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ドリトル先生と京都の狐

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第一幕その四

「よくない人も多いね」
「人を教えて導かないといけないのにですか」
「随分とおかしな先生が多いね」 
 イギリス人の先生から見てもだというのです。
「日本の先生はね」
「それは八条学園もですか?」
「いや、あの学園は大丈夫だよ」
「そうですか、それは何よりですね」
「うん、けれどね」
 それでもだというのです、日本全体では。
「本当におかしな先生が多いから」
「それが問題ですね」
「そうなんだ、そのことは気をつけておいてね」
「わかりました」
「他のものは素晴らしいよ」
「人も景色もですね」
「歴史あるものも多くてね。あと今週の日曜には」
 先生はここでトミーにもこのことをお話するのでした。
「正確に言うと金曜の夜から京都に行くよ」
「あの歴史ある街にですね」
「うん、行くよ」
 そうするというのです。
「トミーも一緒に行くよね」
「いや、日本に来ていきなり京都なんて」
 それはどういうものかとです、トミーは目を輝かせて先生に言います。
「夢みたいですよ」
「けれど夢じゃないよ」
「僕が京都に行くことはですね」
「そう、夢じゃないよ」
 先生は紅茶を飲みながらにこりとしてトミーにこのことをお話するのでした。
「だから楽しみにしておいてね」
「はい、それじゃあまずは」
「八条学園に入ってね」
「そうして学園生活に慣れていって」
「とはいっても一週間じゃそれ程慣れないかな」
 先生は自分のことも踏まえてです、それは難しいかというのでした。
「まだね」
「そうですよね、一週間じゃ」
「けれどとてもいい学校だから」
「慣れればですね、僕も」
「楽しめるよ」
 その学園生活をだというのです。
「だから心配しないでね」
「そうですね、それに日本でも先生達と一緒ですから」
「そう、僕達もいるから」
「何の心配もいらないよ」
 他の国でも知っている、親しい人達がいるとです。それだけで全く違います。それはトミーも同じなのです。
「だから楽しくやろうね」
「お家に着いたらね」
 トートーが言ってきました。
「皆でお鍋よ」
「お鍋?日本の」
「そう、河豚鍋よ」
「えっ、河豚ってあの」
「そう、あのお魚よ」 
 日本で食べるそのお魚だというのです。
「毒yがあるけれどね」
「その毒はだね」
「ちゃんと除いてるから」
 だから河豚を食べても平気だというのです。
「安心してね」
「毒のない河豚は普通に凄く美味しいよ」
 ガブガブがこう言ってきます。
「安心してね」
「うん、それじゃあ楽しみにしているよ」
「あとお箸は大丈夫?」
 ダブダブはトミーがお箸を使えるかどうかを尋ねてきました。 
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