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ハイスクールD×D~進化する勇気~

作者:レゾナ
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第二十五話

そんなこんなでリアス先輩達はオーディンのおっちゃんの護衛にまた就いたらしい。

俺たちが先頭を切り、オーディンのおっちゃん達がその後ろに来ている。

リアス先輩達はそのオーディンのおっちゃんが乗っている馬車を護衛している。

正直に言おう、足手まといになる可能性が極めて高い。

ソーナ会長にこの事を報告すると

「無事に、帰ってきてくださいね…」

と、一言いただいた。

これは負ける訳にはいかない理由が出来たねっ!

すると前方の歪み、大きな穴が開いていく。そこから姿を現したのは―――悪神ロキと巨大な灰色の狼、フェンリルだった。

「それじゃあ、行きますか」

「うん!」

「はいにゃ!」

「はい!」

「はい!」

「おう!」

前方に出ていた俺とヴァーリ達は一斉に戦闘態勢に入る。

「イッセー、無茶はするなよ?」

「イッセー君、帰ってきてね…」

イリナとゼノヴィアに見送られ俺たちはロキに立ち向かう。

「ふははは!こんなに気分が高揚するのは世界終末の日(ハルマゲドン)以来だよ!兵藤一誠!」

そう言うとロキは剣を取り出し、俺に斬りかかってくる。

俺は瞬時にソルブレイブを具現化するとロキの剣を受け止める。

するとロキの側にいたフェンリル達がヴァーリ達に襲いかかる。

「神を殺す牙。それを持つ我が僕フェンリル!一度でも噛まれればたちまち滅びをもたらすぞ!お前たちがこの獣に勝てると言うのならばかかってくるがいいッ!」

「だったら私たちが相手をするわ!」

そう言ってフェンリル達の前に躍り出たのはヴァーリ達である。

「ほぅ?白龍皇が相手か。相手にとって不足はない!さあ、我が子らよ、その牙を以て滅びをもたらせ!」

フェンリルと戦うヴァーリ達。大丈夫だろうか…?

まあ、他人の心配している暇はないのだが……。

「さあ、これで邪魔者はいなくなったぞ。存分に殺り合おうではないか!」

「そんなのは御免被る!!」

俺はロキの振るってきた剣を弾いて、能力を発動する。

大爆発(ブロックバスター)!!」

「ぐはぁ!……くくく、さすがは兵藤一誠だ、我に傷を負わせるとは……」

傷を負うって……小さな火傷程度しかなってないじゃん……それを傷を負うとは言わないよ。

「きゃああああああ!」

俺はヴァーリの悲鳴を聞いてその方向を見る。そこにはフェンリルに噛みつかれているヴァーリの姿があった。

「っ!ヴァーリ!」

「ふははは!まずは白龍皇を噛み砕いたぞ!……兵藤一誠?」

俺が気づいているとフェンリルの頭を掴んでいた。

「その牙を離せ」

「……………グ…………ガ……………」

「後五秒以内に離さないとその頭を握りつぶすぞ」

そしてどんどん握力を強めていくと、三秒くらいでフェンリルは牙を離した。

「アーシア、ヴァーリを頼む!」

「わかりました、頼みます。聖母の微笑みの進化(トワイライト・ヒーリング・マテリアル)

ヴァーリを強化された聖母の微笑み(トライライト・ヒーリング)で治す。

この聖母の微笑みの進化(トワイライト・ヒーリング・マテリアル)は俺がアーシアに繋がりあう力(エンゲージ)を掛けた際に強化された力だ。

まあ、回復力の上昇もあるが……一番の利点はアーシア自身も神器の使い方が上手くなっており回復力の塊を飛ばしたりできるようになったのである。

「ヴァーリはこれで安心だ……ロキ、再開といこうぜ」

「そうだな」

「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「はははははははははは!!!」

俺は叫びながら、ロキは笑いながら斬り合う。

「心踊る戦いは久しぶりだ!さあ、もっと殺り合おうではないか!!」

「そんなのはしないって言ってんだろうが!!」

何度斬り合っても終わらない。これが一生続くのかと思うほどに続いた。

「はぁ…はぁ…はぁ……」

「さすがだな、兵藤一誠」

俺が息が切れているのに対し、ロキは息が切れていない。

ちぃ、さすがは神って所か……。

「イッセー君!」

「イッセー君!」

「っ、バカ、来るな!イリナ、ヴァーリ!!」

「邪魔をするか、天使と白龍皇が!!」

ロキは邪魔された事に怒っているのか雷を発生させ、それをヴァーリとイリナに降り注がせる。

「ヴァーリ、イリナ!!」

俺は急いで救出に向かおうとするが、遅くその雷はヴァーリ達に直撃した。

「ヴァーリ、イリナっ!!」

俺がそう叫ぶと……二人のいた場所に光が生まれた。

ヴァーリSIDE

「…………?ここは……?」

私は気がつけば光の中にいた。

『あらあら、貴女が適合者ですのね』

そんな声が聞こえた。

「誰なの?」

『ああ、姿を見せないといけませんわね』

そう言って光が収束すると……そこには女性が現れた。

服装はトップス、ボリュームがある袖にボレロ状の光の帯、光のフリルがあるスカートといった光のドレスを身に纏った紫紺の髪に銀色の瞳を持っている女性だ。

「貴女は?」

『私ですか?まあ……私本来の名前を言うのなら天使、それを扱っていたこの女性の姿の名前を聞いているなら、誘宵美九(いざよいみく)ですわ』

「天使……!?」

目の前にいるのが天使で……私の事を適合者だと言った。

つまりは……私には天使を扱う資格があるって事?

『まあまあ、焦らないでください。この空間では外の時間とは変わっていましてね。外での一秒がここでは十分位になってますから』

そうなんだ……天使って凄いんだね。

『まあ、ここまでは前座ですね。それじゃあ、聞きますよ……貴女には何があっても守りたい存在……そしてそれを守ろうと貫きたいとする気持ちはありますか?』

そんなのは答えは決まってる。

「私はイッセー君に出会って人生が変わったの……イッセー君と出会ってなかったら私は今頃テロリストとしてイッセー君と敵同士になってたかもしれない。でもイッセー君がそれを変えてくれた。だから……イッセー君を守ってあげたい!それが今の私の気持ち!」

私は今出来る最高の答えを導き出せた……いや、いつも思っている事を目の前の存在に示した。

『…………はい、合格ですね♪』

…………合格?って事は……!

『私の力、大切な人の為に使ってくださいね♪』

SIDE OUT

イリナSIDE

私は気がついたらものすんごく綺麗な場所にいた。

「ここって……?だって夜だったのに……それに私はロキの雷に……」

『私が、この空間に飛ばした』

そう、空が言った。

「えっ?空が喋った!?」

『警戒はしないでほしい。今から実体を持つから』

そう言って私の目の前に光が収束していき……女の人の姿になった。

白いショートカットの髪をした女の人だ。多分年は私と同じ位かな?

でもその服装は学生が着ている服とは思えなかった。

白いドレスとスカート、頭部を囲う浮遊するリングから流れるベールのウェディングドレスのような服装だ。

「貴女は?」

『私は、貴女達が天使と呼ぶ物。人であった時の名前は鳶一折紙(とびいちおりがみ)

「天使……!?」

えっ?えっ!?それじゃあ……私が天使に選ばれたって事?

『でも、私を使うからって慢心しちゃいけない。それに……この力は正しい事に使わないと()()してしまう』

…反転?

「反転ってなんなの?」

『プラスの力には相反するマイナスの力がある。天使の力にもそれはある。天使の力は巨大なプラスの力……それに伴って反転すれば大きなマイナスの力が暴走する。それを私たちは反転と呼んでいる』

反…………転…………。

『だから、よく考えてほしい。反転すれば貴女は貴女じゃいられなくなる。それを覚悟で私を使って……貴女はどうしたいの?』

私のしたい事………………。

「私、浮かれてたんだと思う……小さい頃にイッセー君はいつでも一緒にいてくれて……私が日本を離れる時にもイッセー君は自分も悲しい筈なのに私の事を一生懸命励ましてくれた……」

「そして任務で日本にやってきて……またイッセー君と一緒にいられると思ったら……イッセー君は色々な人を守ってすごい力をつけていた。私も守りたいって思ったけど……私なんかじゃ守れないって実感しちゃった」

思い出すのはこれまでのイッセー君との思い出……。

「でも、イッセー君は今までたった一人で頑張ってきた。おじ様とおば様が死んじゃったって聞いた時もイッセー君は泣き言を言わずに頑張った」

「だから、今度からイッセー君にも知ってほしいんだ。イッセー君は一人じゃない。私たちがいるんだよって……だからイッセー君を守る力が欲しい、イッセー君の事、大好きだから!!!」

私は改めて自分がイッセー君の事を好きだと実感した。

だって思い出すのはイッセー君との楽しい記憶だもん……。

だからイッセー君には苦しんでほしくない。

イッセー君を守ってあげたい!

『…………貴女の気持ち、しっかりと受け取った。やっぱり、恋する乙女は強い』

そう、彼女は抑揚のない声で言ったけど……その顔には喜びが見えた気がした。

『貴女になら託せる……この力、決して間違った方向に使わないでね』

そう言うと光が私を包んだ。

SIDE OUT 
 

 
後書き
天使が二人、覚醒の時を迎える……! 
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