VenusBlood-d×d-
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
嵐の戦乙女
「いきなり誰が来たのかと思えば久しぶりね、リアス」
「ええ、お姉さまお久しぶりです」
「まあ立ち話もなんだから眷属の皆さんもかけてちょうだい」
いきなり私の政務室に転送で現れたのは妹のリアス・グレモリーとその眷属、初めて見る子もいるわね、それに新顔の2人からは面白い気を感じるは、男の子の方はドラゴン女の子の方は聖なる感じがする随分と面白い子を眷属にしたようね。
「カミツレです」
「ありがとう、ノーラ」
私の長年の友であり私のメイドをしてくれているノーラが紅茶を淹れてくれる。
「それでどうしたの?わざわざ眷属のほぼ全員を引き連れて、私の居城まで来るなんて、余程の事があったのは分かるけど」
「お姉さまに頼みたい事があって来たの」
「そう、まあ話を聞きましょうか」
そしてリアスは事の顛末を話し始める、リアスの話しが終わったのは三杯目の紅茶を飲み終えた時だったわ。
「要するにフェニックスのライザーと結婚したくないからレーティングゲームで決める事になったと」
「ええ、その通りよ」
「リアス、貴女バカでしょう」
私は思わず溜め息を吐く、この子は昔から後先考え無い事が多々あった、今回もその悪い癖が出た様ね。
「バ、バカって」
「事実でしょう、実際貴女はお父様達の目論見通りは勝ち目の薄い勝負をする事になった」
私の時と同じ手を使うなんてね、まあ私はレーティングゲームをする前に三行半を突き付けて家と絶縁しようとしてお父様が泣いて止めたから結婚の話は無くなったけど。
「で、如何して欲しいの?言っとくけど婚約の解消は出来ないわよ」
「分かってるわ、だから私達を強くして欲しいの」
「付け焼刃で倒せるほどフェニックスは甘くないわよ」
「分かってる、でも勝たないといけないの私の夢の為に」
「そう、眷属の皆も覚悟有と見て良いのかしら?」
私はリアスの眷属達の顔を見る、うんうん皆覚悟十分って顔ね。
「ノーラ、ヘルを呼んでちょうだい」
「畏まりました」
そう言ってノーラがヘルを呼びに部屋を出る。
「そう言えば自己紹介がまだだったわね、新顔の子を居るし事だし互いに自己紹介しないかしら?私の名はリーネ・グレモリ、リアスの姉なの宜しくね」
「兵藤一誠です、部長の兵士をやっています」
「アーシア・アルジェントです、僧侶をしています」
そう言って2人が自己紹介をしてくれる、丁度その時部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「ヘルです、入ります」
「ドルドナです、書類を持って来ました」
娘のヘルと宰相のドルドナが入って来る。
「御用ですか、お母様」
「ええ、貴女に妹のリアスとその眷属の皆さんを鍛えて欲しいの」
ドルドナから書類を受け取りながら説明する、ヘルはチラリとリアス達を見て口を開く。
「分かりました、御引受けします」
「ええ、お願いね」
「ちょ、ちょっとお姉さまが私達を鍛えてくれるんじゃないの!?」
「悪いですがリーネ様は先日の出産で体調が万全ではないので」
「御免なさいねリアス、出来ればそうしたいのだけれどもドルドナの言う通り出後休業で激しい運動は控えないといけないの、それに心配要らないはヘルは私の元では鍛えるのが一番上手い教官だから心配いらないわ」
「けど」
「何なら勝負してみてわ、ヘル殿1人と貴方達全員でもっとも勝負にすらならないと思いますが」
そう言ったドルドナの言葉にカチンと来たのか顔を強張らせる。昔からプライドが高いのは変わっていないのねリアス。
「良いわよ受けて立つわ」
「じゃ庭に出ましょうか」
・・・兵藤一誠・・・
あの焼き鳥野郎とレーティングゲームをやる事になった俺達はその翌日部長に部室に集められた。
「今から私の姉に会いに行くわよ」
部長が言うには部長のお姉さんは無茶苦茶強くて眷属は居ないけど強い息子や娘さんが沢山いるらしい、そのお姉さんに鍛えて貰おうと言う心算らしい。
「部長のお姉さんか、どんな人なんだろう?」
「リーネ様の事なら少しは知ってるよ」
俺の独り言に答えたのは木場だった。
「何せ話題に事欠かない人だから」
そう言う木場は色々と教えてくれた、10歳で新技術を確立したり、ヤバい技術で悪魔や魔獣を大量生産したり、親が決めた結婚を嫌がって実家と絶縁しかけたとか、自分が治める都市を空に浮かべてたり色んな事をしてるそうだ。
話を聞く限りじゃかなり破天荒な人柄を想像してしまった。
そして訪れた書斎みたいな部屋には部長を大人っぽくした感じのメガネを掛けた女性が書類にペンを走らせて居た。
そして部長がドルドナと呼ばれていた人の挑発に乗ってヘルさんと戦う事になったんだけど部長のお姉さん、リーネさんが言う通り勝負にならなかった。
「遅い!!」
「ぐっう」
木場が背後からのミドルキックを受けて吹き飛ばされ地面を転がる、遅いんじゃありませんアナタが早すぎるんです。俺はスタートの合図とほぼ同時10m近くあった間合いを詰められて強力なボディーブローを受けて早々に戦線離脱、いきなり俺が倒された事にあっけにとられていたら、いつの間にか子猫ちゃんの横に移動して首に一撃、そのまま倒れて昏倒しまった。次に木場、吹き飛ばされても意識はある様だが蹴られた個所を抑えたままで立ち上がる事は出来ない様だ。朱乃さんも魔法の打ち合いになったが火力も連射も段違いに向こうが上で一気に押し切られ直撃し地面に伏してしまった、首を掴まれ地面に足が届かない高さに持ち上げられ苦しむ部長にまるで蛇に睨まれたカエルの様に怯えるアーシア、そして汗1つかいていない相手。
「この程度か、リーネ様の妹君と聞いていたがよもやこの程度とはな」
ヘルそう呼ばれていた女性が倒れ伏す俺達を見下しながらそう口にする。
手も足も出なかった自分が弱いのは分かってたそれでもこの女性は木場や小猫ちゃん、朱乃さんや部長すら簡単に倒した。
「どうかしら?実力は問題無いしヘルは戦技教官もやっているからうってつけ人選だと思うけど?」
「ええその様ね、これからお願いします」
「ああ、それとヘルと呼んでくれて構わない私も仰せつかった以上やれる事をやる心算だ、では時間も惜しいおい貴様」
やっとこさ立てる程まで回復して皆が立ち上がるとアーシアを呼んだ。
「は、はい」
アーシアはヘルさんにビビりながら返事をする。分からなくもない、実際戦ってヘルさんは恐ろしい位に強かった正直俺も彼女に睨まれたらビビる。
「戦う術を持たないお前はこれからずっと怪我人の治療が修行だ、少しでも早く治療できるようになれ分かったな」
「は、はい」
アーシアにそう言うと今度は俺達を見る。
「お前達は私を相手に実戦訓練だ、どんどん攻めて来い戦いながら私が気付いた点を指摘して言っていく、それを意識しながら攻め続けて来い分かったな分かったら返事!!」
「「「「「は、はい」」」」」
「よし、時間も惜しい場所を移して早速始めるぞ。ではリーネさま行って参ります」
「ええ、行ってらっしゃい」
魔法陣の光に包まれていく俺達とヘルさんをリーネさんとドルドナさんは手を振りながら見送った。
・・・リーネ・グレモリー・・・
リアスのレーティングゲーム当日、私は観戦には行かず城の中庭でヘルとドルドナと一緒に紅茶を飲んで居る。
「あの、妹君のゲームを見には行かないのですか?」
「正直興味が無いわ、貴女が鍛えたのならばおのずと結果は分かるから」
「そうですか」
「そう言えばあの少年、今代の赤龍帝」
「兵藤一誠か?」
「ええ、禁手に至れなかったそうですね」
「ああ、まだまだだしかし光る物を持っていた」
「そう、これからリアスの周りは騒がしくなりそうね」
ドラゴンは争いを呼ぶ、あの子達はそれらをどう乗り越えるのかしら?
これから世界は荒れそうね、でも子供達の為に負ける訳にはいかない。
後書き
いよいよ原作に介入してきました、姉というポジションなので最低限の関わりだけにしました。ですので肝心の訓練のシーンは原作と同じです。今回出てきたドレインがチートレベルのドルドナさんと敵でも味方でも強いヘルさんは作者的に色々な思入れのあるキャラです。
ページ上へ戻る