ハイスクールD×D~進化する勇気~
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第十一話
前書き
十一話でございます。
さて、世間一般では学生は今この時から
「夏休みじゃ~~~~!!!」
俺は思わず叫んでしまう。
「ふふっ。はしゃぎ過ぎですよ、イッセーさん」
「そうだぞ、イッセー……はしゃぐならもっとはしゃがなければ!!」
「ゼノヴィアさん……」
俺とゼノヴィアははしゃぎまくる。
なにせ……あの七面倒くさい授業を受けなくて済むんだからな!!
「イッセーさん!授業はちゃんと受けないといけないんですよ!」
おっと。アーシアには俺の心の内が見えるのかい?
「ふふ、イッセー君本当に嬉しそうね」
そう言ったのは駒王学園の制服を着たヴァーリだ。
そう、あの後ソーナ会長やサーゼクスさんの助力を受けてヴァーリを編入させる事に成功したのだ。
「ああ、これが嬉しがらなくて学生か!学生の本分はな……遊びじゃ~~!!」
「そうだ~~!」
ゼノヴィアは俺の意見に賛同のようだ。
「違いますよ!学生の本分は勉強です!その為に夏休みでも宿題が出されているんですからね!」
「「それを言わないでくれ、アーシア……」」
俺とゼノヴィアは絶望してしまう。
いや、まあ俺は楽勝なんだが……ゼノヴィアは割とヤバい。
そしてヴァーリだが……何でも結構前から日本語や漢字の勉強をしていたらしい。
ちなみになんで覚えたんだ?って聞いたんだが
『えっと……秘密……///(だって……イッセー君と一緒にいたかったからとか言えないよ~~///)』
と顔を赤くされた。
なぜ顔を赤くされたのだろうか?俺にはわからん。
「あ、イッセー君。少し待ってください」
「あれ?ソーナ会長。どうかされたんですか?」
ちなみに言っていなかったが俺たちがいるのは教室。そう、俺たちは教室にいながらも馬鹿騒ぎをしていたのである。
まさか……それを咎められるのだろうか?
「ちょっと手伝って欲しいのです。それと他にも要件はあるのですが……それは生徒会室で」
「わかりました……」
「では、また後で」
そう言ってソーナ会長はどこかにいってしまった。
「一体何なんだろう?」
「さあ……行ってみるしかないだろ」
俺たちはそう結論づけて荷物を纏めて生徒会室に向かった。
そして生徒会室に着いたのだが……何やら変な……負のオーラと呼ばれそうな物が漏れ出ている。
「な、なあ……何だか生徒会室から負のオーラが漏れてねぇか?」
「わ、私にも何だか変な黒いオーラが見えます……」
「き,奇遇だな……私にも見える……」
「それじゃこれって……」
「い、行くぞ……」
俺は意を決してドアを開ける。とそこには……書類の山があった。
「な、何だ?この書類の山……」
「?イッセーさん、何だかうめき声が聞こえてきませんか?」
「うめき声?」
耳を澄ませてみると……なるほど、確かに聞こえてくる。
「つうか!これって匙の声じゃ!?匙、待ってろ!」
俺は書類を破らないように慎重にどかす。
「お、おう……イッセー……」
そこにはやつれた姿の匙がいた。
「さ、匙……何があったんだ?」
「しょ、書類が……終わんねぇんだよ……終わらせようと頑張ってるけど……どんどん増えていくし……」
「ああ……つまりはソーナ会長は応援要員が欲しいと……」
それで俺たちに声を掛けたって訳ね。
「わかったよ、それじゃ俺たちも奮闘するから。お前も頑張れよ?」
「お、おう……」
「はぁ……はぁ……今、どん位終わった?」
「えっとね……三分の二は越えたよ」
「まだ三分の二かよ……」
俺は机に顔を突っ伏す。
「そんな事をしている暇があるなら働いてくれ、イッセー」
そんな声が聞こえてくる方向を見てみると……ゼノヴィアがアーシアがやる分の書類を持っている。
俺たちは役割分担で俺とアーシアが書類処理、ゼノヴィアとヴァーリが書類を持ってくる係である。
「ありがとうございます、イッセー君。貴方のおかげで作業が滞りなく進んでいますから」
そう言いながらも手を休める事なく書類を処理していくソーナ会長。
ていうか動かしている手が増えているように見えてきた……え?ちょっと待ってください。残像ですか?若干残像のような物がが見え始めているのですが……どんだけ早くすれば残像が見えるんですか?是非とも教えてもらいたいですね。
「ふぅ……これで夏休みにしておく書類は全て終わりです……それではもう一つの案件に入りましょう」
あ、そういえばもう一つ要件があるって言ってたな。
「私たちは夏休みを利用して冥界に帰る事になっています」
「……ん?それと俺たちに何の関係が?」
「あなた達には私たちと共に冥界に来ていただきたいのです」
「え……えぇえぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」
アーシアがめっちゃ驚いている。
まあ、他の皆も声に出さないだけで驚いている事だろう。
かくいう俺だって驚いている。
「姉様がイッセー君達を連れてきてほしいとうるさいのです。それとサーゼクス様にはこちらでお連れするからと言ってあるそうですよ?」
「ああ、あの人たちは勝手に……」
「まあまあ、いいじゃねぇか!」
「……何の脈絡もなく来るのやめてくれませんか?アザゼルさん」
「何だ?俺がここにいちゃいけないってのか?」
まあ、皆状況がわからないだろうからここで説明しておこう。
アザゼルさんはここ、駒王学園の教師になった。そしてオカルト研究部の顧問になったらしい。
以上、説明終わり。
「おい、何だか今俺の扱いがぞんざいになっている気配がしたんだが?」
「何言ってんですか、気のせいですよ。年のせいで頭が鈍っちゃいましたか?」
「バカ言うな、俺は頭はいかれてねぇよ」
さて、アザゼルさんいじりはここまでにして。
「それで?俺たちに拒否権は「ありません」ですよねぇ~……」
まあ、サーゼクスさんやセラフォルーさんが絡んでる時点で拒否権はないのはわかってたよ。
「わかりました……それと俺たちって事は俺の家の同居人全員ですか?」
「いえ、代表として何人かは来ていただく事になります……ただヴァーリさんとイッセー君は絶対だそうです」
「?何で?」
「何でも……上層部の方々がうるさいのだとか……」
なるほどね……あの上層部か……。
「はぁ……俺、あいつらと会いたくないんだけど……」
「?会ったことあるのですか?」
「あるも何も……上層部の奴らも俺を認めなかった奴らでな」
「認めなかった?ああ、世界終末の日の時の事だな」
匙がわかったように口を開く。
「その通り。まあ、コカビエルの時の事で一応は認めてもらえたんだが……あいつら今でも俺の事、気にくわない人間だとか思ってんだろうな……」
正直言って行きたくはない。しかし行かなかったらソーナ会長に迷惑がかかるしな。
「わかったよ、俺たちも向かう。日時は?」
「3日後です。3日後に駅まで来てください」
「わかった。3日後だな」
そして俺たちの冥界行きが決定した。
「さて……冥界に行くのはいいとして……メンバーだよな……」
俺とヴァーリは確定として……それでいてこの家にも守るための戦力は残しとかないといけないしな。
「イッセーちん……」
「ん?どうした、黒歌?入ってこいよ」
「わかったにゃ……」
そうして入ってきた黒歌の顔は優れない。何かあるのだろうか?
「イッセー……冥界に行くって本当?」
「あ、ああ……本当だけど……それがどうしたんだ?」
「私も連れていって欲しいにゃ……」
「いや、でも……」
さて、ここで補足情報を入れておこう。
黒歌は冥界が指定したSS級はぐれ悪魔である。
つまり冥界に入ればどうなるか。一瞬で捕まり死刑は止むおえないだろう。
「それでも行きたいのにゃ……」
「黒歌……」
一体何がそこまでさせるのかわからないけど……まあ、引かないだろうしな。
「わかった、じゃあもう一人は……ルフェイだな。こっちに置いといてもいいけど俺の傍にいた方がずっと安全だと思うし。まあ、本人が拒否れば俺とヴァーリとお前だけになるけどな」
「それでもいいにゃ……白音に会わないと……」
「ん?どうした?」
「な、なんでもないにゃ。それじゃあね、イッセーちん!」
そう言って俺の部屋を出て行く黒歌。入れ違いになるようにヴァーリがやってくる。
「黒歌が出て行ってたけど……もしかして浮気?」
「いやヴァーリ。浮気もなにも俺お前の彼氏じゃないし。それよりそれいい加減に返してくれないか?」
「これを返しても私は他のイッセー君のYシャツを使う (ドヤッ)」
ドヤ顔すんなや。
「わかったわかった。それで?また俺と一緒に寝たいのか?」
「うん♪」
あらまあ。笑顔が満開で。めっちゃ可愛いじゃないですか。
「それじゃあ、ほい」
「やった♪」
そう言って俺の入っているベッドの中に入ってくるヴァーリ。
いつも通り俺の隣に来て、顔を見合わせる。
「えへへ♪おやすみ、イッセー君♪」
「ああ。おやすみ、ヴァーリ」
俺たちはそう言って互いに存在を確かめ合うように抱きしめたまま眠りについた……。
後書き
とまあ。こんな感じですね。
ヴァーリちゃん、めちゃんこ可愛いですね♪
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