ヘタリア大帝国
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TURN136 帰還その一
TURN136 帰還
枢軸軍もエイリス軍も一瞬だった、しかしその一瞬の中で。
彼等は様々なことを考えた、日本妹がまず言った。
「お兄様達はご無事でしょうか」
「そうですな、東郷達も祖国殿も」
宇垣も日本妹にすぐに応える、彼の顔は強張っている。
「何処に行かれたのか」
「?どうやら」
ここで日本妹は察した、その察したことはというと。
「お兄様達はご無事です」
「感じられましたか」
「はい、若しお兄様に何かあれば」
その時はというのだ。
「日本という國自体に、星域に異変が起こりますが」
「それがないですか」
「そうです、全く」
それがないというのだ、日本星域自体に。
「ですから特に」
「では祖国殿はご無事ですか」
「そしてどうやら」
日本妹はさらに言う。
「イギリスさんもまた」
「祖国殿もご無事ですか」
ネルソンは何とか普段の礼節を保っている、だが祖国への心配は隠せずそのうえで日本妹に問うたのだ。
「そうですか」
「エイリス側に異変は見られませんね」
「そうですね、特に」
「ですから」
そうした異変はない、ロンドンにも。
「何もありません」
「そうですか、それは何よりです」
「お二人が無事なら」
それならというのだ。
「乗艦こそ違いますが」
「女王陛下もご無事ですか」
「はい、そうです」
その通りだというのだ。
「あの方々はご無事です」
「そのことはいい、しかしだ」
柴神がここで言う、強張った顔で。
「問題は彼等が今何処にいるかだ」
「?どの星域にいるかということだな」
ベトナムが柴神に対して問う。
「そういうことだな」
「いや、世界がだ」
「世界?」
「若しあの世界に行っていれば」
柴神は今は独り言を言っている、だが彼はこのことに気付かずそのうえで言葉を出していっているのだ。
そしてだ、こうも言うのだった。
「まずいな、知ってしまうのか」
「おい、どうした」
「あの、一体」
ベトナムだけでなくタイも柴神に問う。
「柴神殿、様子がおかしいぞ」
「どうしたのですか?」
「!?いや、何でもない」
柴神は二人の言葉に気付いた、それでだった。
ふと思い出してだ、こう言ったのである。
「気にしないでくれ」
「そうか、そう言うのならな」
「僕達は構いませんが」
「うむ、とにかくだ」
柴神は心の中の動揺を何とか抑えつつそのうえで語る。
「皆無事ならまずはよしだな」
「じゃあ後は何処に出たか調べよう」
ここで言ったのはインドネシアだった。
「まずはね」
「チェリノブに行くといい」
柴神はインドネシアにこう返した。
「あの星域にな」
「チェリノブですか」
「そうだ、そこに行くのだ」
そこに行けばいいというのだ。
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