『ポケスペの世界へ』
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第二十話
『作るのだッ!! お前の手でッ!! そう、時間を捉えるモンスターボールをなッ!!』
マスク・オブ・アイスはそう叫んだ。
「お、おいクリスッ!! 今、アイツはなんつったッ!?」
自分も知らないボールにゴールドは思わずクリスに尋ねた。
『クリス……というのか? フフフフフ。さっきお前が使った”みらいよち”。あれはいい技だった。{数秒先の未来に向かって}攻撃出来る。ほんのわずかだが、{時間を自由にした}わけだ』
マスク・オブ・アイスは意味深な言葉を言 う。
「て、てめぇ何言ってんだ?」
ゴールドが尋ねる。
『三年前……旧ロケット団がカントーを拠点に暴れ回っていた時期があった。彼等の目的は「金」や「物」。物質的支配だった。一年前、四天王と名乗る連中が町まちを消し去ろうとした事件があった。彼らの目的はポケモンの理想郷を作るための土地。空間的支配だな。だが、 物質的支配も空間的支配も私にとっては興味はないッ!! 私が欲しい物はそれ以上の価値があるッ!! そうッ!! それが「時間」だッ!!「時間の支配」だッ!!』
マスク・オブ・アイスはそう宣言をした。
「「時間ッ!!」」
『ガンテツよ。お前なら出来るはずだな? 「時 間を捕らえるというモンスターボール」をお前なら作れるはずだッ!!』
「な、何の事や? 「時間を捕らえるモンスターボール」やと? そんなもん……の作り方なんぞ儂は知らんぞ………」
マスク・オブ・アイスに首を絞めつけられ、苦しい中でガンテツはそう答えた。
『これでも知らないと言えるのかッ!!』
「お、おじい……ちゃ……」
マスク・オブ・アイスはガンテツの孫娘の首を強く絞めていく。
「や、やめろォォォッ!!」
ガンテツが叫んだ。
『強情な奴め。ならば……奪いとるまで だッ!!』
ガンテツの服を破ると、巻物が出てきた。
「そ、それはッ!?」
『お前がこの「特殊玉作成秘伝の書」を常に肌身離さず持ち歩いていることは知っていた。 おぉ書いてある。ヘビーボール、ルアーボー ル、レベルボール、スピードボール……そして「書」の最後には………』
最後には時間を越えるモンスターボールの作り方が書いていた。
「そ、そうは上手くいくかッ!! 作り方は分かっても材料が無ければ作りへんぞッ!! ボール内部の捕獲網、キャプチャーネットを編むための糸が無ければ……」
『それも用意してある。キャプチャーネット用の材料、それは……あそこだッ!!』
「なッ!?」
マスク・オブ・アイスがルギアとホウオウを指差して、デリバードが二匹の羽を取る。
『「にじいろのはね」と、「ぎんいろのはね」だ。これらを紡ぎ捕獲網とする。そう、それこそが……フフフ。時間のはざまに入り込む唯一無二の方法だッ!!フ…フフ。ウワハハハハハッ!!』
「ふざけんなッ!!」
マスク・オブ・アイスが笑っている時、ゴールドが叫んだ。
「だったら何か? こいつらはそのために……そ のため『だけ』に捕まえられたってのか? てめぇは自分が欲しいボールを作りたい『だけ』 にルギアとホウオウを捕まえたってのか? ふざけんなよッ!! 全部道具かよッ!? 全部材料かよッ!?ポケモンリーグも、ガンテツ師匠も、修業させたシルバー達も、いやロケット団残党さえもッ!! てめぇにとってはただの道具なのかよッ!! どうなんだッ!?」
『……………』
ゴールドの言葉にマスク・オブ・アイスは何も言わない。
「でもよ……違うよな? 例え他なもんはそうでもポケモンだけは違うよな? てめぇも一度でもポケモンと触れ合った人間なら言えねぇはずだぜ。ポケモンが「ただの道具だ」なんてぜってーに言えねぇはずだ。てめぇにとってポケモンってなんだッ!? てめぇの言葉で答えてみろッ!! ハッキリその口で答えやがれェェェッ!!!」
『道具だ』
マスク・オブ・アイスはそう答えた。
「ざけんなァァァーーーッ!!」
『ふんぬッ!!』
「しゃがめクリスッ!! ハルナさんッ!!」
「きゃッ!!」
「ゴールド君ッ!!」
ブワァッ!!
ゴールドは二人をしゃがますと同時に炎のリングがゴールドを絞めつけた。
「ぐあッ!!」
「ゴールドォォッ!!」
『……必要な物は全て揃った。お前達にもう用はない』
マスク・オブ・アイスはデリバードに乗って空を飛んだ。
後書き
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