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オズの五人の子供達

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第六幕その八

「あら、ハンバーグね」
「それを入れてみました」
「そうなのね、お握りはハンバーガーみたいなものかしら」
「ファーストフードと言っていいですけれどまた違うんです」
「じゃあどう違うのかしら」
「中に入れるのはハンバーガーだけじゃないんです」
 本当はハンバーガー等はお握りにはあまり入れないことは後でお話することにしてです、恵梨香はオズマにお話するのでした。
「日本のお料理の具を」
「色々なものを入れるのね」
「はい、そうです」
「具体的にはどういったものを入れるのかしら」
「昆布や鰹節、他には梅干も」
「日本の食べものね」
「はい、そうしたものを入れるんです」
 こうお話するのでした。
「お味噌も」
「あら、お味噌も入れたりするのね」
「そうしたお握りもあります」
「ハンバーグのお握りも美味しいけれど」
 オズマはお味噌を入れるお握りのことを聞いて笑みを浮かべて言いました。
「そちらもね」
「興味がおありですね」
「ええ、一度食べてみたいわ」
「実は日本ではそうした、昆布やお味噌や梅干を入れたお握りの方が多いんです」
 ここでこのことをお話するのでした。
「そちらの方が」
「そうjなのね」
「特に梅干が」
「梅干?梅の実を入れるのね」
「そうです、これがとても酸っぱくて」
「酸っぱいの、梅干っていうのは」
 オズマは梅干のことを聞いてその目をしばたかせます、それで恵梨香に対してこう言いました。
「オズの国にも梅の木はあるわ。けれどね」
「梅干はですね」
「ええ、ないから」
 だからだというのです。
「興味があるわ」
「オズの国にも梅干あればいいですね」
「他の日本のお料理もですね」
「不思議ね。オズの国には和食もあるのにそういった食べものがないなんて」
 それがだというのです、オズマはお握りを食べつつ言います。
「お握りにしても梅干にしても」
「アメリカにある和食だからじゃないでしょうか」
 恵梨香は考えてからです、オズマは答えました。
「それは」
「アメリカにある和食だからなの」
「どうしてもアメリカ人の味に合わせていきますから」
「だからお握りや梅干はアメリカにはないのね」
「そしてオズの国にも」
 アメリカのお料理に近いオズの国のお料理もだというのです。
「そうじゃないでしょうか」
「大体事情はわかったわ、アメリカにも何でもあるということじゃなくて」
「オズの国にもですね」
「何でもあるという国はないわ」
 そうした国がないことはオズマもよくわかっています、何しろオズの国のことなら端から端まで知っているからです。細かいことまで。
「オズの国にもないものはあってね」
「お握りもその一つなんですね」
「そういうことね、じゃあ今はね」
「はい、そのお握りをですね」
「頂くわね。それと」
 ここで、です。オズマは卵焼きも見て言うのでした。
「このオムレツも貰うわね」
「それは卵焼きです」
「日本風のオムレツかしら」
「そう言ってもいいと思います」
 実際にそうだとです、恵梨香も答えます。 
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