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ソードアート・オンライン ~白の剣士~

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獣竜《ウロボロス》

 
前書き
戦闘短めデス☆ミ 

 
少年とアリシャ率いるケットシー部隊はケットシー領から東に進んだ所に位置する蝶の谷に来ていた。
周りは霧が深く、視界が悪くなっている。

「いかにも居そうな感じっすね・・・」

「ええ、この先に《ウロボロス》はいるはずだヨ」

《獣竜ウロボロス》それはこのALOの世界に存在する《神龍》の内の一体を指す。
その凶暴性は神龍の中でも一位二位を争うほどと謳われ、その素早さは神龍の中でもシルフ領の神龍の次に速い。そして神龍の中でも随一の視力と嗅覚を持ち、その視力はこの霧の中でも容易に見える。
つまり、今この瞬間にもヤツに見られている可能性があるのだ。

「さて、行きますか。向こうもこちらに気づいてるようですし」

「えッ!?」

「忘れましたか?ヤツの嗅覚は神龍の中でも随一、言うなれば蝶の谷全体はヤツの範囲内ですよ」

そう、ウロボロスの真骨頂は嗅覚にあり、その許容範囲は蝶の谷全体だと言われている。

「そうだけド・・・」

「自分の庭に土足で踏み込まれていい気分なヤツはいない。付け加えるなら、喧嘩上等なヤツが来れば尚更だ」

少年は言いながら奥へと進んでいくなかケットシー部隊も後に続いていく。それから暫く奥に進んだ時の事だった。奥の方から木を薙ぎ倒してくる轟音が響いた。

「ッ、来たか・・・!」

少年は背中に携えたアーチェリーを構える。
ケットシー部隊もそれぞれ武器を構える。背中合わせで周りを警戒すると、事態はすぐに起こった。
少年の目の前に突っ込んできたのは全身が硬い鱗で覆われた竜だった。
野獣を思わせる鋭い眼光、どっしりと地についた屈強な四肢、一撃で死に至らしめる鋭い爪と牙。これが《獣竜》と恐れられた神龍《ウロボロス》の姿である。

「ギャアアアア!!!」

巨大な咆哮をあげると、少年に向かって巨大な爪を降り下ろす。
それを回避すると少年はアリシャに指示を出した。

「アリシャさん!二十秒だけコイツの足止めをお願いします!!」

「りょ、了解!ケットシー部隊、敵を足止めせヨ!!」

「「「はッ!!」」」

アリシャの指示によってケットシー隊はウロボロスの足止めに取りかかった。
その間少年は詠唱を始めた。

「────、───」

「あと少シ!!」

「よし、いいぞ!!」

その声と同時に少年は弓を引く、そして矢の先をウロボロスへと向けた。

「汝に、安らぎを・・・!」

放たれた矢はウロボロスの腹部に命中し、ウロボロスは悲鳴と共に崩れた。
動きがなくなったウロボロスを見てアリシャは、

「や、やったノ?」

「いえ、やってませんよ」

「え、じゃあ・・・」

「自分がやったのは一種の回復魔法に近いものですよ。まあ、睡眠が伴いますが、さて・・・」

少年はウロボロスに近づき、ウロボロスの額に手をあてた。

『さて、こっからが正念場か・・・』

「・・・リンク」

少年はそう呟くと目を閉じた。

『聞こえる、コイツの声が・・・』

暫くして目を開けると少年は立ち上がった。

「どうしたノ?」

「なんとか、終わりました」

「結果ハ?」

「・・・なんとか成功しました」

「エッ!?」

「これでコイツは俺のものになりました。手伝ってくれてありがとうございました」

『本当にやっちゃったよ、この子・・・』

すると次の瞬間ウロボロスが輝き出し、その姿はどんどん小さくなっていった。
最終的に小型のドラゴンになってしまったウロボロスは少年の肩に乗った。

「ギャアッ!」

「お前、縮んでも威勢はいいんだな」

「ギャアッ!」

「よろしく頼むぜウロス、お前がこの世界ではじめての相棒だ!」

「ギャウッ!」

少年はウロスと名付けたウロボロスを両手で持ち上げた。ウロスは威勢のいい鳴き声をあげる。
その姿にアリシャはというと───。

「ほんと無茶苦茶だネ、君」

「無理を通すのが自分のポリシー何でね♪さて、これからどうすっかな~・・・」

そう言って少年は近くに落ちてる棒切れを立てて離した。
その方角は───。

「これまた北か・・・北っていうと・・・」

「プーカ領だヨ」

「プーカ・・・」

楽器演奏と歌唱に長けた音楽妖精、《プーカ》そこには勿論神龍が生息している。
《奏龍・ハルビオン》音楽のプーカ領らしい名前である。

「そんじゃ、俺はプーカ領に行くんでここでお別れっすね」

「ねぇ、あなた何者なノ?とてもケットシーって感じじゃないんだけド・・・」

少年はその言葉に不適な笑みを浮かべた。

「さすが、領主。人を見る目はあるようですね♪」

「どういう・・・?」

「俺は何者でもない、Unknown(正体不明)というわけです♪」

「正体・・・不明・・・?」

「では、俺はこれで!」

「あ、ちょっト!!」

アリシャは少年を追おうとしたが、そこにはもう少年はいなかった。
目の前にいたはずの少年は霧と同化するがごとく消えていたのだ。

「何者なノ?、彼ハ・・・」

やがて霧は晴れていき、木漏れ日がさす。

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

遥か遠く、高くそびえる蝶の谷の山頂。しかしそこは妖精が到底辿り着けない高度にあった。彼はそこにいた。

「おーおー、まさか限界高度を余裕で越えるとはな・・・」

薄汚れたフード付きのコート、両手には銀のガントレットが装備されている。
口からは白い吐息が漏れる。

「これじゃあアルンまで余裕で行けるじゃねーか、どんだけチートなんだよこのアバターは」

『ぼやくなよ、これでも抑えてるんだから』

「つってもよー、これじゃあ張り合いがねーっていうか・・・」

『気持ちは分かるが我慢だ、それに前の方が充分チートだったろ?』

「あれは超ハイリスク、超ハイリターンだからこそだろ?」

『それは言えてるな、のんびりしたいが時間がない。次へと行こうか』

「そうだな、状況は?」

『ミッション達成率は現時点で60%だ』

「おーおー、速いこと。これならグランドクエストまでには間に合うんじゃないか?」

『このまま行ければな』

「行けるだろ?なんたって《最強の布陣》だからな♪」

『フッ、そうだな。では行こうか』

「ああ、目指すはプーカ領!!」

『獲るべき首は《奏龍ハルビオン》!!』

少年は羽を広げた。
その羽はどの種族にもない、透き通った白銀の羽だった───。
 
 

 
後書き
はい、戦闘を僅か数行で終わらせてしまった作者です。
なんで書かなかったって?
それは今後の展開を考えたら書かない方がいいかなと思ったんです、ハイ。
最近、先の展開は考えるのに現時点の展開を全く考えない状況に陥っていますw
因みにウロボロスの容姿はモ○ハンのナル○クルガをイメージしていただければなと思っております。

コメントお待ちしております♪
ではでは~三( ゜∀゜)ノシ 
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