転生とらぶる
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コードギアスR2
0592話
星刻がエリア11に入国している。この情報が来たのは、何とギルフォードに捜索を頼んだその日のうちだった。行動が早いと言うべきか、中華連邦の諜報機関がザルと言うべきか。
……いや、別にエリア11に不法入国してる訳じゃなくて、大宦官のお付きとして正規のルートで入国している以上は発見するのもそう難しくはないのか。中華連邦の日本総領事館辺りだと、金で情報を流すようなのも結構いそうだしな。
「……さて」
目的の人物がどこにいるのか分かった以上は、こっちとしても早速行動に移すべきだろう。
泊まっていたホテルから外へ出て、空を眺める。
いい具合に夜空の月が雲に隠れていた。影の魔法を使う俺にしてみれば、この時間帯はこれ以上無い程に周囲の闇が味方をしてくれていると言ってもいいだろう。
そのまま夜の闇へと紛れて近くの公園へと移動。取りあえず今日のところはこっちがどんな目的を持っていて、どんな存在かというのを知らしめる為のファーストコンタクトだ。可能性としては限りなく小さいが、交渉が決裂した時の事を考えて顔を隠す為に空間倉庫から取り出した技術班特製のヘルメットを被る。
脳裏のリストには鵬法璽の文字が浮かんでいた。……黎星刻はともかく、ルルーシュやシュナイゼル辺りには使う機会があるかもしれないな。
「今日使う機会は無いだろうが……」
本当は、鵬法璽を使う気は一切無かった。だがエヴァに『使わないのと使えないのは別物だ』と言われて強引に渡されたのだ。正直、これを持ってると頼ってしまいそうになるから、あまり持っていたくはなかったんだがな。
脳裏のリストを消し去り影のゲートを展開。そのままそこへと身を沈めていく。
幾度か地上に出ながらも中華連邦の総領事館が見える場所まで到着し、再びその影へと身を沈めていく。
そして次に姿を現したのは、総領事館の観葉植物の影になっている場所だった。
マオ社やら何やらで鍛えた時のように空間倉庫からスライムを展開。数mm程度の細さにして建物の中を片っ端から調べていく。そして……
「いたな」
1つの部屋でスライムの動きを止める。
どこかと通信をしているのだろう。その声で星刻様と呼びかけられている男がいる。こいつが星刻で間違い無いだろう。
となると、後は通信が終わるのを待って……いや、丁度終わったらしい。別れの挨拶と共に部屋の中が静かになり……次の瞬間、机か何かを叩く音がスライムを通して聞こえて来る。
どうやら通信の内容は星刻にとって色々と面白くないものだったらしい。
まぁ、大体の予想は付く。今の星刻にとってここまで苛立つ事と言えば、大宦官に対する反乱計画に関する事以外無いだろう。とはいえ、反乱計画が大宦官達に知られたという訳でも無いと思う。もしそうなら、あの程度の荒れ模様ではないだろうし。
そう判断し、伸ばしていたスライムを空間倉庫に収納。これで準備は整った。さて……行くか。
影のゲートを使い、そこへと身を沈めていった。
「大宦官共めっ、天子様を何だと思っている」
堪えきれない、という風に口の中で呟く星刻。その口調には、憤りや無念さが濃縮されたかのように込められており、もし今目の前に大宦官が存在していればすぐにでも殺していただろう。そして部屋の影から姿を現した俺は、そんな状態の星刻へと意図的に声を掛ける。
「随分と荒れているな」
「っ!? 何者だ!」
さすがはスザク並みの身体能力を持つと原作で表現されただけはあると言うべきか。俺の声を聞いた星刻は、瞬時に近くに置かれていた剣へと手を伸ばし、居合いの如き速度で鞘から抜いて俺の身体目掛けて刃を走らせ……
「落ち着け、別に俺はお前の敵じゃない」
刃が身体に届く寸前に、人差し指と親指でその刀身をそっと掴む。
「なっ!?」
星刻にしても、まさか真剣白羽取りどころか指2本で止められるとは思ってもいなかったのだろう。唖然とした声を上げてその動きを止める。
まぁ、物理攻撃の効果が無い俺としては別に当たっても良かったんだが……何事も最初のインパクトが大事だからな。混沌精霊の力を見せても衝撃的だろうが、それだと色々と拙い事になりそうだし。
「黎星刻で間違い無いな?」
星刻の握りしめている剣を、指で摘んで取り上げる。
そうはさせじと柄に力を込める星刻だったが、俺の膂力に対抗出来る筈も無く、次の瞬間に剣は俺の手元へと収まる。だが。
「はぁっ!」
圧倒的な実力差を見せつけたというのに、それでも尚諦めずに縄鏢をこちらへと投擲し……
「まぁ、確かに落ち着けと言われて落ち着ける状況じゃないのは分かるが……それでも尚言わせて貰おう。とにかく落ち着けと」
縄鏢の先端、クナイのようになっている刃を、剣を持っていない方の左手の指で掴み取りながら星刻へと告げる。
「貴様……何者だ。大宦官の手の者か?」
唸るような声で尋ねながらも、その瞳はまだ己の負けを認めていない。恐らく今その頭の中では、どうにかしてこの現状を打破するべくルルーシュ並みと評されたその頭脳が猛烈に動いているのだろう。
上出来だ。それ程の人物でなければシャドウミラーが新たに作り出す国の実質的な運営者としてスカウトする意味が無い。
「違うな、間違っているぞ」
……ん? これって確かルルーシュが良く言っていた口癖だったような。まぁ、いいか。
「では何者だ? そもそも、顔を隠しているような者を怪しむなという方が無理だと思うが」
「そうだな。俺もこの外見は怪しいとは思うが、こっちにも色々と事情があってな。だが、まずは俺の話を聞いてから俺がどういう存在かを判断したらどうだ?」
話しながら、右手に持っていた剣と左手に持っていた縄鏢を星刻へと放り投げて返す。
「……いいだろう。だが、話を聞くだけだぞ」
ここまでされては星刻としても俺を単純な刺客のような敵だとは思えなかったのだろう。まぁ、実際にこの状態で星刻を殺せと言われれば容易いのだから、それも無理はないが。
「さて、自己紹介……に関しては、お互いがもう少し親しくなったからでもいいだろうから、まずは俺の目的を告げようか」
「……そちらは私の事を十分に知っているようだがな」
俺の台詞に、微かに眉を顰める星刻。自分の情報だけが一方的に知られているのが気に入らないらしい。
「その辺はお互いの持つ情報網の差としか言えないな」
いや、俺が星刻を知っているのは純粋に原作知識故なんだがな。今はこうしておいた方がいいだろう。
「まぁ、いい。それでお前の目的とは何だ? 私を殺せる状況にも関わらず手を出してこないのを見ると、確かに大宦官の手の者とは思えないが」
「そうだな。端的に言えば……新しく国を興そうと思ってな」
「……何?」
俺の言っている意味が分からないとばかりに、星刻が聞き返してくる。その目に映っているのは失望と言ってもいいような感情だ。まぁ、それは無理も無い。俺が星刻の立場で、初対面の人物にいきなり国を作ると言われても同じような顔をするだろうから。だが俺の場合は、戯れ言でも何でも無くその為の戦力はある。……人材は足りないが。
「そんな冗談を言うためだけにここに忍び込んできたのか? 戯れも程々にしてもらいたいな」
「ほう。お前がそれを言うのか?」
「……何だと?」
訝しげに問い返す星刻に、笑みを浮かべつつ口を開く。
「周香凛、洪古。……この2人の名には当然聞き覚えがあるな?」
「っ!? 貴様、どこでその2人の名前を!」
「さて。先程も言ったが、俺には独自の情報網があるからな。それに、その態度だと俺の考えが正しいのだと態度で表しているようなものだぞ?」
「貴様が誰かは知らん。だが、その名を……それに付随する出来事を知っている以上見過ごす事は出来ん!」
再び剣へと手を伸ばす星刻。
その様子を見ながら、小さく溜息を吐く。
「そうだな。俺がどんな存在なのかを知っておくのもいいか。いいだろう、俺は一切逃げも隠れもしないから、その剣で掛かって来い」
「ほざくなぁっ!」
その一言と共に瞬時に間合いを詰める星刻。その速度は普通の人間としてはかなりのものだ。恐らく俺と出会った当初のムラタよりも上だっただろう。だが……所詮はその程度でしかない。
そして言葉通りに俺がどんな存在なのかを星刻へと教える為に、俺は一切動かずに胴体を狙って横薙ぎに一閃される剣を黙って受け止める。そして……
「何っ!?」
星刻の放った剣の一撃は、俺の胴体を通り過ぎていく。そう、周囲に小さな炎を撒き散らしながら。
「俺がどんな存在か……分かったか?」
「貴様、物の怪の類か」
物の怪……当たらずとも遠からずか? 一応これでも精霊だし。
「まぁ、外れてはいない……と言っておこうか。だがお前に俺を殺すというのは不可能だというのは分かったな?」
この世界で俺に影響のありそうな魔法的な要素と言えば、ギアス程度だろう。そして、そのギアスにしても相手の脳へと何らかの干渉を与える事で効果を発揮するのだ。人間ですらない今の俺にはギアスの効果が無い以上、この世界で俺をどうにかする手段は無い。
「くっ……」
それから数度に渡り再び剣を振るう星刻だったが、その全ては無駄に終わる。そして5分程して、星刻は諦めたようにベッドの上に剣を投げ出し、腰を掛けるのだった。
「お前が俺をどうこう出来ないというのは理解出来たな? さて、それが分かったところで話の続きだ」
「……話、だと?」
「ああ。新国家の樹立。これに力を貸して貰いたい」
「ふざけるな! 何故私がそのような世迷い言に……いや、確かに貴様の存在を思えば世迷い言では無いのかもしれんが、それに私が力を貸す義理も理由も必要も無い!」
きっぱりと断ってくる星刻。その目にある意志は力強く、俺との圧倒的とも言える力の差を理解しても決して折れない。……この男の全ては、天子の為にあるのだから。そして、だからこそ俺はこの男を必要としているのだ。
「その新国家を天子の安住の地として提供すると言ってもか?」
「……何? 貴様、天子様の名を出した以上は冗談だったでは済まされないぞ?」
「安心しろ、元から冗談のつもりはない。俺の話に多少でも興味は湧いたか?」
「……」
無言で話の続きを促す星刻。得体の知れない存在である俺を前にして、些かも俺に対して屈した様子が無いのはさすがと言うべきだろう。
「そうだな、まずは俺がどんな存在なのかを語っておくか。世界には、この歴史とは異なる歴史を辿った別の世界というものが存在する。例えば、ブリタニアが存在しない世界、サクラダイトすらも存在していない世界……といった風にな」
「パラレルワールドというものだな」
さすがに星刻と言うべきか、パラレルワールドの概念は知っていたらしい。
頷き、言葉を続ける。
「そうだ。そして、そのパラレルワールドは次元の狭間という場所に無数に浮かんでいると考えて貰っていい。最も、この説明はざっくりと分かりやすく説明しているだけで、実際には色々と細かい理屈があるらしいが……あいにくと、俺は技術士官とかじゃないからその辺は詳しくない。そういう物だと思ってくれ」
「つまり、貴様はそのパラレルワールドからやって来たと?」
冗談も大概にしろ。そんな風に呆れた様な視線を俺へと向ける星刻。だがまぁ、この世界の者にしてみれば、そう考えるのは無理も無い。実際、ギルフォードやクラウディオにしろ、コーネリアからの手紙があってもそう簡単に信じる事が出来無かったのだから。平行世界の概念は理解しても、それが実際にあるとは信じられない。そんな所か。
「違うな。確かに俺の出身世界もそのパラレルワールドの1つだというのは事実だ。だが、今の俺は……いや、俺達はその次元の狭間に本拠地を置いている組織だ。幾つもの平行世界と関係を持っている……な」
「その言葉が真実だという証拠は?」
「それに関しては、実際に見ただろう? この世界に俺のような存在がいると思うのか? 俺自身こそが、平行世界の証拠そのものだ」
指をパチンッと鳴らして、右手その物を白炎へと変える。同時に右腕の白炎を使い蝶、鳥、猫、リスといった炎獣を生成して部屋の中を走り回らせ、あるいは飛び回らせる。
「これは……」
さすがにこの光景は予想外だったのだろう。目を見開いて炎獣へと視線を向けている星刻。
「どうだ? これでも俺がこの世界の存在だとでも言うつもりか?」
「……熱くない、だと?」
星刻が自分の肩に止まった鳥の炎獣へと触れ、呆然とそう呟く声が部屋の中に響き渡る。
後書き
アクセル・アルマー
LV:41
PP:0
格闘:274
射撃:294
技量:284
防御:284
回避:314
命中:334
SP:734
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:509
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