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ドリトル先生と京都の狐

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第一幕その二

「だから皆のこともね」
「気にしなくていいんだ」
「普通に京都に行けるんだね」
「そうだよ。ただ電車にはね」
 神戸から京都に行く電車の中ではといいますと。
「そこのことは」
「車で行くとか?」
 チープサイドのご主人はこう言ってきました、横には奥さんがちゃんといます。
「そうする?」
「そうしようかな。お馬さんやオシツオサレツも乗れる大きな車で」
「京都から神戸までそれで行くんだね」
 チープサイドのご主人はまた言います。
「そうするんだね」
「そうしようかな、車はあるから」
 その大きな車もだというのです。
「皆でね。キャンピングカーでね」
「随分大掛かりだね」
「メンバーが多いとそうなるよ」
 王子は今度はジップに答えました。
「どうしてもね」
「そうなるんだね」
「うん、とにかくね」
「京都にはだね」
「皆で行こう、トミーも来るから」
 それでメンバーがさらに増えるというのです。
「賑やかになるね」
「京都名物は何なの?」
 ホワイティは王子に食べもの、京都の美味しいものについて尋ねました。
「一体」
「うん、お豆腐かな」
「お豆腐がなんだ」
「そう、京都はお豆腐が有名なんだ」
 それが美味しいというのです。
「ホワイティはお豆腐は好きじゃないだろうけれど」
「味はいいけれど」
 それでもだとです、ホワイティは王子の言葉に困った顔になって答えました。
「それでもね。固くないから」
「かじられないからだね」
「物足りないよ」
 鼠としてはです、そうだというのです。
「飲むみたいな感じかな」
「じゃあ飲むと思ってね」
「そうして味わえばいいんだね」
「ホワイティの場合はね」
「じゃあそうして楽しむね」
 ホワイティはこう王子に答えました、そしてです。
 王子はさらにです、京都の美味しいものについて皆にお話しました。
「他にも鱧とかすっぽんとか。京都のお野菜に料亭のお料理に」
「随分美味しいものが多いのね」
「そうだよ、ただ高いよ」
 王子はトートーにも答えます。
「京都のお料理はね」
「宮廷料理みたいなものかしら」
「そんな感じだよ、京都は神戸や大阪と違って美味しいものを食べようと思ったらお金を沢山出さないといけないんだ」
 それが京都のお料理だというのです。
「けれど僕がいるし」
「それに先生も今ではね」
「お金もあるからね」
「そう、だから気にしなくていいよ」
 お金のことはだというのです。
「全然ね」
「そうなんだね、それじゃあ」
「京都のお料理もね」
「楽しめるよ、じゃあ来の日曜ね」
「うん、京都だね」
「そこだね」
「皆で行こうね」
 王子は紅茶とティーセットを楽しみながら先生達と一緒に京都に行くことを約束したのでした、そうしてです。 
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