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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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お前らに本物のスパロボチート見せてやる・前編

 
前書き
大分前に書いたんだけど、結構他作品に対してネガティブかもしれないので話半分で読んでね。 

 
二次創作における神様転生作品の数には目を見張るものがある。クオリティは高いものから低いものまでピンキリで、オリジナル小説でも同じく神様転生と言う形式を取っているものが存在することから、もはや読者にとってこれは無視出来ない存在と言えるだろう。

では何故神様転生がそれだけ頻繁につくられるのか?
最大の理由はやはりその手軽さにある。主人公にどんな付加能力をつけようが「神様に与えられたから」で大抵の調合性は取れてしまい、ネタ小説の導入部としても優秀だ。無論これには数多くの弊害が存在するのだが、それを抜きにしても作者の描きたい力をそのまま他作品から持って来ることの多いこれは主人公のギャグ染みた強さを表現するには非常に便利なツールと言える。

その手軽さゆえに新人文字書きの修行場所とも言われるこの世界はしかし、高確率で誰も面白く感じない作品というのが存在するのも確かだ。それは単なる実力不足が原因なのだが、時にはクロス元との調合性が全く取れていないが故の自滅も存在する。

例えばスーパーロボット大戦。これの爆死率(おもしろくないかくりつ)はいっそ驚異的と言えるだろう。
スーパーロボット大戦はそのゲームのオリジナルキャラが異世界に行くパターンとロボットを所持して転生するパターンが多いのだが、そのどちらもが驚異的なまでのつまらなさを発揮するのだ。面白いものは本当に稀である。

一言にスパロボ小説と言っても種類があるが、ここでは神様転生に限定して話を進めよう。
スーパーロボット大戦には数多くの格好いいロボットが存在する。そんなロボットを使えたらそれはさぞかし爽快だろう。だが、実際にオリジナルキャラをロボットに乗せてみると驚愕の事実が判明する。ほぼ確実に、本来乗っていたキャラクターの劣化コピーか下位互換の様な面白さしか発揮できないのだ。
考えてみればこれは当たり前の話である。ロボットの格好よさはデザインだけでなくパイロットやシチュエーション、作品別時代背景も大きく影響を及ぼす。それを「神様に貰ったから使いこなせます」などという無粋極まりない理由で所持していては、その時点でロボット好きたちのテンションはジェットコースターのように急降下である。ロボットを出さないと話にならないのにロボットによる戦闘が一番つまらないなど本当に笑えない話だ。

チートロボットを出すのは構わないが、大抵は出てくるまでが話のピークでありそれ以降はどんなに続けようと何の新鮮味も生まれない。さすれば必然飽きるというモノ。
主人公ロボを出して無双するのもいいが、特に読者が感情移入するようなポイントのないキャラがいくら強くともロボット好きの心には何も響かない。

残るのは「お前は本当にスーパーロボット大戦を愛しているのか?」という疑問と胸に穴が開いたような虚無感のみ。だからこそ、タグにスーパーロボット大戦が付いている際にスパロボ好きはそれに一切合財の期待を抱いてはいけない。また、自分が書く際もそのジャンルをできるだけ選んではいけない。

つまり―――スパロボを愛するがゆえに、俺は司書から与えられる特典を全力拒否した。


グランゾン?ノー!あれはシュウが乗っているからこそ格好いい。
アルトアイゼン?ノー!あれはキョウスケが乗るからこそ面白い。
斬艦刀?ノー!あれは巨大ロボットが持つ更に巨大な剣だからこそ浪漫がある。
リオン・タイプF黒塗りVer?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょ、ちょっと欲しい。

いや、待ってくれ。だって初代OGじゃ隠し機体だったし、リオンの如何にも空戦仕様って感じのフォルムとか腕の形とか、なんかイイじゃん?頭部パーツのシンプルさも逆にお洒落だし、脚部のとがりつつも機能美を残した感じとかレールガンのデザインとかスマートで好きなんだけど。特にリョウト君が乗ってたあの黒塗りは堪らないよね。アーマーリオンよりあっちの方が好きなんだよ俺。

・・・え?リオンタイプFじゃ20段改造したって前の代の転生者たちに勝てないから”パイロット能力”の方をあげるって?うーん、パイロット能力なら別にいいかな。予知とか念動力みたいな特別なのじゃなくて汎用ので充分だけど・・・うん・・・そう、そんな感じ。

それにしても、リオンとはいえ20段改造しても敵わないなんて、前の代の転生者は一体何を手に入れたんだろうか?


・・・まぁそれは置いといて。とにかく重要なのは、俺がパイロット能力を受け取ってとある世界に辿り着いた事だ。
その世界の名を・・・悪名高き”魔法少女リリカルなのは”世界と言う!

・・・やっぱりリオン欲しかったな。



   もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね? 外伝

       ~ お前らに本物のスパロボチート見せてやる ~


注意

①彼は転生者シャインたち世代の前々代、つまり才人達の前の代の転生者集団の一人です。
②時系列的には原作のA's終了時期からから3年後くらいです。
③stsの続きを書き始めたのとは違います。単発のようなものです。




やぁ、画面の前のアンタ・・・違う違う、後ろにいるメリーさんじゃなくて画面の前のアンタだよ。え?後ろにメリーさんがいない?こまけーこたあ気にしちゃいかんよ君。

そうそう名前だね名前。俺の名前はスカラ・グランセニックっていうのよ。
弟と妹が一人ずついてね、まーこれがいまだに手間のかかるやつらで・・・っと早速脱線しちまったな。とにかく、簡単に言えば俺は魔導師なんだよ。管理局でお仕事してんの。ヘリの操縦が本業ね。

今までに至る経緯はあれだ。物心つきはじめた子供くらいの姿で、気が付いたらグランセニック家に引き取られてたんよ。身内の不幸で引き取り手がいなくてとかなんとかで。で、魔導師として才能あるって分かったからそのまま魔導師になって、絶賛お仕事中な訳です、ハイ。そこに至るまでのはそれなりに色々あったけど、話すほどの事でもないから割愛ね。


本日も快晴なのです。今日も元気に俺の愛機”JF650式”、ペットネーム「ヴァレリオン」はバタバタ音を立てて強襲中にございます。

・・・質量兵器を密輸してる過激派の本部に向かって強襲中にございます。

「なぁティーダ君。冷静に考えたら輸送ヘリが先陣切って突撃っておかしくね?」
「おかしいのはそれを任せられて実行できる貴方です!!いいからもっと高度下げて!!」
「へいへい、しょーがねぇなー」

と言いつつ取り敢えずレバーをくいっと動かすと、プロペラのすぐ近くを地上から飛んできたミサイルランチャーの弾が通り抜けて行った。その後も適当にヘリを操縦し、対空砲火を掻い潜っていく。高い金かけて買ったジャミング装置が少しは役に立ってるようだ。
その後も実弾とか魔力弾とかが大量に飛んでくるので最低限の動きでサクサク躱す。窓の外がピカピカしてて綺麗だなー・・・レーダーに映る熱源をチラッと確認しながら荷物を降ろすのにちょうど良さそうなスペースをナビで探す。

「ほんとスカラさんは頭おかしいと思います・・・いくらレアスキルがあるからって普通ヘリで前線に突っ込むとか自殺行為です!撃墜されます!なんでロケラン発射を見てから避けきれてるのかが不思議でなりません!!」
「ま、そこが兄貴の凄いところさ。仮に当たってヘリが中破しても墜落させないからな」
「前の任務ではCIWS(※)も避けていたな。あれは流石にヒヤッとしたぞ?」
※艦船を目標とするミサイルや航空機を至近距離で迎撃する艦載兵器の総称。バルカンとか。

後ろの席で出撃準備をしてる他の魔導師たちが口々に感想を漏らす。順番に後輩のレゾナちゃん、弟のヴァイス、隊長のシグナムさんだ。それにさっきのティーダ君を加えて計5名が俺達「海陸混成第一強襲部隊」のメンツである。いつも前線で無茶をやらされ、ヘリで出撃してはヘリで帰ってくる。毎度毎度ヘリごと砲撃に晒されてるのに無事に帰って来るもんだから「不死身の第一部隊」とか呼ばれてる。
ちなみに命中した理由は僚機との間に割り込んで盾になったからだ。テイルローターがへし折れたが俺のチートパワーの所為か何の問題もなく飛んでたから整備班の顔が引き攣ってたのを覚えてる。人をミュータントか何かを見るような目で見ないでくれよ。

あ、断っておくとこのヘリに実弾武装の類は積載してない。実弾は規制に引っ掛かるからね。まぁ代わりに色々と追加装備積んでるけど。実はとある理由でお金には困らないんだよね。

(ん、頃合いだな・・・通信傍受・・・お、通常回線使ってんのか。T-ディティクター使う手間が省けたぜ)

T-ディティクターは通販でスカさんと言う人から買った念話受信装置だ。なかなかいい性能だがコストが高いので管理局での量産は無理そうである。うちの部隊しか持ってないしね。
集音マイクも使って傍受すると、下の慌てっぷりが手に取る様に伝わってきた。

『クッソ!あいつらだ!不死鳥部隊だ!!』
『冗談だろ!?何でミサイルの信管が動かねえ!?』
『有り得ねぇ・・・苦労して手に入れた最新のバルカンだぞ!?照準だって手を抜いてねえのに・・・!』
『まずいぞ、弾薬を使い過ぎた!後退するぞ!』
『後退したらあいつらが降下しちまうだろうが!!そうなったら総崩れだ!!』
『あのヘリのパイロットは本当に人間かよ!?』
「人間だよー」
『『『キェェェアァァァァシャァベッタァァァァァ!!!』』』

なかなかノリのいい奴らだ。逮捕するのは最後にしてやろう。下の過激派連中の弾薬が心許なくなってきたようなのでとっとと高度下げて魔導師連中を出撃させてやろう。高度計を流し見しつつ幾つかの回転スイッチをちまちま調整し、一気に降下を開始だ。

「ほいほいほーいっと。遅い遅い、そんなんじゃうちのヴァレリオンには追いつけないぜ!」
「というか時速600キロ出てるんだけど!?輸送ヘリの速度じゃないよこれ!?」
「事実は小説よりも奇なりだよ?ティーダ君や」
「貴方が言うと謎の説得力がある!?」

ティーダ君には突っ込みの才能がある。きっと彼の妹のティアナちゃんも同じ才能を開花させる事だろう。ちなみに歳の差こそあれティーダ君は魔導師学校では俺と同期であり、この部隊に来る前も一緒に戦っていた。あの頃はヘリを回してもらえないからバイクに乗って突撃していたら「管理局の暴走族」というあだ名がついたものだ。解せぬ。

そうそう、突然話は変わるが俺にはレアスキルがある。説明が難しいので周囲には全ての乗り物のポテンシャルを極限まで引き出す力だという事にしてあるが、実際は全然違うのだ。今、俺の視界にはいくつかのワードと数字を刻むカウンターが並んでいた。

白いカウンターは110からスタートして既に220という数値でストップしている。文字列にはいくつかのファイルに分けてずらっとワードが並んでいる。
この数字とワードこそが、俺のチート能力の本懐なのだ。文字には発動中を現す黄色、発動可能を現す白、発動上限を満たしていないグレーの3種類のものがあり、現在殆どが黄色と白で埋め尽くされている。

・・・これがもうね。色々とアカンのよ、マジで。司書の奴次にあったら絶対文句言ってやるぜバーカあほー間抜けーと内心で司書に罵詈雑言(小学生レベル)を吐き捨てる俺の視界に過激派のいるビルの頂上が見えてきた。
手でサインを送った後スイッチを押して後部ハッチを開放する。俺の仕事はここでみんなを降ろして適当に空をうろつきながら念話でオペレートすることだ。一応時々戦うけど、基本的には空飛んでるだけ。

前に犯罪者追跡のためにティーダ君とバイク二人乗りのスタイリッシュ逮捕やってた時期あるけど、最近はパイロットが板についてきたのでヘリを降ろしてもらえないのだ。ぶっちゃけバイクに乗ってる方が楽しいのだが、流石にヒャッハーしすぎて「世紀末局員」と呼ばれたため止むなく自重している。
一緒に乗っていたティーダ君に泣かれてしまってはしょうがないね。ティアナちゃんは「私もバイク乗りたい!」って無邪気にはしゃいでたけど。いずれ少女だったと気付く日が来るだろう。

ハッチが開き、ヘリ内に外気が吹き込んでくる。エンジンの稼働音と羽根が空を切り裂くばたばたという喧しい音に負けないよう声を張って、皆を送り出した。これも仕事の内だ。何せ皆の行きと帰りを任されているんだからな。

「んじゃ、いってらっしゃーい!」
「行ってくる。迎えは頼んだぞ・・・総員、出撃!!」
「「「了解(アイマム)!!」」」

シグナム隊長と俺以外は全員陸戦魔導師なので全員地に足つけて突撃していく。あ、シグナム隊長必殺「天空一閃」でさっきの過激派が吹っ飛んだ。最後に逮捕すると言ったな、スマンありゃ嘘だった。

「あーあ、皆が狩り終わるまで俺は待機か・・・もうヘリにデバイス組み込んで上から絨毯爆撃とか掛けようかなぁ・・・」

あとやることと言えば・・・敵の攻撃を躱して、鎮圧完了したら地上の隊に連絡して連れて行ってもらい、後はみんなを抱えて基地に戻るだけだ。今日も楽な仕事だったな、と考えながら俺は―――ほぼ無意識に操縦桿を捻って何処からともなく飛んできたレーザーを躱した。

「あぶねっ!スナイピングか?・・・スナイパー相手なら暇つぶしになりそうだな」

参考までに、この世界のレーザーはかなり高度な光学兵器で弾速は光の速さとほぼ同じ。故に発射されてから躱すのは不可能である。


なお、そのレーザー砲をレーダーの有効範囲外からヘリに打ち込んだ10番目の人は「ないわー、マジないわー」とイノーメスカノンを降ろして呆然としていたとか。
 
 

 
後書き
スカラ・グランセニック 
21歳(この時期のなのはさん達13歳くらい) 階級は空曹

グランセニック家の養子。生前の家族の事はほとんど覚えていないが、父がメカニックで母はレーサーだったらしい。(ヴァイス)(ラグナ)の面倒を見る兄貴分なのに、面倒くさがりで自分の行動をすぐに他人にゆだねる。しかしそれは自分で物事を選べない訳ではなく単に面倒だからであり、信頼した相手にしか任せない。

管理局の備品に個人で購入した違法パーツを使って改造を施す悪癖があり、違法ギリギリのアイテムを多数所持している。にも拘らず何故か注意されないのは、謎の技術屋スカさんからの圧力で上も手が出せないからだという説もあるが真偽のほどは定かではない。
 
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