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転生者物語 in ハイスクールD×D

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序章・舞い降りた戦士達
  第一話

突然だが、私には前世の記憶がある。いわゆる転生者だ。
神様のミスで死んでしまった私は転生させてもらえるようになったが、転生特典と行く世界はクジで決める事となった。最初は何故?と思ったが、これは転生者に強過ぎる力を与えないためだそうだ。
そして、私は行く世界に『ハイスクールD×D』、種族に『堕天使と人間のハーフ』、容姿に『小鳥遊十花』を引き当てた。
そして、転生した私は最初、堕天使とのハーフである事を隠して普通の人間に混じって生活した。堕天使である私の父さんは母さんと一緒になる際に堕天使勢を裏切ったと言う。ゆえに、父さんも堕天使である事を隠して人間として暮らした。
そして、私にも『中二病でも恋がしたい!』の小鳥遊十花と同じように妹の六花ができた。このまま、私は原作に関わる事なく平和に暮らすだろう。ずっとそう思っていた。
だが、飛んでも無い事になった。なんと、六花の右目は神器(セイクリッドギア)だったのだ。名前も当然『邪王真眼』。最初、私たちはそれを覚醒させずに放置する積りでいた。だが、六花が中学生のある日、好きなアニメのキャラの真似をしていたら覚醒してしまったのだ。さらに、六花にはそれのコントロールが出来ず、出現しっぱなしになってしまった。それでも、何とか術式を施した眼帯でそれを封印した。これで大丈夫だと、私たちは思っていた。だが、そうはいかなかった。




私は今、六花を守るために抱きしめていた。私の目の前には半壊したマイホームと血を流して倒れる母さん。そして・・・私たちを襲いに来た二人の堕天使と、それを迎え撃ちに行き、逆に殺されてしまった父さんが居た。

「お父さん!!」

私の腕の中で六花が叫んだ。だが、父さんは全く動かない。

「随分と腕がなまっていたな。」

「まあ、人間に混じって腑抜けた生活をしていたから当然か。さて・・・」

堕天使達はそう言うと、私たちの方を向いた。

「しかし、“情報通り”ここに裏切り者とその子供が居たとはな。」

「しかも、片方が神器持ちと言う所まで情報通りだ。」

情報?どう言う事だ?私たちの正体はともかく、六花の神器が目覚めたのは最近の事だぞ。

「お前達!一体何処からその情報を手に入れた!!」

「今から死ぬ貴様にそれを知る意味があるのか?」

私が叫ぶと、堕天使達は光の槍を構えた。

「安心しろ。貴様を殺した後、妹の方の神器を抜き取って後を追わせてやるからな!!」

そして、二人は私を殺す為に向かって来る。私は六花を抱きしめながら目をつむる事しか出来なかった。堕天使とのハーフとはいえ、私は今まで戦いと言うものを経験した事が無かった。その直後・・・

「ぶべらっ!?」

何故か、堕天使二人の悲鳴が聞こえた。私は恐る恐る目を開ける。そこには巨大な四角い物体があった。おそらく、それが堕天使二人を突き飛ばしたのだろう。突き飛ばされた堕天使二人は塀に衝突し、その瓦礫に埋れていた。
やがて、月明かりがその物体を照らし姿が明らかになる。

「は?」

それを見た私はつい間の抜けた声を出してしまう。その物体の正体はなんと、電車だったからだ。月明かりを反射する銀色の車体に天井付近と真ん中に緑色のラインが入っている。

『皆様、ご乗車ありがとうございました。終点、ハイスクールD×Dの世界でございます。お降りの際は忘れ物にご注意下さい。また、ホームがございませんので、足元にご注意下さい。』

私が惚けていると、車掌のアナウンスと共に電車の扉が開いた。

「やっと着いたか。」

「随分長くゲートの中を走っていた気がするのう。」

「手遅れになっていなければいいが。」

「と言うか、ここは何処だ?」

そして、そこから銀髪赤目の女、大柄な男、三頭身のロボット、そして巨大なロボットが出て来た。




《三人称Side》

ACトレインは無事ゲートをくぐり抜け停車した。そして、乗っていた四人を降ろす。

「やっと着いたか。」

「随分長くゲートの中を走っていた気がするのう。」

「手遅れになっていなければいいが。」

「と言うか、ここは何処だ?」

TF神の作り出したゲートは目的地に直結していたのでは無く、長いトンネルとなっていた。これも、この世界が本来彼の物では無い事による物らしい。

「ヒカリアンチェンジ!」

全員が降りたのを確認し、ACトレインはヒカリアンへ変形する。

「ん?あれは?」

その時、メイが六花を抱きしめる十花に気付いた。

「もしかして、あの二人のどちらかが転生者か?」

そう、メイが言った時だった。

「大変だ!人が倒れているぞ!!」

「こっちもじゃ!!」

Nダガーと玄が叫んだ。二人はそれぞれ倒れている人物…十花と六花の母親と父親に駆け寄った。

「まだ息はある。そっちは!」

「ダメじゃ。この人はもう・・・」

二人が確認すると、母親は危険な状態なもののまだ生きていたが、父親の方はもう手遅れであった。

「一体、誰がこんな事を・・・」

そう、ボリスが言った時だった。

「貴様らあ!!!」

先程、ACトレインに吹っ飛ばされた堕天使二人が瓦礫の中から飛び上がった。

「よくも我らの邪魔をしてくれたな。」

「訳の分からん連中だが、生かしては帰さん。」

そして、光の槍を五人に向かって構えた。

「お前達か!こんな事をしたのは!!」

ACトレインが堕天使二人に向かって叫んだ。

「その通りだ。」

「見られたからには貴様らにも消えてもらう!」

光の槍を投げる堕天使達。だが、ボリスが前に出て腕をクロスさせ、それを防いだ。

「バカな!?」

「何故彼らにあんな事を!」

堕天使達が驚愕する中、ボリスが叫ぶ。すると、堕天使達はヤケクソぎみに答えた。

「ただ裏切り者を処分しただけだ!」

「裏切り者だと!?」

「そうだ。その男は堕天使でそこそこの地位にいながら、人間の女などと結婚したのだ!!」

「しかも二人も子供をつくっていた!至高の存在たる堕天使に人間の血を混ぜるなど言語道断だ!!」

そう叫ぶ堕天使達。それを聞いた正義と平和の戦士たるボリス、玄、ACトレインそしてNダガーとヒトの心の持つ可能性を信じるメイの怒りが爆発した。

「自分達の種族こそが至高だと!?」

「ふざけた事をぬかしおって!!」

「しかも他種族と手を取り合う事を裏切りなど!!」

「赦せん!!」

「悪質な転生者の前に、貴様らを退治してやる!!」

「やれる物ならやってみろ!!!」

堕天使は再び光の槍を投げた。だが、それはまたしてもボリスの装甲に防がれる。

「そんな馬鹿の一つ覚えみたいな攻撃が通じるか!!」

そう叫ぶボリス。さらに、その背後からメイが飛び上がり、右腕に装着した融合カノン砲(ダンボール製)からビームを放つ。

「ごぼっ!?」

「がばっ!?」

それは見事堕天使二人に命中し、撃ち落とす。

「でやあ!!!」

「もらった!!!」

さらに、下で待ち構えていた玄とACトレインがそれぞれ拳と巨大なレンチで上へと打ち上げた。

「こいつでトドメだ!!」

最後に、ボリスが両肩のキャノン砲を展開し発射する。

「堕天使らしく地獄に堕ちろ!!!」

「「ぐわああああああああああああああ!!!」」

そして、堕天使二人はボリスの放ったビームによって消し飛んだのであった。




《十花Side》

「大丈夫か?」

私達を襲った堕天使を撃破した五人組が声を掛けて来た。

「あ、ああ・・・」

私は未だにさっき起こった事が理解出来ず、頭が混乱していた。

「おい!早くこの人を病院に運ばないと危ないぞ!!」

その時、電車から変形したちんちくりんなロボットが叫んだ。

「そうだったな。トランスフォーム!」

すると、それを聞いた巨大ロボがパトカーに変形した。

「さあ、早くその人を乗せるんだ!」

パトカーがそう言って後部座席のドアを開けると、銀髪赤目の女と大柄な男が母さんを後部座席に運んだ。すると、パトカーは今度は私たちに言った。

「君たちも来てくれ。色々と説明がしたい。」

何も分からない私たちはそれに従うしか無く、パトカーに乗った。

「ACトレイン。事後処理は任せたぞ。」

「私の専門では無いが。まあ、やってみるよ。」

パトカーは電車ロボにそう言うと、サイレンを鳴らして出発した。




《三人称Side》

ビークルモードのボリスがサイレンを鳴らして出発するのを、遠くから眺めている男が居た。

「くそっ。どうなってやがる。」

その男は銀髪でオッドアイと言うテンプレ転生者の容姿をしており、『Fate/Stay night』に登場するアーチャーの衣装に身を包んでいた。
この男の名前は神居玲。悪質な神が面白半分で生み出した転生者だ。

「俺の計画では、堕天使どもが転生者の小鳥遊十花を殺した後、俺が颯爽と現れてマジ堕天使な六花を助け出す手筈だったのによ。ったく。折角情報を堕天使に流したのに、あの連中のせいで台無しだ!!」

「成る程。貴様が今回の黒幕か。」

「っ!?」

神居が後ろに振り返ると、そこにはNダガーが居た。

「己の欲望の為に一つの家族を壊そうとした罪。赦す訳にはいかん!!!」

Nダガーはそう言って二本の刀を抜く。

「このっ!」

神居は直様神から与えられた能力『無限の剣製』で武器を投影しようとする。

「遅い!黒鴉翔波!!!」

だが、その前にNダガーが刀を振るい、鴉の形をした黒いオーラを放った。神居は投影を中止し、それを回避しようとするが避け切れず、左腕の肘から先を切断される。

「ぐああ!!くそっ!!!」

すると、神居は一本のナイフを投影し、Nダガーに向かって投げた。Nダガーはそれをバックステップで回避する。

「その程度の飛び道具・・・」

「壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)!!!」

だが、神居が呪文を唱えた瞬間、ナイフが爆発して辺りを爆煙が覆った。

「おのれっ!!!」

Nダガーは刀を振るって爆煙を切り裂く。だが、神居の姿はもう何処にも無かった。



続く
 
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