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ヘタリア大帝国

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TURN138 貴族達の終焉その十

「アチラノ世界ノ人間達ダ」
「やはり・・・・・・」
「見ルノダ」
 実際にだ、彼等は見た。そのイモムシ達が。
 その身体から出す無数の触手で彼等の前にいる人間達を捕らえそのうえで貪る姿を、人間達は生きながらゆっくりと喰われ苦しみのうちに死んでいる。 
 それを見てだ、柴神が言った。
「やはりこの者達か」
「この者達!?」
「柴神様、まさか」
「いいか、今見たものはだ」
 どうかとだ、柴神は強張った顔で東郷達に告げる。
「忘れるのだ、絶対に」
「忘れろというのですか」
「そうだ、あのことを知ってはならない」
 だからだとだ、柴神は日本に言うのだった。
「だから忘れるのだ」
「犬ノ神様ハ出ナカッタナ」
 だがマウマウはこう言うだけだった、ベホンマに対して。
「アノ神様達ハ人間ヲ救イ導クノダガナ」
「ソウダナ、イナイカ」
「出ナイノナライイ」
 それでだと言うマウマウだった。
「前カラ思ッテイタガ柴神ハ犬神ニ似テイル」
「ソウダナ」
「帰るぞ」
 柴神は彼等の言葉を聞いていなかった、それでだった。
 東郷達にしきりに帰る様に促した、そしてだった。 
 大和は暗黒宙域を出た、やはりマウマウ達に案内されて。
 そして出て来たがだ、今度は。
 レーティアから通信が来た、モニターに現われた彼女の顔も普段と違っていた。
 見てはならないものを見てしまった様な顔でだ、こう東郷達に言って来たのだ。
「すぐに世界の主だった面々をベルリンに集めてくれるか」
「とんでもないことが起こったな」
「そうだ」
 その通りだとだ、レーティアっは東郷に答えた。
「すぐに来て欲しい」
「わかった、ではな」
「日本君達もだ」
 国家達もだというのだ。
「そうだな、原始の八国全てに来てもらいたい」
「世界に関わることですね」
「そんな気がする、少なくとも尋常なものではない」
「いいか、来てもだ」
 ドイツもモニターに出て来た、それで言うのだった。
「何を見ても驚くな」
「ドイツさん、一体」
「ベルリンで話す、ではな」
 とにかく来てくれというのだ、こうしてだった。
 ベルリンに世界の主だった要人達と国家達が集められた、レーティアはまずは彼等を総統官邸に迎えた、そうして。
 彼等にだ、その強張った顔でこう言った。
「これからある場所に行くが」
「?レーティアさん本当におかしいよ」
 イタリアはそのレーティアを見て彼女に問うた。
「お化けでも見たみたいな」
「そうよね、いつも冷静なレーティアちゃんがね」
 おかしいとだ、ムッチリーニも言う。
「どうかしたの?」
「戦争は終わりましたが」
「まだ見つかっていなかった大怪獣が出て来たとか?」
 リンファとランファもそのレーティアを見て首を捻る。
「コアも消滅していますし」
「今のところで大きな災厄とかない筈よ」
「おい、本当にどうしたんだよ」
 ダグラスもレーティアに奇妙なものを感じて彼女に問う。
「人類史上最高の天才さんらしくないな」
「そうだ、どうしたんだろうな」
「おかしいわよね」
 アメリカとキャロルは互いに顔を見合わせて話している。 
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