ヘタリア大帝国
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TURN137 議会の腐敗その三
「剣を抜く覚悟をしているわ」
「ではお母様も」
「セーラちゃんはセーラちゃんのやるべきことをして」
講和の演説、それに専念して欲しいというのだ。
「いいわね」
「わかりました、それでは」
「我々がいます」
ロレンスは警護を申し出た。
「近衛軍を動員しておきますので」
「ああ、その方がいいな」
イギリスは王宮の窓の外を見た、見れば。
貴族達の手の者達が集まって来ていた、皆碌な人相ではない。
その彼等を見てだ、イギリスはセーラ達に話す。
「どうやら連中も自分達がやばいことをわかってるな」
「だから動員してきましたか」
ロレンスも窓の外を見た、そのうえで顔に危惧を浮かべる。
「ではやはり」
「ああ、近衛軍を動員してくれるか」
「すぐに」
ロレンスは敬礼をしてイギリスに応えた。
「そうします」
「じゃあな」
「政治も力が必要です」
イギリス妹は確かな声でこの理を言った。
「武力もまた」
「はい、理想も力という切り札がなければ実現出来ません」
セーラもそのことはわかっていた、伊達に女王ではない。
それでだ、こう言うのだ。
「ですから今も」
「近衛軍を動員して、それにね」
エリザも言う。
「艦隊もね」
「動かしておきますか」
「軍は私達に忠誠を誓っていてくれてるわ」
「彼等は健在です」
腐敗していない、そういう意味での言葉だ。
「今も」
「そう、臣民の皆もね」
「では貴族達以外は」
「セーラちゃんを応援しているわ」
それだけセーラ、そしてエイリス王室は臣民達この場合は平民達から絶大な敬意と信頼を抱かれているのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「いざという時は」
「その時は」
「一旦エイリスを脱出するわよ」
エリザは微笑んでセーラに告げた。
「いいわね」
「脱出、ですか」
セーラは母の言葉を聞いて意外といった顔になった、そのうえで問い返した。
「ここは」
「そうよ、若しここで張ればね」
「内戦ですね」
「内戦になれば国土と臣民の皆に被害が及ぶわね」
「間違いなく」
内戦は最も国家に災厄をもたらすものの一つだ、多くの国が内戦で深刻なダメージを受けて衰えている。
だからだ、ここはだというのだ。
「それを避ける為にも」
「ええ、一次エイリスを脱出してね」
「そしてですか」
「枢軸側に亡命してでも」
「身の安全を保ってですか」
「人間生きていてこそよ」
そこから全てがはじまるというのだ。
「死んだら終わりだから」
「その時はですか」
「そう、脱出するわよ」
そうしようというのだ。
「わかったわね」
「わかりました、それでは」
セーラも母の言葉に確かな顔で応えた、そしてだった。
セーラはイギリス達と共に議会に乗り込んだ、既に近衛軍と艦隊を動員している。彼等は貴族の私兵やならず者達と対峙していた。
貴族達はその彼等を見て目を顰めさせて言った。
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