱ってみるのが一番だ」

今、俺とキリトは教官の武器訓練のクエストを受け、キリトに合う武器を探すことにした



武器訓練・片手剣








カ「んじゃ、まずは片手剣から。これは少し片手直剣に似てるだろ」

片手剣を装備して、キリトは何回か剣を振り回してみる。結果は……

キ「軽すぎてダメだな……没だ」










武器訓練・ガンランス







カ「なら、竜撃砲が特徴なガンランスはどうだ?」
キ「重くて扱いにくいな。無理だ」












武器訓練・スラッシュアックス






カ「次は斧と剣モードを両立させたスラッシュアックスだ」
キ「ん───………微妙かな?」















武器訓練・太刀








カ「ほいじゃ、太刀だ。気刃切りが特徴の武器だ」
キ「おっ、これはいいな。一応保留にしとこう」















武器訓練・チャージアックス










カ「次は空前絶後の威力を放つチャージアックスだ」
キ「イマイチだな………」












武器訓練・ランス









カ「素早い突きと突進突きがあるランスだ」
キ「ガンランスと同様に無理」














武器訓練・ハンマー







カ「スタンを狙うことができる、ハンマーだ」
キ「これは明らかに無理だ」

やる前に拒否された










武器訓練・狩猟笛






カ「旋律で仲間が強化出来て、攻撃力も高い狩猟笛だ」
キ「これもハンマー同様に無理だ」













武器訓練・操虫棍











カ「虫を飛ばしてエキスで自分強化をして、乗り攻撃もできる操虫棍だ」
キ「扱えるけど………微妙だな」












武器訓練・双剣








カ「手数の多さと鬼人化で相手を圧倒させる双剣だ」
キ「………一応これは保留しとく」













武器訓練・大剣









カ「最後は溜め切りと強溜め切りが出来て、刀身でガードができる大剣だ」
キ「なんか………これが一番しっくりくるな。重さも少し片手直剣に似てるし。これにしよう」
カ「よし。決まったなら早速武器を作りに行くか」






教官の訓練所を出て、加工屋に向かい、ティガレックスに効く雷属性大剣のフルミナントソードを作り、そして更にそれを強化したフルミナントブレイドが完成する。もう一回強化しようとしても後はG級素材が必要なため現時点ではここまでしか強化できない


カ「ま、この武器ならティガレックスと対等に戦えるだろ。ついでに防具も作るか」
キ「い……いや…いいってそこまでしなくていいし……」
カ「いいから。ほら、ウィンドウ見せろって」

キリトのウィンドウを開き、何の素材があるか見てみると上位フルフルの素材が結構あったのでその装備を作ることにした。手早く手を動かし、キリトにフルフルS装備をつけていく。ちなみに頭装備まで素材が無かったので、代わりに護りのピアスを着けておいた

カ「うっし。これで完成だ」
キ「何から何まですまないな。感謝するよ」
カ「いいってことよ。こっちも情報の方で世話になってるからな。互い様だ」

後は道具屋で回復アイテムや罠に調合アイテムに砥石を買って、準備を整え、待ち合わせ場所に行く

カ「二人共遅いよー。待ちくたびれちゃったよ」
カ「悪いな。ちょい遅れたわ」
モ「まさか……キリトと一緒にランデブーしてたんじゃ(ゲシッゲシッ)すいません。ごめんなさい」

一昔前の言葉を使った挙句、変な想像までしたから脛蹴りを何発かかましてやった

レ「あいかわらず呑気な雰囲気ね……相手にするモンスターはどれも強い相手なのに…」
キ「いつもこんな感じなのか……?」
ア「しょうがないでしょ。そういうパーティーなんだから」

不安に感じているキリトをよそにおいて俺達は狩場に向かっていった


















フラヒヤ山脈・森奥

俺とカナミは途中でキリト達と別れて、キリンの捜索をしていた。この森奥は大量に雪があるのに寒さはポッケ村に向かう時の道中に比べれば、あまり寒くない場所だった

カ「しかし………キリンが見つかんねぇな」
カ「もしかして…逃げちゃったとか?」
カ「いや、まだ匂いが残っている。結構遠くに行ったのかもしんねぇ」

なぜ俺がそんな芸当が出来るかというと、SAOの隠しスキル《嗅覚》のおかげだ。ただ周辺の残り香の匂いを嗅ぐだけでモンスターとプレイヤーがどこにいるか分かる。特にペイントボールをやらなくても匂いで場所は分かるし、隠蔽(ハイド)している奴の場所も分かる。俺は他にも《体術》や情報を集める時に役立つ《聞き耳》スキルを持っている

カ「ん──……大体この辺りの匂いが強いな。ここを中心的に探そう」
カ「わぁお。展開した罠がいくつもあるよ。明らかに古龍と戦うのは初めてです的なやり方だね」

普通のモンスターには効く罠も古龍相手には一切通じない。実際俺も古龍に罠を仕掛けたことがあるが、見事に失敗したことを鮮明に覚えている。少し情けないと思いながら探すと





─────その瞬間、俺とカナミは動きを止めた。動きを止めたのは…………俺達の目の前にキリンが音もなく現れて驚いたからだ




白くて長い体毛に全てを見透かすような目。その姿は偉大なる老賢者でもあった。俺とカナミは武器も構えずにただ立ち尽くし、キリンを見ていた


キ「ヒヒ─────ン!!」

俺とカナミが我にかえったのはキリンが突進してきた時だった。何とかガードするが、次は体中がまるで生まれたての子鹿のように身震いした。歯がガチガチと震える。クシャルダオラでは体験しなかったかつてない畏怖。だが、ここで止まるわけにはいかない



あいつを…………絶対に狩る!!



カ「カナミ!!気合い入れていくぞ!!そう簡単に狩れる相手じゃねぇ!」
カ「うん!絶対に狩ってみせる!!」

武器を構え、俺達はキリンに迎え撃つように武器を振りおろした。だが──

カ「なっ!?当たんねぇ!!」
カ「動きが速すぎるよ!!」

確かにキリンに向かって抜刀攻撃を放ったが、手応えは全くなかった。そしてキリンが戻ってきて、俺の方に突進してきた。そしてキリンは角で俺のレウスSヘルムの左目部分を貫き、ヘルムをそのまま空中に弾き飛ばす

カ「この…野郎……!!俺の装備を傷つけるとは………いい度胸してるな!!」

雪の上に転がっているレウスSヘルムを着け、再び戦闘が始まる。すると、キリンは疲れたのか走るのをやめて止まっていた

カ「チャンスだ!今のうちに一撃いれてやる!!」
カ「一太刀目はあたしがいれる!!」

キリンに近づいて攻撃をしようとした瞬間────

キ「ヒヒ─────ン!!!!」


ビシャァァァァン!!ビシャビシャァァァン!!


カ「ぐあぁ─────!!!!」
カ「きゃあ─────!!!!」


───無数の雷が周囲に降り、俺達に直撃した




















レイアSide

雪山・エリア6

正直、私は今回の狩猟は危険だと思った。でも、このままほっといたら大量のプレイヤーが死ぬことになる。それを防ぐには今、あたし達がやるしかない。私は歩きながら作戦を考えていると残りの三人の話し声が聞こえる。今は構っている暇はない。とにかく作戦を考えなければ………

モ「う~〜やっぱ寒いよ!!(ブルブル)」
レ「………」
キ「アスナ…お前……寒くないのか?」
レ「………」
ア「寒くないどころかへっちゃらだよ。耐寒スキルついてるし」
キ「その装備で耐寒っておかしくないか!?」
レ「あ─────!!!!もううるさいわよ!!少し黙ってちょうだい!」

さっきまで作戦を考えて黙っていたが、さすがに気が散ってしまい、大声をあげてしまった

レ「もう……本当に緊張感ないんだから………少しは危機感を持ちなさいよ……」
ア「ご、ごめんね。レイア。そんなにうるさかった?」
レ「作戦を考えている時にそんなに喋られたらうるさいに決まってるでしょ。まぁ、素直に謝ってくれたから許してあげる」

再び私は作戦を考えてると、前方から少し離れた場所に黒い影があった。そして、そこから降りてきたのは───



テ「ゴアァァァァァ!!」



この白銀の世界で決して凍結することのない鱗に描かれた青と黄色の縞模様。一切の保護色を纏わないそれはまさに『絶対強者』にふさわしい飛竜種。その名は……


レ「………来たわね。轟竜…ティガレックス」


私は自分のメイン武器である狩猟笛を構える。三人も既に武器を構え、戦闘態勢を整えていた

テ「ゴアァァァァァ─────!!!!」

ティガレックスは強力な四肢を使い、こっちに突進してくる。ポーチから閃光玉を取り出し、ティガレックスに向けて投げると、眩い光がティガレックスの視界を失わせる。その隙に私は三人に指示を出す

レ「モーラン。あなたは頭を攻撃してスタンさせなさい。キリトは後ろ足と尻尾を攻撃。アスナは自由に攻撃して麻痺を狙いなさい」
モ「よっしゃ!任せろ!!」
キ「……ああ。分かった」
ア「OK。了解」

今回はこの狩猟で役立つ狩猟笛のヤミノヒツギを持ってきた。この狩猟笛はギギネブラの素材を使った物である。私はキモイモンスターが苦手なのにカリトが強制で連れていき、少し嫌な思い出が詰まった狩猟笛だ。
でも、旋律効果は良かったのでひとまず良いことにした。まずは自分強化で脚力を向上させ、次にティガレックスの咆哮を無効にするために重ねがけして聴覚保護[大]を発動させる。次は攻撃力[大]を発動させ、全員の攻撃力を上げる。強化が終わった頃にはティガレックスは視力が回復し、ガチンガチンと歯を鳴らす

レ「さぁ………ここからが勝負よ。覚悟しなさい、ティガレックス!!」
キ「絶対に…………こいつを殺す!!」
















────50人のプレイヤーを倒した幻獣と仲間の命を奪った轟竜に挑む6人のプレイヤー。果たしてこの6人のプレイヤーは見事に狩ることができるのだろうか………


 
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