IS インフィニット・ストラトス ~さびしがり屋の少年~
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第一章 IS
辛勝
前書き
ひっさしぶりにIS書いた気がするw
「ハッ!!」
開幕と同時にシャルロットさんが両手に何かを構築する。
何の武器だ――?
と思う時点で既に遅かった。
シャルロットの《ラピッドスイッチ》と呼ばれる能力により一瞬で形成され、さらに照準までしっかりと合っているアサルトライフル《ヴェント》から弾が発射される。
「――ッ!!」
反応が遅れて避け切れない!!
そしてエネルギーの少ない蒼穹では多少のダメージでも命取りになる。特に照準からして狙われているのは生身の胴体部分。絶対防御が発動する場所だ。
......なら。
瞬時に刀を抜刀、振り切る。まぁ、居合です。ハイ。
......手ごたえはあった......。
チラッと自分のシールドエネルギーを確認。
まったく減っていないことから成功したのだろう。
まぁ、この時点ですでにわかる人も多いだろうが一応言うと、今僕は銃弾を一刀両断したのである。
んなアニメみたいなこと......と思うかもしれないが、ISにより、強化された動体視力等で、以外にできたりする。
のだが。
「......え?」
前のシャルロットさんが呆けた声を上げた。
「? どうかしました?」
「え、えっと......まさか銃弾を斬った......とか言わないよね?」
「言います」
「ほ、本当に!?」
「マジです。実際エネルギー削られてませんし」
「うぅ......じゃあこれなら!!」
《ヴェント》が消え、変わりに出てきたのは二丁のショットガンである《レイン・オブ・サタディ》。
あ、これはキツい。
二丁が交互に火を噴く。一発一発の時間差がこれまた微妙で、一回の居合いで二発切り落とすのはどうやら不可能そうだ。かといって二回する時間は無い。
と、考えたが、元々受け止める気は無い。背後のスラスターを吹かし横にスライド、躱す。
と、躱した先でも撃たれる。
普通の回避じゃ避けきれない!!
なら
《イグニッション・ブースト》を発動、スラスターを吹かし、上に飛翔、回避する。
ちなみにこの蒼穹はシールドエネルギーが極端に少なく、大体、瞬時加速を5回出せるかどうか程度のシールドエネルギーしか無い。
と、いう訳で残り四回。
勿論この一回を無駄にするわけ無く、飛翔した先で、急停止し、両手の甲に装着されているチェーン、計二本を射出する。
「ぐぅっ......!」
瞬時加速からの急停止で身体が悲鳴を上げる。
が、それでも射出されたチェーンは右手の方がが片方の《レイン・オブ・サタディ》を絡め取り、もう片方のチェーンはシャルロットさんのISの右腕に絡みついた。
ちなみにボルテックチェーンでは無いので電撃を流したりはできないが、それでいいのだ。僕、あの武器正直キライだし。
「くぅッ!!」
電流が流れると思ったのか一瞬身体を強ばらせたシャルロットさんだが、逆にチャンスだ。
今回もチェーンの使い方は一夏君と戦った時と一緒だ。
ただ大きさは違うけど。
一夏君と戦った時は投げた刀を回収するために使ったが、今回は、相手をこっちの間合いまで引きつける!!
踏ん張りあいになったら勝てる気がしないが、相手の身体が強ばっているなら引っ張るのは簡単。
チェーンで《レイン・オブ・サタディ》を取り上げ、遠くに捨て、チェーンを一瞬で巻き取る。そしてシャルロットさんの腕に巻き付いたチェーンを引きつける。
「わッ!?」
今更スラスターを吹かせても間に合わない。
段々近づいてくるシャルロットさんを視認しながら空いている右手で刀の柄を持つ。ちなみに蒼穹の腰部には、刀の鞘を取り付ける場所があり、そこにくっつけている為、落ちたり等はしないのです。
すでに鯉口を切っており、直ぐに抜ける。
この一発を当てればかなりのシールドエネルギーを減らせるだろう。そのまま2、3撃繋げられれば僕の勝ちだ!!
「喰らえっ!!」
シャルロットさんが間合いに入った瞬間に抜き、一閃。
が、その一撃は――
「ッくぅ......!」
シャルロットさんが瞬時に呼び出しだ近接ブレード《ブラッド・スライサー》により、受け流された。
「しまっ――!?」
「女の子に対してボルテックチェーンはちょっと趣味が悪いなぁ」
「え、えっとこれ、ただのチェーンなんだけど......」
「え?そうなの? まぁ、いいや。でもいいの? 油断大敵、だよ」
瞬間、チェーンが外され、その手に持っていた《レイン・オブ・サタディ》の砲口が僕の頭に向く。
当たったら完璧なヘッドショットだ。絶対防御があるから死ぬことは無いが、確実にシールドエネルギーが無くなる。
ならっ――!!
砲口が火を噴くより一瞬早く、僕のISの左足のふくらはぎの部分に点けられたスラスターが火を噴いた。と同時に納刀する。
それに身体を預け、身体が時計回りすると同時に右足を振り上げ、スラスターの勢いを利用した後ろ回し蹴りを銃身に当て、砲口をそらす。
「うぁッ!!」
悲鳴と共にあさってな方向に火を噴く《レイン・オブ・サタディ》。
そして後ろ回し蹴りの勢いを使い、二度目の居合い。胴体部分に辺り、絶対防御が発動、恐らく半分以上削れただろう。
「キャァァァァァアア!!」
悲鳴と共にシャルロットさんが地面に墜落する。
が、衝突はせず、シャルロットさん自身がどうにか立て直した。
が、この決定的な隙を見逃すほど弱くはない。
「ハァァァァァァアア!!」
納刀しながら二度目の瞬時加速を発動、一瞬で間合いに入る。
そして再度、居合い。
が、これはさっきと同じく、《ブラッド・スライサー》によって受け流される。
が――
「予想通りだっ!!」
受け流された所で制止、刃を翻し、再度斬ろうとする。
と、そこで、シャルロットさんが笑った。
「予想通りだよっ!!」
《レイン・オブ・サタディ》が火を噴いた。
その対象は僕では無く、刀。
「――しまっ!!」
狙いに気づいたときには既に遅く、手に持った刀が弾丸によって弾き飛ばされる。
「くぁっ!!」
衝撃に呻くも幸いな事にシールドエネルギーは減っていなかった。
「これで終わりっ!!」
シャルロットさんが《ブラッド・スライサー》を付きだしてくる。
が、それを躱し、逆に腕を掴んで上空に投げ飛ばす。
と、上空で体勢を立て直した、シャルロットさんが《ブラッドスライサー》を消し、変わりにアサルトライフルを出す。
「これは避けきれるかな!!」
と、レインオブサタディととアサルトライフルによる、掃射が始まる。
「クソッ!!」
三度目の瞬時加速で上空に飛翔する。
と、シャルロットさんの反応が遅れた。まだ銃の砲口は下を向いてる。
「喰らえっ!!」
急停止し、更に四回目の瞬時加速で一気にシャルロットさんの眼前に迫る。
「しまった!!」
「これで勝ちィッ!!」
シャルロットさんが焦る。
「――とでも言うと思ったかい?」
頬を吊り上げるシャルロットさん。
そして左腕に付いているシールドの装甲が外れる。
その下から現れたのは――パイルバンカー。
「これで終わり!!」
パイルバンカーが突き出される。
それは妙に遅く感じた。
負ける......? 僕が......?
そして浮かぶあのときの記憶。
......違う!!僕はまだ負けていない!! もう何にも負けないって誓ったんだよあのときに!!
瞬間、最後の瞬時加速を発動する。
その軌道は――曲線。
バスケットで言う『バックターン』。
ディフェンスをロールで躱す技だ。
それを瞬時加速でやる。
「グ......ゥゥウ......ゥァァァァァァアアア!!」
身体のあちこちが悲鳴を上げ、痛む。脳が今すぐやめろと警告を出す。
でもやめない!! 絶対に!!
「あぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
気合いの声と共に回転し、シャルロットさんの背後を取る。
「ラァァァァァアアアア!!」
両手を組み、それを背中に思い切り、たたきつける!!
「キャァッ!!」
そして墜落、今度は立て直すことが出来ず、地表と激突、シャルロットさんのシールドエネルギーが無くなる。
「ハァ......ハァ......ハァ......」
どうにか、勝てたか......。凄い辛勝だったけど......。
身体がビキビキと悲鳴を上げている。
体中に激痛が流れる。
感じ的に折れたり、内臓破裂とかはしてないッぽいから一時的な物だろうけど......もう絶対やらない。
そう思いながら地表に降りていった。
後書き
とりあえず主人公無茶してギリギリでシャルロットさんに勝ちました。
おのれ主人公......シャルロットに拳をぶつけるなぞ......!!
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