ドリトル先生と京都の狐
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第一幕その十二
「そうしてね」
「お酒ですね」
「そう、お酒もね」
そちらもです、楽しんで欲しいというのです。
「僕もよく飲むよ」
「へえ、先生がお家の外でお酒よ」
「八条町は日本の中でもとてもよく飲む場所でね」
それでだというのです。
「僕もここではね」
「お家以外の場所でもですか」
「そう、飲んでいるんだ」
そうしているというのです。
「日本酒もね」
「あっ、それもですか」
「そう、飲んでいるよ」
「日本のお酒は」
「お米から作ったお酒でね」
「美味しいって聞いていますけれど」
「僕に合っているよ」
先生が飲んでみると、というのです。
「あのお酒もね」
「それはいいですね」
「お酒は合う合わないがあるからね」
人によって飲めるお酒と飲めないお酒があります、このことは舌だけでなく体質のこともあって合わないお酒は中々飲めません。
「けれど僕はね」
「日本酒はですね」
「合うよ。トミーはエールだったね」
「あれが好きです」
「エール、日本じゃビールしかないけれど」
「あっ、そちらも勿論」
飲めるとです、トミーは明るく笑って答えます。
「大丈夫ですから」
「そうだね、じゃあ若し日本酒とかが飲めなくても」
「それでもですね」
「ビールがあるから」
それを飲めばいいというのです、飲めない時は。
「安心していいよ」
「わかりました、それじゃあ」
「それに飲む場所でのお料理もいいから」
「そこの食べものもですね」
「うん、楽しむといいよ」
「わかりました」
「それと。僕はどうもね」
先生はここで苦笑いになりました、そのうえで言うことは。
「歌は苦手だけれど」
「そういえば先生歌は」
「うん、自信がないんだよね」
困った苦笑いになってです、首を傾げさせながらのお言葉です。
「どうにもね」
「殆ど歌われませんね」
「音痴なんだよ」
自分で言うことです。
「だからね」
「歌はですね」
「うん、カラオケもあるけれどね」
そうしたお店はというのです。
「僕は歌わないよ」
「そうですか」
「とにかく夜も楽しめる国だから」
お酒にカラオケにというのです。
「朝も昼も夜もね」
「はい、楽しくやらせてもらいます」
笑顔で応えるトミーでした、そのうえで。
トミーは納豆も梅干も美味しく食べて日本のはじめての朝を過ごしました、そして学校でもとても楽しく過ごすのでした。京都に行くまでの間も楽しんでいます。
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