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FAIRY TAIL 真魂の鼠

作者:紺碧の海
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第二十六話 銀色の碇 

 
前書き
こんにちは~♪07で~す♪
今回は奇妙な出来事が次々起こるルーベリーの海に最強チームが潜る!
途中で目線が変わります。最初はルーシィ目線です。
それでは、第二十六話・・・どうぞ~♪ 

 
海中の洞穴(マリーンケイヴ)のギルドから出た私達最強チームは、ハルトとイレーネに道を教えてもらいルーベリーの海に今辿り着いたところ。海中の洞穴(マリーンケイヴ)のギルドマスター、コバルトさん曰く、奇妙な出来事が次々に起こってから、この海に来る人が激減したらしいの。そのせいか、ルーベリーの海には私達以外の人は誰もいない。

エ「これなら、人目を気にせずに調査する事が出来るな。」

エルザの緋色の髪の毛が海風でなびく。

ウェ「どうやって調査するんですか?」

シャ「決まってるじゃない。泳ぐのよ。」

ル「えぇっ!?でも私達、水着持ってきてないわよ。」

このまま潜ったら服が濡れちゃうし・・・

シ「服が濡れたくないならここで待ってろよ。俺とナツとグレイで潜ってみるわ。ナツは最初から気合満々だし、グレイは言う前から服脱いでるからな。」

シンがそう言いながら羽織っていた黒いベストを脱ぎ捨てる。

ナ「ハッピー、マフラー頼むぞ。」

ハ「あい。」

ナツが肌身離さず身に着けているイグニールから貰った白い鱗柄のマフラーをハッピーに預ける。

エ「グレイ、上は脱いで良いが、下は脱がなくて良いぞ。」

グ「うぉあっ!いつの間にぃっ!」

さっきから脱いでたわよ・・・

エ「何か発見したらすぐに戻って来い。そしたら私達も潜りに行く。」

ル&ウェ「えぇ~。」

シャ「文句言わないの。」

結局、全員潜る事になるのね・・・

ナ「グレイ!シン!どこまで泳げるか競争だぁぁぁっ!」

グ「お前等になんかぜってぇ~負けねぇよっ!」

シ「後で後悔しても知らねぇからなっ!」

ル「競争なんかしてる場合じゃないでしょっ!」

私の声に耳も傾けずに、ナツ、グレイ、シンはダボン!バシャァン!ドボォン!と海に飛び込んでいった。

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                       『ここからナツ目線でいきます。』

ダボン!と水しぶきを上げながら海に飛び込んだ瞬間、冷たい水の感覚が肌に当たる。水を腕でかき分けながら下へと泳いでいく。俺のすぐ右ではグレイが、左ではシンが俺と同じように泳いでいる。すると、シンが俺とグレイの方に向き直り、右手の人差し指で自分を指差した後、左の方向に指差す。シンは「左に行く」と俺とグレイに伝えているらしい。すると今度は、グレイが右手の人差し指で自分を指差した後、右の方向に指差す。グレイは「右に行く」と俺とシンに伝えているらしい。俺は右手の親指で自分を指差した後、人差し指で下を指差す。俺は「下に行く」とグレイとシンに伝える。水中ジェスチャーで伝え合うと、俺達三人は同時に頷き、それぞれジェスチャーで示した方向へ泳ぐ。





俺はジェスチャーで示したとおり、下へと泳ぐ。深く泳いでいくに連れ、水の温度がどんどん冷たくなっていく。上を見上げると水面はかなり上、右を見ても、左を見ても、グレイとシンの姿はもう影も形も見えなくなっていた。

ナ「(真っ暗だな。)」

深く泳いでいくに連れ、光が射してこない為辺りは真っ暗闇の中だ。その時、真っ暗闇の中で何かがキランと銀色に光ったように見えた。

ナ「(何だ?)」

水中に目を凝らしてみる。するとまた、キランと銀色に光った。だが、ただ光ったようにしか見えない為、光った所に何があるのか分からない。

ナ「(よしっ!)」

俺は光った所を目指して、更に深く泳いでいった。










かなり長い時間泳いでいた為、そろそろ息が限界に近くなってきていた。

ナ「(くそ・・・これじゃあ、間に合わねぇ・・・・)」

その時、俺のすぐ目の前でキランと何かが銀色に光った。近いっ!そう思った俺は更に泳ぎ光る物に近づく。そして―――――

ナ「(な、何だあれっ!?)」

そこで俺が目にした物は――――――――――

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                        『ここからエルザ目線でいきます。』

グ「ぶはぁっ!」

グレイが海面から顔を出した。

ル「グレイ~、何か見つけたぁ~?」

グ「何も見つかんねぇよ。つーか、思った以上に流れが速ェな。」

グレイがぶつぶつ文句を言いながら海から上がる。

シ「お疲れ~。」

シンがグレイの脱いだ服を投げつける。グレイは投げられた服を着ながら、

グ「もう戻って来てたのかよ。」

シ「仕方ねぇだろ。もう息が限界だったんだ。危うく死ぬトコだったぜ。もちろん、俺も何も見つけてねぇよ。」

エ「胸を張って言うな。それより、ナツはまだか?」

私は海に視線を移すが、ナツの姿はどこにも見当たらない。

グ「まだ戻って来てねぇのか?」

ウェ「あれからもう十分以上経っていますよ。」

シャ「()()の人間だと、もう息は限界を超えてるわよ。」

ル「ナツの場合、()()じゃないけどね・・・」

確かに、あいつは()()じゃないかもしれないが、いくら何でも遅すぎる。何かあったのか?

ハ「ナツ・・・」

ハッピーがナツのマフラーを握り締めながら海を見つめて小さく呟く。

エ「お前達はナツを見ていないのか?」

私はグレイとシンに問うと、

グ「潜ってすぐに別れたからな。」

シ「俺は左、グレイは右、ナツは下に泳いでいったけど、それから俺はナツもグレイも見てないからな・・・」

グ「俺もだ。」

つまり、ナツが下に泳いで行った後からは誰もナツの事を見ていないという事か・・・

シ「俺、ナツを探してくる。あいつ、海ン中で寝てるかもしれねぇからな。」

グ「ったく、世話の掛かる奴だぜ。」

エ「待て。」

グ&シ「うおっ!」

冗談を言うシンと、文句を呟くグレイがまた海に行こうとする。私はその二人の腕を掴んで引き止めると、

エ「今度は私達も行こう。二人だけだと、また何かあったら心配だからな。」

そう言うと、私は身に着けていた鎧を脱ぐ。さすがにこれでは泳げないからな。その後ろでルーシィが髪の毛を高い位置で束ねる。

シ「ルーシィ、服が濡れるのが嫌なんじゃなかったのか?」

ル「今は服よりも、仲間の無事の方が大切でしょっ!」

ルーシィの言葉にシンは小さく微笑む。

ウェ「ハッピーとシャルルはここで待っててね。」

シャ「あんた達だけで大丈夫なの?」

ハ「おいら、ナツも心配だけど、ウェンディ達の事も心配だよ・・・」

すでに涙目になっているハッピーの頭を私は優しく撫でると、

エ「ハッピーとシャルルには、ここで私達が戻って来るのを待っていてくれ。心配するな。必ずナツを連れて、全員で生きて戻ってくる。だが、もし夜が明けても私達が戻って来なかったら、海中の洞穴(マリーンケイヴ)の魔道士達や、妖精の尻尾(フェアリーテイル)の皆に助けを求めに行ってくれ。」

私の言葉に、ハッピーとシャルルはしばらく黙っていたが、

シャ「・・分かったわ。ただし、生きて戻って来なかったら、許さないわよ。」

ハ「お・・おい、ら・・・!今のエルザの言葉!絶対・・絶対忘れないからねっ!!」

ボロボロと大粒の涙を流しながらハッピーが言う。私は小さく微笑み、スクッと立ち上がると、

エ「行くぞっ!」

海へ向かって走り出し、ダボォン!と水しぶきを上げながら勢いよく飛び込んだ。

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                        『ここからグレイ目線でいきます。』

エルザに続いてシン、俺、ルーシィ、ウェンディの順で海に飛び込んだ。ここからは俺とシンが誘導する事になる。俺とシンはエルザ、ルーシィ、ウェンディを上手く誘導しながら、ナツが泳いでいった方へと泳いでいく。

グ「(にしても、ナツの奴、いったいどこまで泳いでいったんだ・・・?)」

せめてそれが分かれば少し探すのにも苦労しなかったんだけどな。深く泳いでいくに連れ、水の温度はどんどん下がっていき、辺りも真っ暗闇になっていく。

グ「(おいおい・・こんな真っ暗闇の中で、ナツを探すのは不可能に近いぞ。)」

俺は後ろを振り返る。全員俺と同じ事を思っているのか、少し不安そうな顔をしている。

グ「(くっそ・・このままじゃ・・・!)」

そう思ったその時、真っ暗闇の中で、何かがキランと銀色に光ったのが見えた。何が光ったのかは、ここからだと全く分からない。俺は後ろを振り返る。皆も銀色の光が見えたのか、俺と同じ視線の先に目が釘付けになっていた。すると、エルザと目が合った。エルザはコクンと小さく俺に頷きかける。俺もエルザに頷き返すと、銀色に光った所を目指して泳ぐ。その後をエルザ、シン、ルーシィ、ウェンディの順に続く。









かなり長い時間泳いでいる為、全員すでに息が限界だった。

グ「(くっそ・・これじゃあ息が持たねぇ・・・)」

その時、俺のすぐ目の前でキランと何かが銀色に光った。近いぞっ!そう思った俺達は更に泳いで光る物に近づく。そして―――――

全「(!!?)」

俺達は目を見開いた。俺達が目にした物は――――――――――




















海に沈んだ、金属で出来た巨大な碇だった。




















銀色に光っていたのはこの碇で間違いない。俺はそう確信した。

グ「(ナツも、これを見たのか・・・?)」

金属で出来た巨大な碇をよく見てみると、碇の下の部分に扉のような所があり、窓のような所もあり、ポツポツとオレンジ色の明かりのようなものが灯っている。

グ「(これ・・・!ただの金属の碇じゃねぇっ!碇の形をした建物だっ!)」

何で、海ン中にこんな建物が・・・?そう思ったその時、碇の形をした建物の中からピンク色のクラゲのような生き物(?)が大量に飛び出してきた。

全「(!!?)」

クラゲのような生き物(?)はあっという間に俺達を取り囲むと、長い触手のような腕を伸ばし、俺達の体を絡め取る。

グ「(な、何だこの変なのはっ!?)」

すると、

ウェ「キャアアァァアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

ウェ以外「(!?)」

ウェンディの悲鳴が聞こえ、驚いて振り返ると、クラゲのような生き物(?)の触手から青白い電流が流れウェンディを襲っていた。ウェンディは気を失い、クラゲのような生き物(?)は気を失ったウェンディを触手で絡め取ると、碇の形をした建物へ向かって泳いでいった。

グ「(まさか、ナツも・・・!)」

ル「ウェンディ!キャアアアァァァアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

シ「ルーシィ!グアアァァアァァアアアアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

ウェンディに続いてルーシィとシンもクラゲのような生き物(?)の触手から流れる青白い電流で気を失い、クラゲのような生き物(?)は気を失ったルーシィとシンの体を触手で絡め取ると、碇の形をした建物へ向かって泳いでいった。

エ「くっ・・!」

グ「つあっ!」

エルザと俺は殴ったり蹴ったりして抵抗していた。が、

エ「ウアァァァアアァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

グ「エルザ!グオォアアアァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

呆気なく俺とエルザも青白い電流で気を失った。 
 

 
後書き
第二十六話終了~♪
深海に建てられた碇の形をした謎の建物。この建物はいったい・・・?そしてナツ達の運命は・・・!?
次回は謎の建物の正体が明らかに・・・!
お楽しみに~♪ 
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