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蒼の使い魔は悪魔で召喚魔剣士

作者:蒼鈴六花
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決闘と小さな相棒

 
前書き
運営さんにバックアップデータがある場合の投稿の仕方を教えてもらいました。
というわけで一気に投稿です! 

 
学院長室にて

「オールド・オスマン!」

勢いよく扉が開けられ、コルベール先生が入ってくる。

「なんじゃね?」

「たた、大変です!」

「大変なことなど、あるものか。すべては小言じゃ」

「ここ、これを見てください!」

コルベール先生は先ほど読んでいた書物を手渡す。

「これは『始祖ブリミルの使い魔たち』ではないか。まーたこのような古臭い文献など漁りおって。そんな暇があるのなら、たるんだ貴族たちから学費を徴収するうまい手をもっと考えるんじゃよ。ミスタ……、なんだっけ?」

「コルベールです!お忘れですか!」

「そうそう。そんな名前だったな。君はどうも早口でいかんよ。で、コルベール君。この書物がどうかしたのかね?」

「これを見てください!」

そう言って、サイトのルーンのスケッチを手渡す。
それを見た瞬間、オスマンの顔色が変わって目が光る。厳しい色になった。

「ミス・ロングビル席を外しなさい」

ミス・ロングビルは部屋を出て行く。彼女が部屋を出て行くのを見た後。

「詳しく説明するんじゃ。ミスタ・コルベール」

コルベール先生は昨日おきた事そして図書館で調べたことを説明した。

「始祖ブリミルの使い魔『ガンダールヴ』に行き着いた、というわけじゃね?」

「そうです!あの少年の左手に刻まれたルーンは、伝説の使い魔『ガンダールヴ』に刻まれていたモノとまったく同じであります!」

「で、君の結論は?」

「あの少年は、『ガンダールヴ』です!これが大事じゃなくて、なんなんですか!オールド・オスマン!」

「ふむ……。確かに、ルーンが同じじゃ。ルーンが同じということは、ただの平民だったその少年は、『ガンダールヴ』になった、ということになるんじゃろうな」

「どうしましょう」

「しかし、それだけで、そう決めつけるのは早計かもしれん」

「それもそうですな」

そこでドアがノックされた。

「誰じゃ?」

扉の向こうからミス・ロングビルの声が聞こえる。

「私です。オールド・オスマン」

「なんじゃ?」

「ヴェストリの広場で決闘している生徒がいるようです。大騒ぎになっています。止めに入った教師がいましたが、生徒たちに邪魔されて、止められないようです」

「まったく、暇をもてあました貴族ほど、性質の悪い生物はおらんわい。で、誰が暴れておるんだね?」

「一人は、ギーシュ・ド・グラモン」

「あの、グラモンとこのバカ息子か。オヤジも色の道では剛の者じゃったが、息子も輪をかけて女好きじゃ。おおかた女の子の取り合いじゃろう。相手は誰じゃ?」

「……それが、メイジではありません。ミス・ヴァリエールの使い魔の少年のようです」

オスマンとコルベール先生は顔を見合わせ

「教師たちは、決闘を止めるために『眠りの鐘』の使用許可を求めております」

「アホか。たかが子供のケンカを止めるために、秘法を使ってどうするんじゃ。放っておきなさい」

「わかりました」

ミス・ロングビルが去った後

「オールド・オスマン」

「うむ」

オスマンが杖を振ると壁にかかった大きな鏡に、ヴェストリ広場の様子が映し出された。



俺は、タバサに召喚獣に関していろいろと聞かれているとなにやら周りが騒がしくなってきた。
その様子を見て

(すっかり忘れていたがギーシュとサイトの決闘があったんだった)

「なにか、あったみたいだな。行って見るか」

コクリと頷くタバサと騒ぎの中心に向かった。



広場に着くとボロボロのサイトがいた。

「お願い。もうやめて!」

ルイズがそう言ってサイトを止めようとしている。

(原作介入はあまりしないつもりだったが、もう考えるのはやめよう俺は俺のしたいようにする)

俺は前に出る。そしてサイトの前に来る。
サイトは俺に気づく。

「……アルさん?」

サイトの前に腰に佩いていた天叢雲剣を地面に刺す。そしてギーシュを見て。

「これは決闘のはずだったな?」

「……なんだい君は?今、決闘の最中なんだが」

「言ったな。では、丸腰の平民相手に魔法で一方的に攻撃するのが決闘なのか?少なくとも俺には決闘に見えない。決闘とは正々堂々とするものではないのか?」

「なら君はどうしたいんだい?」

「せめてサイトに武器を持たせろ。それで少しはフェアになる」

「君の言うことも一理ある。いいだろうそこの平民その剣をとりたまえ」

そして俺はサイトの方に向く。

「なんでアルさんは知り合ったばかりの俺に親切にしてくれるんですか?」

とサイトが聞いてくる。まぁそう思うな、普通。

「同じ使い魔のよしみだ。この決闘が気に食わなかったっていうのもあるがな、サイトがなんで決闘してるのかはわからないが、負けたくないんだろう?」

「あぁ!負けたくねぇ!」

「まだ大丈夫のようだな。剣を取ったら後戻りはできんが、覚悟は良いか」

「あぁ!」

「じゃあいってこい。そして絶対勝て!」

「おう!」

サイトが剣を握ろうとするとルイズが

「だめ!絶対だめなんだから!それ握ったら、ギーシュは容赦しないわ!」

「覚悟ならできてる。俺はもう元の世界にゃ帰れねぇ。ここで暮らすしかないんだろ」

「そうよ。それでどうして覚悟が決まるの!?今は関係ないじゃない!」

「使い魔でいい。寝るのは床でもいい。飯はまずくたっていい。下着だって、洗ってやるよ。生きるためだしょうがねぇ」

「でも……」

「でも、何よ……」

「下げたくない頭は、下げられねぇ!!」

その言葉と同時に剣を握り引き抜く。
そのときサイトの左手のルーンが光りだした

それから圧倒的な強さを見せつけサイトはギーシュの右横の地面に剣を突き立てた。

「続けるか?」

「ま、参った」

その瞬間見物してたやつらから歓声が届く。

「あの平民、やるじゃないか!」

「ギーシュが負けたぞ!」

そんな声の中俺はサイトに近づき、杖を出して

「癒しの力よ、ファーストエイド」

回復魔法をサイトにかける。すると傷がすべて治る。
その様子に驚いたサイトが

「アルさんってメイジだったんですか!?」

「魔法が使えるだけだ。あと俺は貴族ではないからな」

「そうなんですか。後、ありがとうございます。アルさんが剣を貸してくれたおかげで勝てました。それに傷まで治して貰って……」

「気にするな。俺は自分のしたいようにやっただけだ」

「それでも、ありがとうございました!」



決闘の様子を『遠見の鏡』で見ていたオスマンとコルベール先生は顔を見合わせ。

「オールド・オスマン」

「うむ」

「あの平民、勝ってしまいましたが……」

「うむ」

「ギーシュは一番レベルの低い『ドット』メイジですが、それでもただの平民に後れをとるとは思えません。そしてあの動き!あんな平民見たことがない!やはり彼は『ガンダールヴ』!」

「うむむ……」

「オールド・オスマン。さっそく王室に報告して、指示を仰がないことには……」

「それには及ばん」

「どうしてですか?これは世紀の大発見ですよ!現代に蘇った『ガンダールヴ』!」

「ミスタ・コルベール。『ガンダールヴ』はただの使い魔ではない」

「そのとおりです。始祖ブリミルの用いた『ガンダールヴ』。その姿形は記述がありませんが、主人の呪文詠唱の時間を守るために特化した存在と伝え聞きます」

「そうじゃ。始祖ブリミルは、呪文を唱える時間が長かった……、その強力な呪文ゆえに。知ってのとおり、詠唱時間中のメイジは無力じゃ。そんな無力な間、己の体を守るために始祖ブリミルが用いた使い魔が『ガンダールヴ』じゃ。その強さは……」

その後、コルベール先生が話を引き継ぐ。

「千人もの軍隊を一人で壊滅させるほどの力を持ち、あまつさえ並みのメイジではまったく歯が立たなかったとか!」

「で、ミスタ・コルベール」

「はい」

「その少年は、ほんとうにただの人間だったのかね?」

「はい。どこからどう見ても、ただの平民の少年でした。ミス・ヴァリエールが呼び出した際に、念のため『ディテクト・マジック』で確かめたのですが、正真正銘、ただの平民の少年でした」

「そんなただの少年を、現代の『ガンダールヴ』にしたのは、誰なんじゃね?」

「ミス・ヴァリエールですが……」

「彼女は優秀なメイジなのかね?」

「いえ、というか、むしろ無能というか……」

「さて、その二つが謎じゃ」

「ですね」

「無能なメイジと契約したただの少年が、なぜ『ガンダールヴ』になったのか。まったく、
謎じゃ。理由が見えん」

「そうですね……」

「とにかく、王室のボンクラどもに『ガンダールヴ』とその主人を渡すわけにはいくまい。そんなオモチャを与えてしまっては、またぞろ戦でも引き起こすじゃろうて。宮廷で暇をもてあましている連中はまったく、戦が好きじゃからな」

「ははあ。学院長の深謀には恐れ入ります」

「この件は私が預かる。他言は無用じゃ。ミスタ・コルベール」

「は、はい!かしこまりました!」

そしてオスマンはふと遠見の鏡を見る。

その瞬間、何かに気がついた。

「いかん!!」

くわっと目を見開き、叫んだ。



そして広場にて

俺がサイトに礼を言われた後、すぐに俺たちに向かって火球が飛んできた。
俺は、咄嗟にサイトを突き飛ばし、自分もかわす。
突き飛ばされてしりもちついたサイトは、突然のことで呆けていたが、状況を把握する。

「た、助かった……」

「チッ!もう少しでその無礼な平民たちを始末できたのに」

観客の一人が舌打ちしながら出てくる。それにギーシュが

「何してるんだ!カニス!」

カニスと呼ばれた男子生徒。見覚えがあるな……どこで見たんだ?

「僕に無礼を働いたやつを始末するついでに君の汚点を消してあげようと思ってね」

教室でタバサに暴言はいたやつか……

「やめるんだ!彼を殺しても僕が負けたという事実はかわらn「うるさいな、君はそこで黙ってあの平民たちが殺されるのを見ていなよ!」ぐあっ!」

カニスは、ギーシュにさっきより小さな火球をぶつける。ギーシュはその場に倒れた。
俺はカニスの行動に怒りを覚える。

「そちらから先に不意打ちしてきたんだ……覚悟はできてるんだろうな」

「魔法が使えるようだが貴族ではないんだろう?そんな貴族崩れに覚悟なんてする必要はないね」

「そうか。俺としては使い魔を交えて戦っても良いぐらいだと思ったんだがな……お前だけでは俺の相棒すら倒せないぞ」

「ラインメイジである僕が弱いというのか!」

「あぁ」

カニスは怒りに震え始めた。

「いいだろう、お望みどおり使い魔をだしてやるよ!そしてお前を一方的に甚振ってから殺してやる!来い!カローヴァ!!」

カニスがそう叫ぶと牡牛みたいな生物が走ってきた。

「では俺も相棒を呼ぶとするかな。来い、テテ」

俺の目の前に光がでて中から小さい竜のような生物が出てくる。
頭にゴーグル付きの帽子をかぶり小さな腕(とういうか手)を組んでどうどうと仁王立ちしている。

「それがお前の相棒かい?ずいぶんと弱そうじゃないか!そんなんじゃ僕のカローヴァには勝てないね!」

カローヴァと呼ばれた牛は人よりやや大きいくらいだがテテは膝まであるかないかくらいの小ささだ。

「見た目で判断すると痛い目を見るぞ……後、言っておくが今からやるのは決闘ではないからな。俺はお前を許さない、ある程度、攻撃させてもらう」

「僕はお前を殺したいしそれでもかまわないよ」

「では、始めようか」

俺がそういった瞬間相手は……

「フレイム・ボール!!」

と火球を放ち、牛はテテに向かって走り出した。

一方テテはチャージした後、走り始めた。
俺は、魔力を脚に纏わりつかせ火球を蹴って消し飛ばした。それに相手は驚愕している。

「っな!!フレイム・ボールを蹴り飛ばして消すだと!!」

そして俺は高くジャンプする。

「幽幻十交拳」

そう言った瞬間、アルの姿は消え、いつの間にかカニスの後ろにいた。
そしてカニスの持っていた杖は三つに別れポロポロと落ちた。

それと同時にテテは走って。

「ふー!!タッ!!」

テテは飛び上がり牛の額に向かって頭突きした。
ゴッという音がしてテテは着地すると同時に牛はずううんと倒れた。テテは無表情?にその場で小さな手でジャブをし始めた。

それを見ていた観客は唖然として、サイトは

「うわー!すっげー強いなあいつ!」

と見ていた。
カニスは杖がなくなったことと自分の使い魔がやられたのを見ると顔を歪め。

「そ、そんなばかな……嘘だ、僕の杖が……カローヴァが一撃でやられるなんて」

「残念だが事実だ」

その声にようやく俺の存在に気づき後ろに振り向いたカニスにトドメをさす。

「三連激」

そう言ってから俺は、カニスに正拳突きしたあとボディブローで浮かしサマーサルトキックをくらわせる。
サイトは

(人ってあんなに飛ぶんだ)

と思ってみていた。
カニスはまるで体重がないかのごとく飛びそして落ちた。

そして俺は仰向けに倒れているカニスに近づきまだ意識があることを確認した後。

「召喚・シャインセイバー」

カニスの上から5本の剣が出てきてカニスに降り注ぐ。

「ひぃ!!」

目をつぶるカニス。
剣はすべてぎりぎりのところで地面に刺さる。

「これに懲りたらもうあんなばかげたことはやめるんだな」

俺がそういった後、カニスは気絶しまわりで見ていた観客たちは青ざめていた。

そして俺は、少し遠見の鏡の映してる方を見てからテテに近づく。

「ありがとな」

頭を撫でてあげた。若干顔を赤くしつつ照れ隠しにそっぽを向いてしまった。かわいいな……今度なにかおいしいものでもあげよう。

そこにサイトが近づいてきた。

「アルさんってすごく強いんですね!あいつに素手で勝つなんて」

「鍛えれば誰にだってできるさ」

「それはないと思いますよ……けど俺もあんなふうに強くなれたらなー」

「朝に鍛錬をしている時でよかったら剣を教えることができるが?」

「っえ!いいんですか!じゃあ宜しくお願いします!」

「あぁ」

その後、サイトに剣を返してもらい、テテを還してタバサのところに戻った。



学園長室にて

「最後、こちらを見ていたということは気づいていたんでしょうか?」

「……うむ、おそらくな。それで彼はいったい何者なんじゃ?」

「昨日お話したミス・タバサが召喚した異国のメイジと思われる青年ですよ」

「……一度だけ魔法を使ったようじゃが見たことのない魔法じゃったな。それにテテと呼んでいた幻獣を呼び出した時と剣を出した時、あれは召喚していたようじゃ」

「サモンサーヴァント以外に幻獣を召喚する術が存在するのですか?」

「少なくともわしは聞いたことがないのう、そもそもそんなことができるんならサモンサーヴァントで使い魔を呼んだりはせんて」

「たしかにそうですね。だとしたら彼の術はいったい」

「それ以外にも彼は素手でラインメイジを倒してしまった。普通はそんなことできんはずじゃがのう……」

「それに彼はあれでも手を抜いていたように思えますね……相当な修羅場をくぐっていそうです」

「素手であれだけ強いうえ剣を持っていたからのう、もし彼が剣を持ち、本気で魔法等を使ったら……どうなるかのう。それに彼は、ミス・タバサの使い魔じゃ。下手に荒事を起こせばガリアと戦闘になるやもしれん。そうなればトリステインなんぞすぐに滅んでしまうわい」

「た……確かに」

「じゃからこのことは他言無用じゃ。分かったかの?」

「は……はい!」

「さて、彼は何者なんじゃろうな……」

「一応、今日色々と話してくれるようですが……どこまで話してもらえるか」



そして俺は、今タバサといる。

「勝手なことしてすまなかったな」

「いい」

なんだかこの体になって怒り易くなった気がする……悪魔になったから少し短気になったんだろうか?
そんなことを考えてるとタバサが急に

「……っう」

目を押さえ始めた。

「どうした?タバサ」

「イルククゥがどこかに連れて行かれそうになってる」

「誘拐か!?」

コクリと頷く。
そういえば人攫いに捕まるの忘れてた。

「場所は?」

「どうするの?」

「こうするのさ、召喚」

赤い竜が召喚される。

「!?これは」

「ワイヴァーンだこいつに乗っていく。さぁいくぞ!」

そして俺たちは、ワイヴァーンに乗ってイルククゥの救出に向かった。






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やっとテテが出せましたー!!テテかわいいです!
もう一匹の大好きなやつはいつ出せるのやら・・・テテはちょくちょくだせそう?ですが。

未熟ゆえに文章に変なところがあるような気がしますが後々修正予定です。

では、誤字・脱字・感想・アドバイス等お待ちしております。



 
 

 
後書き
テテは全シリーズでずっと相棒でした。
強いしかわいいです。 
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