ハイスクールD×D 力ある者
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旧校舎のディアボロス
動き出す日常
兵藤 一誠――俺たちは校庭付近の芝生に寝転がっている。
「あ~……おっぱい揉みて~」
俺は思ったことをつい呟いてしまう。すると左右にいる悪友二人が反応してきた。
「兵藤くんに同意!」
「言うな…虚しくなる」
と、そんなことを言ってると――。
「木場さ~ん。この後、何か用事ある?」
「一緒にお茶行かない?」
少し離れたところに、木場祐奈とその取り巻きたちがいた。
「ごめんね。これから部活なんだ」
「そっか~。残念」
「また今度一緒に行こうね?約束だよ?」
と……なんというか、まあモテない俺達には、ある意味羨ましい会話をしていた。
「2年C組、木場祐奈……女子生徒憧れの対象にして…」
「我々全男子生徒の高嶺の花!」
松田と元浜が血の涙を流しながら慟哭している!
…そういえば、龍兄さんいつ帰って来るんだっけ?
「な~に余裕そうな顔してるんだよ、イッセー」
「ふん!どうせ自分には美人な姉妹がいるからって思ってるんだろ!?」
「ばっ!? ちげーよ!!」
…確かにそうだけど、自慢はしねーよ?!
「だが!そんな余裕もそこまでだ!」
「へ? いきなり何だよ?」
「実はな、いいものがあるんだよ」
「あぁ、一誠もきっと喜ぶぜ?」
何なんだ?その『いいものって』?
「何か気になる!俺にも見せてくれ!」
俺は立ち上がると、松田と元浜について行った。
D×D
松田に連れてこられたのは体育館裏だった。こんな場所にいいものがあるのか?
「取り敢えずほら、そこの壁の割れ目から中を見てみろ」
「?」
割れ目なんか見て何が楽しいんだ?取りあえず、言われた通り中を覗いてみると……。
「な!?片瀬?」
そこには女子剣道部員で、顔見知りの片瀬がいた!って、ここ女子更衣室か!?松田と元浜の奴、いつの間にこんなもん見つけやがった!?
…グッジョブ!
「今日の昼休み、覗きスポットの探索中に偶然見つけたんだ。俺もまだ着替えを覗いたことはない。覗き第一号を譲ってやったんだ。感謝しろよイッセー」
そうか、まだ覗いたことはないのか。感謝するぜ。……ん?剣道部ってことは、白音ちゃんと龍巳がいるんじゃ――。
「それよりイッセー、片瀬ってことは女子剣道部だよな!?そろそろ代われ!俺も見たい!」
と元浜が言うと、俺は2人に押しのけられ、二人はそのまま中を覗き始めた。
「ごめん、遅れた。すぐ着替る」
「少し疲れました。早くシャワーが浴びたいです」
この声は龍巳と白音ちゃん!?このままじゃ二人着替えが――。
「おまえら……」
俺が二人を覗き穴から引き離そうと肩を掴んだその時!!
ズドォォォォォォン!!!
松田と元浜が覗いていた壁から、二本の竹刀が生えて俺達の頭上を通過した!しかも、近くの木に二本とも突き刺さってるよ!!
どゆこと!?竹刀が壁を貫通してきたぞ!?
「……犯罪行為にまで手を出すの?イッセー?」
「……覗きは犯罪です」
竹刀で肩をペシペシと叩きながら、笑顔(?)で龍巳と白音ちゃんが俺の後ろに立っていた。やべぇ!絶対怒ってる!……っていうか、さっきまで更衣室の中にいたよね?この壁を貫通した竹刀、龍巳と白音ちゃんがやったの!?
「…何か言った?」
「っ!?いいえ!何も言ってません!」
「…覗きなんてするエロ兄さまたちには、お仕置ですね?」
そう言うと、目の笑っていない笑顔を浮かべて近づいてくる二人。
俺は人生終了の覚悟をした時――。
「久しぶりに会ってみれば、面白い展開になってるな。イッセー」
「「っ!!」」
「え?」
龍巳と白音ちゃんが俺の後方を見て、固まっている。
俺も声のした方を見ると……。
「よっ!ただいま」
そこには、木の枝の上に座っている龍兄さんがいた。
な、なんで?ここに龍兄さんが?
「おいおい、せっかく弁当持ってきてやったお兄さんに、お礼の一言もないのか?」
弁当?あっ!朝慌てて出たから、忘れたんだった。
「まぁ、そこはいいとして……イッセー、覗きは犯罪だぞ?」
ニッコリ。
龍兄さんの笑顔(目が笑っていない)を見せる。
サァァァ――。
その瞬間、龍兄さんが俺の肩にポンッっと手を乗せる。
「「「えっ?!」」」
俺と元浜、松田が目の前に移動した龍兄さんを見て驚いた。
「今のは…ちょっとした手品だ」
そう言って、木の上を指さす龍兄さん。
「にゃっほー、驚いてるね~。悪戯大成功!」
そこには、黒い着物を纏い、三つの弁当を持った黒歌姉さんが座っていた。
「それよりイッセー、お仕置きの前にお前たちと一本いいか?」
「えっ?」
俺は龍兄さんが突然言ったことが、理解出来なかった。
「……どうも理解が出来てない顔だな。まぁ、簡単に説明してやろう。ルールは簡単だ。剣道の武具を使用。お前たち三人のうち、一人でも俺から一本取れば勝ちで、このことには目を瞑ってやる。もちろん今の被害者たちも。……だが、一本も取れず俺が勝てば、問答無用でお仕置き死刑が執行される。もちろん被害者になった子たち全員でだ。…やるか?」
破格条件に俺は悩んでいた。
「……言い忘れてたけど、受けないと答えればそこにいる辰巳たちに連行→女子剣道部全員にてお仕置き死刑が執行になるぞ?」
なっ!!それじゃ、受けないと死刑決定じゃないかよ!!
「これはチャンスだ。受けた方がお得だぞ~」
と言った瞬間に、松田と元浜が受けてしまった。
「……わかったよ、俺も受けるよ。痛いのは勘弁願いたいし」
ということで、俺もこの案を受けたのだ。
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