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ヘタリア大帝国

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TURN138 貴族達の終焉その三

「戦後のオフランスは立憲君主制、首相が実質的に行政を担う国家にしたいので」
「私が首相になりですか」
「オフランスをお導き下さい」
「私に出来るでしょうか」
「シャルロット様だからこそです」
 今の彼女だからだというのだ。
「お願いするのです」
「だからですか」
「ではお願いします」
 フランス妹はシャルロットにあらためて言った。
「戦後のオフランスを」
「それでは」
 シャルロットもフランス妹の申し出を受けることにした、そのうえでオフランスを背負っていくことを決意した。それが今の彼女だった。
 その翌朝全艦出撃した、目指す場所は決まっていた。
 ロンドンだ、レーティアはロンドンに向かう途中で言った。
「何もないな」
「ああ、機雷も何もな」
「トラップも障害物も全然置いてないな」
 ドイツとプロイセンがそのレーティアに応える。
「前のアシカ作戦の時はこれでもかという程に置いていたが」
「今は本当に何もねえな」
「やはり正規軍がいないからだな」
「基本的な防衛すら出来てないか」
「所詮は腐敗しているだけの貴族共だ」
 レーティアは今エイリスを仕切る者達をこう看破した。
「だからだ」
「勝てるな、今度は」
「それも確実にな」
「圧勝だ」
 ただ勝つのではない、それもだというのだ。
「では敵を見つけたならだ」
「すぐに攻撃に入る」 
 東郷が答えてきた。
「ではな」
「うむ、おそらく連中はロンドンのすぐ前にいる」
 レーティアが言う、エイリスの首都ロンドンを守っているというのだ。
「では間も無く発見される」
「そうだな、そろそろ敵の姿が見える」
 東郷も言う、そしてだった。
 実際にロンドンの手前でだ、彼等は貴族達の軍勢を見た。その数は相変わらず多かったがそれでもだった。
 艦艇は旧式でしかもだ、それに加えて。
 陣形も酷いものだった、今も各種艦艇を適当に置いているだけだ。尚且つ動きも。
「素人の動きですね」
「間違いなくな」
 大和の艦橋においてだ、東郷は秋山の言葉に応えた。
「何の訓練も受けてきていない私兵に完全な素人のならず者達だけだ」
「それではですね」
「全くどうということはない」
 東郷はあっさりと言い切った。
「ただ攻めれば勝てる相手だ」
「まさに雑軍ですね」
「しかし損害を出すつもりはない」
 勝つにしてもだ、それでもだというのだ。
「戦うからにはな」
「最低限の損害で、ですね」
「最大限の勝利を手に入れる」
「そうしますか」
「是非な、ではだ」
 こう話してだった、東郷は自身が率いる軍を貴族軍の前に布陣させた。両翼に戦艦を主軸とした艦隊を置き中央には空母が主戦力の機動部隊を置く。
 そのうえで貴族達と対峙する、貴族達はその彼等を見て。
「ではな」
「今から攻めてだな」
「そして倒すか」
「数さえあればだ」
 勝てる、それが彼等の論理だった。
 そのうえでだ、彼等は一気にだった。
 全軍で兵を進める、そうして。
 枢軸軍を押し潰そうとする、その彼等の動きを見て。 
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