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魔法少女マギステルたかね!

作者:源十郎
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4話

 4月の朝日は和らぐ……とはイメージだけなのか、カーテン越しの光りに寝呆気ながら右腕で壁を作る少女がいる。
 日が昇るにつれ上がる気温と、身体を覆っていた布団の中の暖かさが相乗効果を齎したのだろう。就寝中の無意識さで跳ね退けたのか、布団が幾分乱れ寝具としての役目を熟せずにいた。
 シンプルな桜色の寝間着も、その無防備さ故に――乱れに乱れている。具体的に云うなら、腹部が胸元まで捲れて臍が見えるくらいには。
 日の光りから逃げるように寝返りを一度。背中と膝と、ついでに手の甲も丸め、赤子のように縮こまる。
 無意識の動きを夜半から繰り返したのか、腰から太股にかけて寝間着が捻れている。……更に言えば、そのせいで若干白い布地が見えていた。
 あどけない寝顔は朝日から逃げれた今、幸福を体言したように眉尻も下がり、可愛いらしく半開きになっている口は穏やかな呼吸を繰り返す。呼吸に合わせ、輪を描いた唇からスースーと寝息が聞こえる。
 金色の髪も寝具同様乱れていたが、その輝きは変わらずにそこに在る。括れた腰から耳元までと一緒に、その長い髪も一部を除き朝日に照らされていた。
 光りを帯びた髪は、それ自体が貴金属のように輝き、絹のような滑らかさと軟らかさをアピールしている。その髪に触れたいと云う衝動に駆られる人も居そうだが ――少なくともこの場には少女しか居ない。
 そうして明かな惰眠を貪ること数分。静かな寝床に、外界から異音が雑じる。
 カチャカチャと。時にトントンと。
 次第にジューっと云う音に変わる。それと同時に鼻腔を擽る匂いに少女が反応を示す。
 音と匂いに抵抗するように、穏やかだった表情が険しさを帯びて行く。
 激しい抵抗を思わせる表情を数秒。やがて諦めに似た決意と共に、ゆっくりした動作で起き上がる。
 上半身を起こし、欠伸を一つ。ついでに右手で瞼を擦りながら、左手と全身を使い大きな伸びを一つ。
「ぁ、ふぅ……ん」
 激しい脱力感を感じさせる動きと、締まりの無い口許から出た意味の無い声を漏らし、傾いた身体のまま硬直。そのまま寝てしまったように動かない少女の口から呼吸音がする。
 一つ。二つ。
 三つを数えた辺りで再び瞼を擦り始め、四つ五つと続ければ。六つ七つで漸くモソモソと動き始める。
 ベッドに寝ていたのだが、緩慢な動きで落下せずに危なげ無く床に足を付ける。
 右、左と順番に足を降ろし、直立するとまた欠伸を一つ。とても覚醒していると言い難い動きで寝間着に手を掛ける。
 年頃の女性が無警戒過ぎた。何せ彼女の寝室は寮の一室であり、仕切にカーテンを使っただけ。それでもここは「女子」の為の寮だった。通常なら何の問題も無い。
 上、下と別れた寝間着を脱衣。下着姿姿になりながら、一画にある衣服棚に歩み寄る。この時までに気付くべきだったのだ、今日は「いつもと違う」と。
 未だに覚醒を知らぬ少女は、染み付いた普段の行動をトレースし、シャワーを浴びる為の準備をしているだけだった。
 半裸を惜し気も無く曝し、無防備にカーテンを開け、尚も騒がしく音を立て香ばしい匂いのする台所を過ぎようとして声を掛けられる。
「ん? 高音か? おはよう。
 ……ふむ。随分とだらし無い起床だな。
 早く顔を洗ってきたまえ、間もなく朝食……も――」
 声はいつもの聞き慣れた男声。だが、何だ? 言葉をとぎらせ硬直したかのような……
 声のする方を見てみる。似合わないようで身体の一部然と着こなしたエプロン姿におかしなところは無い。無いが、その白髪を降ろした表情は口を閉じるのを忘れ、呆然とこちらを見ている。
 それを訝し気に思い、自身の身体を見て――
「い、いやあああぁぁぁ――――ッ!!」
 ――盛大な悲鳴と共に、無意識に纏った「影」付きの渾身の右フックが相手の顎に突き刺さる。



 ――相手を殴り倒してから漸く現状を把握した少女「高音」は、殴り倒した相手「士郎」に直ぐさま謝罪する。
 士郎としては被害者なのだろうが、「そのつもりが無くとも、女性の肌を見てしまったのだから、こちらにも非はある」と同じく謝罪する。勿論、目は閉じながら。
 直ぐさま高音に身仕度を促し――十数分を置いて二人は食卓にて相対する。
 黒いカッターシャツに黒いスラックス、そこにエプロン着用のままの士郎の表情は外見上いつも通りである。
 水色のセーターに紺のジーンズ、普段着の高音は逆にやや俯き加減で気落ちしているのが分かる。
 そんな高音だが「気に病むことはない、気に病むとしたらこのままでは冷めてしまう食材達にしたまえ」と言われてしまえば、頷いて思考を切り替えるしかない。確かに、列ぶ料理は香ばしく香り立ち、今か今かと時を待ち侘びているようだ。
 これでは罪なく、ヒトの為に身を捧げた食材達に申し訳が立たない。なら、謝罪と感謝を込めて、この国の作法を取れば良い。
「いただきます」
 一つ言葉を出し、一つ口に料理を運ぶ。
 そうすれば、ほら。
 嫌なことを忘れて幸福に笑顔も禁じ得ない。後は落ち着いて箸を伸ばしながら、幸せの味を噛み締めれば良いのだから。
 料理は「ヒトを幸せにする一番身近な魔法」と、目の前の男が言っていた。
 美味しいと笑顔を見せ、それを見て――互いに幸せになれる「魔法」だと。
 食卓に列ぶシンプルな和食。そのどれもに際立つモノは無いが、どれもがきめ細かい技術と気配りで出来ている。
 派手さは要らない。少なくとも高音には。
 あるのは彼女が親しみを持つ、この「士郎」が作る料理。疲れた身体をゆっくりと解すように、自身に良く馴染むその幸福感。技術だけなら、他にもこれ以上の料理を出すヒトが居るだろう。だが、高音個人の為に合わせた料理はどれだけのヒトが作れるのか――
「作りたいから作った」「頼まれたから作った」と、そんなどこか退いた場所から出された料理には無いモノ。
 「誰かの為に」と作られた料理にこそ――高音の心を満たせるモノなのだから。
 「ごちそうさま」「お粗末さま」と作法ではあるが、互いに必要と感じて自然と口にする。
 すっかりいつもの高音に戻ったのを確認して、食器を洗いに行く士郎。手伝いを申し出るが、やんわりと断られる。無理に手伝おうとしても、それを機に皮肉を浴びせられては堪らない。引き際は心得ている。

 せっかくなので、空いた時間で部屋を片付ける。
 そう、今日は日曜日。学業も無いなら身体を休めるも、普段手に付かない作業をするも自由なのだ。
 そして、高音にとっては学業の無いこの日は目標の為に使える。何より今日は、ルームメイトが土日の連休を利用して実家に帰っている。秘匿が前提の魔法を使った修練や、その勉強に勤しめる。
 事実、ルームメイトが昨日の朝方から実家に帰っており、それから夜までを魔法の勉学に、夜からは実践演習に充てている。思えばそれが今朝の失態に繋がるのだが――とりあえず、そういった機会であることに違いはない。
 昨日使った魔法教材を隠匿するように片付け、然も「何も無かった」と言わんばかりにする。
 ルームメイトも、今日の夕刻には帰って来るだろう。それまでの時間、有意義に過ごさなくてはなるまい。何より明日からは数日間、忙しくなるのだから。
 片付け終わりを見計らったように、仕切り越しに人の気配を感じる。あちらも洗い作業――とついでに台所の清掃も――を終わらせたのだろう。「準備は?」と主語も無く問われ、それに「えぇ」と肯定の意を返す。何の事は無い。既に双方共に事前の了解があるの
だから。
 仕切りのカーテンを開き、互いの視線を絡ませると、士郎が折り畳まれたエプロンを寄越す。高音も何の疑問も無く、それを受け取り――
 ――受け取ったのを確認した士郎が、前触れもなく“消えた“の
だ。





 魔法使いと呼ばれる者達にも共通した弱点がある。
「詠唱中は無防備であり、詠唱中断はそのまま魔法の失敗である」
 と云うこと。
 勿論、それを「ある程度」克服は出来るが、一定以上の大魔法は詠唱の長大さ故に確実性に欠ける。
 ましてやインファイトはその展開の速さ故に、一瞬でも隙を見せれば文字通り「折り畳まれて」しまうだろう。
 結論から言えば、そういった欠点を何も自ら克服する必要もない。勿論、ある程度は必要だが、完璧に熟さなくて良いのだ。

 ――ミニステル・マギ――

 「魔法使いの従者」の意味を持つ、欠点を補い合うパートナー。
 ある契約を交わし、その潜在能力の具現たる「アーティファクト」を持つ存在。
 これが魔法使い達の共通の知識であり、根底にある普遍“だった“。
 例外は存在する、とは言え、そもそも較べる計りが違えばその普
遍性はやはり揺るがないのだ。
 つまり――魔法使いの常識とは全く次元の違う「従者」が居る。
 どういった理屈で呼び出され、どういった存在なのか理解不能。
 ましてや、その主はまだ高校生。その成長過程に何か悪影響が無いか心配するのは、大人のエゴだけではない。
 主を「高音・D・グッドマン」、従者を「衛宮士郎」と言う。
 そんな周りの評価も、当人達には意味がない。
 事実として、従者は呼び出され、主は対価を与えている。対価は魔力。成長過程での魔力の搾取に、大人達は危機感を持っているが、契約そのものに理解が及ばない為に解呪は出来ずにいる。
 問題の従者も、存在そのものが魔力で構成されており、曰く「霊体」であるらしい。それを聞いた大人達は、当然「悪魔」などの“自身にとって理解出来る存在“に置き換え――結果、駆逐を前提とした戦いが起きようとしたのは想像に難くない。
 幾重にも魔法が飛び、その男に襲い掛かる。
 男は逃げもせず、ただ花びらに似た盾を敷き、耐えつづける。所々欠け、男自身ボロボロになりながら――それでも鋼のような身体と視線、その心は不動。
 やがて何かを悟り、一人――また一人と攻撃を止め、再びその男を見詰める。
 満身創痍。もう立っているのも辛いだろうに、その身体を休めようともしない。何より壮絶なのは、その瞳に込められた意志。
 それに折れたのは大人達だった。
 年輩の魔法使いが問う、「何故そこから逃げない」と。男は答える、「逃げたら護れない」と。
 年輩の魔法使いが問う、「何故反抗しない」と。男は答える、「同じ目的を持つ者同士が争ってどうする」と。
 短いやり取りだが――それで悟る。
 彼はただ、護りたいだけ。その背後に横たわる、まだ幼い少女を――

――これが、奇妙な主従の4年前の一幕。




 曰く、この従者は「霊体」らしい。
 女子寮への不法侵入モドキも、単に霊体へと身体を戻したが故。
実体が無いのだから、侵入自体は楽だろう。
 本来なら、彼のこの特性故に、そもそも「野放し」には出来ない。出来ないが、さすがは魔法を冠する者達の住まう地。対魔対霊処理はされている。でなければ、女子の貞操も危ないことこの上ない。本人がどうであれ、対外的にはそうだ。
 故に、霊体化による透過は、対霊処理されていない場所や、主たる高音の傍や処置の一時凍結を高音が行った場合のみ可能。実体化すれば話しは別だが、物理的な重みの無い霊体では透過は無理。
 つまり、高音の部屋に居たのはそもそも高音自身によるモノだった。
 普段は、ある意味冷遇とも言える「屋上からの対外監視」を命じられ、寒空の中放置される。
 尤も、基本霊体故に睡眠も食事も必要無く、気温の変化も関係なければ風邪も引かない。
 妥当ではあるし、当人は納得しているが――初めてそれを聞く者の涙を誘ったのも事実だった。……本当に泣いたのは高音の妹分たる愛衣だけだったが。
 自室のドアを開け、霊体の従者が自身と同じ室外の廊下に出た事を確認すると、ドアノブに鍵を挿し回す。
 確かな設錠音とその感触、そして自身の手でノブを回し引いてみる。完全な設錠を確認した時、廊下を走る足音が聞こえてきた。
「おはようございます! お姉様!」
 その声に振り返ると、案の定愛衣の姿があった。同じく「おはよう」と挨拶を交わし、揃って寮出入口へ向かって歩みを進める。
 可愛いらしい花のような笑みと、その身を包むこれまた愛らしさを見せるチェックのワンピース。胸元の細いリボンと、肩のストールも似合っている。
 そんな愛衣とは打って変わり、背後に感じる「空気」は重い。正に「空気」な士郎に、リンクを通した念話で問う。
『何を微妙に重い雰囲気でいるのです?』
 その問い掛けに、ああ、と幾らか逡巡を見せ、やがて搾り出しように答えを返す。
『いや、なに――佐倉に朝の挨拶の一つも出来ない自身が不甲斐
無くてね……』
 ああ、と今度は高音が心の中で頷きを入れ、納得する。
 彼は魔法に対する才能が極めて低く、念話すら満足に行かない。高音と士郎にだけ赦された特殊な念話により、霊体でも会話は可能だが、受け身たる受信以外に彼が霊体での念話送信が可能かと問われれば――残念ながら黙って首を横に振るのが人情だと言えるだろう。
 ついでに言えば、士郎は何かとこの後輩を気にかけているような節がある。
 高音個人としても、この愛らしい後輩を気にかけて貰えるのは有り難い。有り難いのだが――不思議と、「何故か」不思議と――業腹な時もある。
『………………では実体化して挨拶でもしたらいかがです?』
 なので少々気晴らしに弄ってみよう。
 大概にこういう時は、彼の皮肉は出て来ない。答えに窮し、むぅ、と唸るだけ。これで溜飲も降ると謂うものだ。
「? どうしました、お姉様?」
 いけない、何かに気が付かれたかのような愛衣に、「なんでもない」と答え隠すように歩み続ける。
 その背後に、未だに重い「空気」を引き連れながら。




 いざ寮外へ。
 目的地は、廃屋のある学園都市の端の森林地帯。
 一般人があまり踏み入らない場所で、結界の敷き易さと土地の広さが目的に適している。その目的は魔法の実技演習に外ならない。
秘匿を前提にする以上、行使する力を隠す結界を敷くのも修練の一環である。
 愛衣と共に馴れた動作で式を編んでいると、いつの間にか実体化した士郎がいた。
「あ! おはようございます、衛宮先生!」
 それに気付いた愛衣が、にこやかに挨拶。ついつい和んでしまうが、それが愛衣という少女の持ち味であり、高音も士郎も好ましいと思う在り方だ。
「ああ、おはよう、佐倉」
 ぶっきらぼうで、短い挨拶だが――その実、韻は丁寧で優しく、一文字一文字にそれが込められている。
 先程まで挨拶出来ずにいた為に、その分過剰に見える。
『……わざと実体化出来ないようにしたのは失敗だったかしら?』
 実体化するのに人目を憚るなら、人目があるところを進むだけ。
 嫌がらせのような囁かな意趣は――結果を見れば失敗だったらしい。
 自身でも持て余す感情に、普段の嫌味を消した純粋な笑みを作る我が従者を睨む。それに気付いたのか、こちらを見て驚きの表情をする。それでも治まりを知らない高音と、驚きを困惑に変えて僅かにうろたえる士郎。更にそれを見て、くりくりとした綺麗な瞳に疑問を浮かべ、コクっと首を斜めに傾げる愛衣――
 長くは続かなかったが、混沌の“(おと)“三つ。噛み合わない和音は、聴こえずとも鳴り響いていた。



「……で、やはり衣服の上では“影“を纏えないのかね?」
 廃屋に入り、シートを敷き、そこで「着替え」て来た高音達に開口一番の士郎の言葉だ。残念ながらと答えを返し、理由も伝える。
 やはり自身の肌と違い、その「境界」がイメージ出来ず、上手く“影“を纏えない。そう、「着替え」とは、戦闘用の防護服を、魔法による「操影」で編むこと。
 対物理・対魔力を向上させるこの魔法。本来実体の無い「影」を纏う為、その重みや布擦れの煩わしさは無い。更に「影」と云う不定の存在は、その普遍的なカテゴリー「架空」と云うヒトの身近に在りながら、決して手の届かない存在としての定義を持つ。
 「架空」―― つまり想像こそがその根底にある。自身の想像がそのまま力を持つのだから、魔力ある限り、自身の「イメージ」を崩さぬ限り――その力に際限は無い。
 あらゆる意味で特殊な魔的な要素だが、その長所がそのまま欠点とも言えた。
 端的に言えば、全ての根源は自身の裡に在る。外的要因も無い、自身との戦い。それに対する“彼“の言葉はこう――曰く、「勝てる自身を創造しろ」と。
「ふむ。少なくとも下着の上からでも影を纏えると、万が一の時
でも安心出来るのだがね」
 万が一とは、イメージの破綻による影の消失だった。目下、高音の優先事項はこれだ。
「気絶する度に『脱げ』ていては、私もおちおち目を開けて居ら
れなくてね」
 イチイチ皮肉を口にしなくてもわかってはいる。いるが、正論故に反論も出来ない。高音とて、好き好んで肌を曝したいなどと思わない。
 だが、この防御はかなり優秀で、基本故に最奥とも言える。基本故に、ここからの発展も非常に多い。「操影」による自立“影“人形の同時操作もそれに当たる。
 守勢に長けた能力だが、一対多の戦闘ですら勝ちを拾える希少性をも内包する。自身の防御を最大に、と同時に影人形による自立攻撃。影の攻撃力が低くても、最終的に立っていれば勝ちだ。
 現状、影人形の最大運用個体数は17。つまり、17もの壁を持つ。他者を守る為の能力としては有用だった。“影“と云う陰欝なイメージがあるとはいえ、高音も愛衣も――そして士郎も、これを是としている。
 高音としても、別に相手を滅ぼす力が欲しいワケではない。必要なのは守る為の力。それを一番有効に使え、自身の適性に合っていたのが“影“だったに過ぎない。
 その高音の秘奥とも言えるモノがある。

 ――黒衣の夜想曲(ノクトウルナ・ニグレーディニス)――

 近接戦闘に於いて、その物理的な攻撃を“自立防御“する巨大影人形の創造。あらゆる攻撃から主を護り、その巨大による攻撃で圧倒する最終奥義。
 攻守一体の操影術がそこにある。
 今回の修業の半分はこれ、「黒衣の夜想曲」での戦闘訓練になる。となりに、近接と対を為す遠距離でのサポートをする愛衣がいる。布陣は問題無い。だが、“敵“を侮るな。“敵“は――
「さあ、行くぞ。制限時間は10分。
  ……その間、耐えてみせろ」
 ――“敵“は、“最強を創造する自分自身“なのだから! 
 

 
後書き
高音と赤弓さんの相性の良さは異常…
指導でも兄弟でも相棒でも行ける…ッ! 
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