ドリトル先生と京都の狐
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第一幕その六
「とても美味しいね」
「美味しいものばかりだよ」
「日本はだね」
「この河豚鍋だけじゃないから」
「いい国だね。イギリスはね」
「食べものはね」
どうかとです、ジップが言うには。
「お世辞にもよくはないから」
「そうだね、こんなに美味しいものはないよ」
「フィッシュアンドチップスもね」
それもだというのです、イギリス料理の代表であるこれも。
「イギリスのものより美味しいよ」
「あれっ、そうなんだ」
「うん、日本のフィッシュアンドチップスの方がね」
「そういえば紅茶も」
トミーはこのお家に来るまでに先生達と一緒に飲んだ紅茶のことも思い出しました。
「随分と美味しかったね」
「そうだよね、お水がいいしね」
「イギリスのお水よりも」
「お茶の葉自体もね」
「いいんだね」
「そうだよ、いいんだよ」
そうだというのです。
「しかも一緒に食べるティーセットもね」
「日本の方がいいんだ」
「そうなんだ」
「お料理については本当に違うから」
例えそれが同じメニューだとしてもだというのです。
「日本とイギリスはね」
「ううん、何か日本にいたら」
どうなるか、トミーはこのことはジョークを含めて言いました。
「太るかも」
「あっ、それはないよ」
ここで先生がこうトミーに言ってきました。
「太ることはね」
「ないんですか?」
「日本のお料理はイギリスのものよりカロリーが少ないんだ」
「そうなんですか」
「そう、この河豚鍋にしてもね」
これもだというのです。
「カロリーは少ないよ」
「こんなに美味しいのですか」
「そう、それでもね」
「ううん、お野菜も一杯入っていて」
「栄養があってね」
「しかもカロリーは少ないんですか」
そう聞いてです、トミーはびっくりして言うのでした。
「和食は凄いですね」
「そのことは調べていなかったのかな」
「はい、実は」
そうだったというのです、トミーは。
「そうでした」
「そうだね、けれどね」
「それでもですね」
「そう、日本は色々なお料理があるから」
だからだというのです、中には。
「カロリーが高いお料理もあるからね」
「そこは注意しないと駄目ですね」
「日本は世界中のお料理が集まっている国だからね」
「それは本にも出ていましたね」
「そうだよ、だからその中にはね」
カロリーが高いお料理もあるというのです。
「そこは気をつけてね」
「わかりました、太らない為にはですね」
「もっとも僕は最初から太っているけれどね」
先生は自分のことにはです、笑ってこう言いました。
「だからこれ以上太らない様にしているんだ」
「そうですか。じゃあ僕は」
「スポーツは何をするんだい?」
「ラグビーは」
「あっ、日本には階級もないから」
この辺りイギリスは厳しいのです、庶民はサッカーをして上流階級はラグビーをすると決められているところがあります。
ですが日本ではどうか、先生はトミーにこのこともお話します。
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