ハイスクールD×D~進化する勇気~
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第二十話
帰りながら俺はドライグに相談する。
「なあ、ドライグ」
『言うな、相棒。俺も同じ事を考えていた』
やっぱり俺の相棒だな。考えている事は筒抜けか。
『あのディオドラとかいう悪魔、何やらきな臭いな』
「ああ、特にゲームの途中でいきなり現れてアガレスさんの眷属をすべて倒したってのが気になる」
そう、いきなり現れてすべての眷属を倒し、アガレスさんを倒す。
そんなのはほぼ不可能だからである。
『考えられる要因としては……力を抑えていたか…』
「それか、一気に力を増幅させる何かがあるか…」
考えられる事としてはこれくらいか…。
『前者に関しては難しいだろうな、俺はもちろん相棒を騙すなんで難しい』
「後者だったら……簡単に出来るけど……」
そしたらあのディオドラという悪魔……禍の団と繋がっているって事になるからな。
『ああ、オーフィスの蛇か』
「ああ、それならすぐに力を増大する事が出来る」
そして帰宅する際に必ず通る公園を通りすぎようとした時
「やあ、久しぶりだね、兵藤一誠」
と、公園の中から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「っ!お前は…!」
俺は公園に目を向け、そこにいる人物を認識する。
「曹操……!」
「ああ、その通り。世界終末の日の際に君たちに協力した現地の人間さ」
俺の視界にいるのは先ほど当人が言った通り、集結の際には参加しなかったが俺が戦っていると現地の人間として…神器を持つ人間として協力してくれた、曹操の姿がそこにはあった。
「そして……今はテロ組織禍の団の英雄派だよ」
禍の団か……こいつがテロ組織に入るとはな。
「ああ、安心してくれ。私たちは別にテロをしたいわけじゃない。それだけは本当さ」
「………………」
『相棒、こいつの目。どうやら本当らしいな……』
ああ、でも俺たちの敵になるんなら戦うしかないけどな。
「そう警戒しないでくれ。今回は戦いはしない。君に情報提供しにきたんだよ」
「…情報提供?」
「ああ、今度リアス・グレモリーとレーティングゲームをするだろ?ディオドラ・アスタロトが」
「……何でお前がそんな事を知っているんだ?」
「単刀直入に言おう。ディオドラ・アスタロトは我々禍の団と繋がっている」
「『なっ!?』」
俺とドライグは予想が当たっていた事に驚愕する。
「気をつけろよ、今度のレーティングゲーム、何やら不穏な気配がするからな」
そう言って曹操は去っていく。
『相棒……』
「この事は明日、部室に行って先輩に言おう。まあ、信じてもらえる可能性はゼロに近いかもしれないけどな」
むしろ情報源がそのテロ組織の奴だと知れば俺への警戒をさらに強める事になるが…背に腹は変えられん。
俺はそう思いながら、家に帰った。
翌日、俺は早速報告する事にした。
「……兵藤君、その情報源は一体どこなのかしら?」
予想通り、警戒してきたな。まあ、大体の予想はついていると思うけどな。だってこんなの内部の者しか知らない事だもん。
「ある有力な情報筋だ。これは結構確かな情報だ。気をつけろよ、慢心は身を滅ぼすだけだからな」
俺はそう言って部室を出た。
祐斗SIDE
「部長、あんな奴の言うこと信じなくてもいいですよ。どうせガセですよ」
「そうですわ。それに本当だったとしても私達がいますし」
と、リューセイと朱乃がそう言っている。
しかし、僕は警戒を怠らない。
イッセー君の言った事が本当であるにしろ本当でないにしろディオドラ・アスタロトの力が増幅したのは事実なんだ。
他の皆はそんなに警戒していないけど……でも、僕一人だけでも警戒しておこうかな。
「ありがとうね、リューセイ、朱乃」
部長はそう言っている。
慢心はしないだろうけど……でも、今回のゲーム……。
(本当に一波乱ありそうだね、イッセー君…)
僕は密かにそんな事を思っていた。
それと同時に早く完成させないとね。
一刀修羅と雷切を…。
SIDE OUT
さあて、一応警告はしといたが……多分あんまり意味はないだろうな。
『そうだろうな、それよりもより一層相棒への警戒を強めただろうよ』
はぁ……俺が何をしたってんだ。
「おかえり、イッセー君。どうだった?」
と、俺を待ってくれていたのはヴァーリとイリナだ。
そういえば言ってなかったな。イリナの奴、こっちに転校してきたんだ。
しかも俺と同じクラス。
まあ、バカはすぐに笑顔を振りまいてたけど……イリナがあそこまで嫌な顔をしたのって見たことないぞ。
「どうしたもこうしたも……あの様子じゃちゃんと聞き入れられてねぇよ」
「なんでイッセー君の事疑うのかな?」
「ま、仕方ないと思うよ。なんせ情報源が不明な点もあるし、元から疑われていた事もあるしな。一応警告はしといたけど……」
さあて……このレーティングゲーム、どんな波乱が待ち構えているのかな。
グレートレッドSIDE
「ふぅ……やはり泳ぐのはいいものだな……」
「うん…やはり静寂…いい」
今我とオーフィスは次元の狭間を泳いでいる。
一昔前まではこんなのは出来ないと思っていたが……
(それをイッセーが達成させたんだよな…)
こうして目を瞑るとあの時の光景が甦る……。
『そんなに争わないでさ?二人で一緒に泳げばいいじゃん』
『何を不可能な事を言っている人間。そんなのは無理な事だ』
『じゃあ何か?お前はそれを試したってのか?試さないでそれは無理だっていうのはおかしいと思うぜ……互いが互いを認め合えよ。お前ら、兄妹みたいな物なんだろう?』
そう言ってイッセーは我らの戦いを拳ではなく言葉で解決させた。
イッセーがいなければこんな光景を見ることもなかっただろうな。
「?グレートレッド…あれ、何?」
「何……?」
と、オーフィスがある場所を指差す。
その場所に向かってみると……それは玉座のような物だった。
「これは……玉座か?」
「でもただの玉座ではない……もの凄い力……感じる……」
オーフィスの言う通りだ。これはただの玉座ではない。
一体、何なのだ……?
SIDE OUT
後書き
やあやあ、次回でいよいよレーティングゲームが開始するのですが……今回の最後の部分でちょっとした伏線を張っておきました。
ちなみにこの伏線は誰が天使を……おっとこれ以上はネタバレになりますね。
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