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ドリトル先生と京都の狐

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第三幕その七

「どうにも」
「相当に重い病かな」
「癌でしょうか」
 トミーはここでこの病気を出しました。
「あの病気だと」
「進行していたら厄介だね」
 癌はとても怖い病気です、早いうちに見つかればいいのですがそれが遅れるとです、大変なことになってしまいます。
 癌は動物もなります、それで先生も心配して言うのでした。
「それでなかったらいいね」
「全くですね」
「さて、まずはね」
 狐のお母さんを診てからでした、そうしたお話をしてです。
 一行は四条の路地裏に入りました、その中の木造の築何十年かのとても古いお家の前に来てでした。狐が先生達に言いました。
「ここがです」
「狐さんのお家だね」
「はい」
 そうだとです、狐は先生に答えました。
「母はこの中にいます」
「人間のお家だね」
「実は母も私も人間の世界の中で」
 狐はどうして自分達が人間の姿でいるのかもお話するのでした。
「舞妓をしていまして」
「あっ、そうだったんだ」
「母はもう引退していますが」
「人間の姿でだね」
「普段は暮らしています」
 その舞妓としてだというのです。
「そうしていますので」
「そうだったんだね」
「そうです、それで」
 狐は家の扉、木とガラスで左から右に開ける古い扉を開けながら先生達にお話していきます。
「私も今も舞妓をしています」
「人間としてだね」
「はい」
 まさにそうしてだというのです、ここでお家に入りますと。
 先生のお家と似た感じでした、木の玄関と廊下が見えます、家の廊下は奥に続いていて左右に襖が見えます。
「そうしています」
「だから人間のお家に住んでいるんだね」
「そうです、それで母は」
「どのお部屋にいるのな」
「一階の一番奥の部屋に」
 そこで寝ているというのです。
「ではいらして下さい」
「それじゃあね」
「あとです」
 狐は先生と一緒にいる動物達も見ました、その彼等も玄関からお家にあげながらとはいってもお馬さんとオシツオサレツは玄関の前で待ってもらいました。
「母も私も犬は平気ですので」
「あっ、平気なんだ」
「はい、慣れていますので」
 犬にだとです、犬のジップにお話します。
「安心して下さい」
「そういえば狐さん僕を怖がらないね」
「吠えない犬は」 
 全く平気だというのです。
「そして日本の犬は大抵狐を脅かさないので」
「日本の犬は大人しいのかな」
「イギリスの犬は狐狩りで人間と一緒にいますね」
「うん、僕達の仕事の一つだよ」
 その通りだとです、ジップも答えます。
「狐狩りはね」
「日本では狐はそれ程狩りませんし」
「けれど犬は狐に吠えるよね」
「それでも犬によります」
「僕はそうした犬じゃないしね」
「はい、街にいる犬は平気です」
 彼女が今いる京都の犬ならというのです。 
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