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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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九章 幕間劇
  行き倒れ×鞠の現状

俺は今外にいる。風呂の前何だが、現代ではトイレとかは中なのだが、この時代は基本外だ。なのでトイレはいつもトレミーで用を済ましている。だから外に行ってから、空間で艦内に入りトイレを済ませてから、手を洗ってから元の場所に戻る。

ちなみに、手を洗う石鹸も拠点D×Dから持ってきている。掃除も部下に任せている。それにしても、本当に真っ暗なんだな、街灯もないからかもしれんが、一応携帯用のライトを持ってきている。しかも音といえばフクロウの音くらいか。ん?あそこにいるのは何だ、ライトで当ててみると人影のようなのだった。小さいけど、警戒しながらそこに行くと人が倒れていた。

「・・・・・・っ!」

駆け寄ろうとしたら、俺の足音に気付いた者は起き上がった。ライトを当てずに見ると、闇の中で輝く二つは瞳かな。

「・・・・・・・ッ!!!!」

鋭い瞳と、気迫を感じた。素早い動きだったが、俺には遅く見える。飛びかかって来たと思ったら、女の子だと気付いて軽く受け止める。

「おなか・・・・すいたの」

腕の中の女の子は、小さな呟きと、それより遥か大きな腹の音が鳴った。で、そのまま気を失ってしまったので、俺は部屋に戻った。

「戻った」

「おや一真様。何か忘れ物・・・・」

風呂に行ったはずなのにふらりと戻ってきたからな。詩乃は固まっていたが、しゃあない。

「どうしたのですか?その子」

「お腹が減って倒れてたから連れてきた」

「うにゅぅ・・・・」

「とりあえず行き倒れを放っておくほど、俺は有害じゃないから。何か食事用意できるか?」

「でしたら、宿の者に何か用意させましょう」

「頼む、歌夜」

そう言って、歌夜は宿の人に頼みに行った。詩乃と綾那は、布団の準備をしていた。その間に、俺はこの子を観察してたけど、服からして何らかのお嬢様って感じかな。

「一真様。食べられそうな物をお持ちしました」

「ありがと。歌夜」

お粥と軽く炙った干物、他に汁物と幾つかの漬物の載ったお膳を置いた。歌夜も床に腰を降ろしてた。今はこの子は眠っているようだ。あちこち汚れているのは、長い旅をしてきた証拠だろう。寝顔もどこか気品があるような感じがあった。

「あれ?この子・・・・」

「どこかで見た事ある子なの?」

「何となく、見覚えがあるような」

予想ではお嬢様って感じだったが、お武家様か大商人の子供なのかな。歌夜に見覚えがあるとすれば、三河の関係者か。

「綾那はどう?」

「うーん?そう言われると、見覚えがあるような無いような・・・・無いようなあるようなないようなないような・・・・」

どう考えても綾那には見覚えなさそうだな。

「ふぁ・・・・・いいにおい・・・・・」

話がうるさかったのか、それともお膳の匂いに反応したのか。女の子はゆっくりと目を開ける。

「あ、目が覚めたようですね」

「んぅ・・・・・ふぁぁあ・・・・」

女の子は、布団から起こして大きな欠伸をする。まだ寝ぼけているのか、辺りをぼんやりと見回している。

「・・・・・・・・・・・・・」

やがて、その視線は俺の目の前に置いてあったお膳へと。お膳を持つと、視線は左行ったり右行ったりと。そしてお膳を女の子の目の前に降ろす。

「お腹、空いてない?」

「・・・・すいているの」

「じゃあどうぞ召し上がれ」

「いいの?」

「君のために用意したんだから食べたいんならどうぞ」

「い、いただきますっ!」

そう言ったら、まさに飛びつく勢いで箸と茶碗をとった。余程、お腹が減っていたみたいだな。綾那や小夜叉も結構な食べっぷりだけどこの子も結構な食べっぷり。まるで鈴々や翠、あと恋だな。大食いといえば吉音かな。

「彼女の素性は・・・・」

「今は待ってやれ。食事の後にでも聞けばよい」

「そうですね」

詩乃との会話してたら、女の子はむせてしまったので水を差しだす。両手が塞がっているのかそのまま可愛らしい口を寄せてくる。

「あ、ありがとうなの・・・・んく、んく・・・・」

「慌てる必要はない。ゆっくり食べろ」

「あ・・・・・」

その言葉を聞いた女の子はばつが悪そうな顔をした。やがてさっきみたいな食べ方ではなく、姿勢を正して食べていた。半分無くなった干物を丁寧に返して、運ぶ箸の動きも今までとは違っていた。丁寧な仕草だったし、茶碗を持つ動きも、汁椀を口に運ぶ動きも、どこか気品があるというか優雅。

「やっぱり、どこかのお嬢様か?」

「お嬢様かどうかは分かりかねますが、箸の先だけしか汚さないように食べるのは、貴族や御所に出入りするような侍の作法ですから」

「そうか」

歳は詩乃より離れてると思うけど、俺との差は結構あるし。どこか京の一葉や双葉の仕草に、通じるものと思っていい事なのかな。

「それに、服の素材も良い物ですし。恐らくは京か、そこに近しい所で仕立てられた物かと」

「そんな子がどうして長久手にいるんだ?」

「それは何とも・・・・」

ふむ、あの子の箸の動きは、何か無理をしているような感じがした。どこをどう見ても、もっと早く食べたいのを我慢しているように見える。

「あのな・・・・」

「・・・・ふぇ?」

「最初みたいに食べても平気だよ。ここでは、礼儀作法で文句を言う奴はいないから」

「ほんと・・・・なの?」

「ホントさ。だから食べたいように食べればいい」

「っ!」

そう言った瞬間、女の子は笑顔になって元気一杯にお茶碗を持った。

「むぐむぐ・・・・はむっ・・・・。ん、むぐ・・・・っ」

うんうん。礼儀作法無しで食べる女の子も可愛いよな。あっという間に空っぽになったお茶碗を置いて、女の子はそわそわし始める。

「おかわり、いる?」

「うぅぅ・・・・大丈夫、なの」

と言った瞬間に盛大にお腹が鳴った。なので、歌夜がおかわりをもらって行こうとした。俺は遠慮するな、と言ったらおかわりと言ってきたら、綾那もお腹すいたとか。

「ふぅ・・・・ごちそうさまなの」

「ごちそうさまなのです!」

女の子の隣で同じように両手を合わせた綾那は、そのままごろりとその場で転がってしまう。

「あー。お腹一杯なのです」

「綾那。お行儀が悪いわよ」

「さっき一真様も仰ったですよ。ここには礼儀作法で文句を言う人はいないと」

「程度を考えてよ・・・・」

歌夜は呆れていうが、綾那は知らんぷりでゴロゴロしてる。俺はお腹一杯になった女の子に聞いたら、元気一杯に答えてくれた。

「じゃあ、少しお話をしよう」

「お話?」

「そう。まず君の名前を教えてほしい」

「名前・・・・」

「うむ。いつまでも君呼ばわりは失礼だしね、それに何て呼んだらいいのか分からないだろう?」

「ええっと・・・・・・鞠なの」

明らかに間があったな。何か隠しているのかな。俺は詩乃を見ると、詩乃も怪しく思ったようだった。

「じゃあ鞠か。通称じゃなくて本名を教えてほしい」

「・・・・・・っ」

それきり、鞠は黙ってしまった。でも、思いっきり警戒している訳ではなさそうだ。この子からは、敵意を感じないし。

「あの・・・・」

「ここは俺に任せろ。・・・・で、鞠よ。本名は誰にも言うなと言われたのだろう?」

質問をしたら黙ってしまったので、ここは肯定と見よう。しばらくすると、小さく頷いた。

「そうか。じゃあ仕方ないな」

「・・・・いいの?」

「鞠はその人と約束をしたのだろう?じゃあその約束を守らないとな。破らせる訳にもいかない」

「あ・・・・ありがと・・・・なの」

「じゃあ、鞠が名乗ってくれたからこちらも名乗ろう。俺の名は・・・・」

と言おうとしたら、俺の袖を引っ張る詩乃。何でも草=スパイの可能性があると。こんなに良い服をした子がスパイだとは思えない。

「それにこの子からは、草の匂いというか敵意がしない。だったら名乗っても平気だろう」

「そうですか。ならよろしいかと」

「改めてだが、俺の名前は織斑一真。通称はないから気軽に一真と呼んでほしい」

「織斑一真様・・・・?まさか、織田三郎殿の・・・・」

「うむ。織田三郎信長の恋人、ここでは彼氏か。様付しなくてもいいからな」

「じゃあ・・・・一真?」

「そうだ。では俺の部下を紹介しよう。こちらが竹中半兵衛重治」

「通称、詩乃と申します」

詩乃はまだどこか不満があったようだけど、小さく頭を下げた。

「で、こちらの二人は俺の客人」

そう言って歌夜をちらりと見たら、小さく頷く。

「歌夜と申します」

俺が三河の二人を紹介するのはまずいからな。相手の正体が分からないし。次は綾那の番だったのだが・・・・。

「綾那は三河の本多平八郎忠勝。綾那でいいのです!」

っておい!堂々と名乗ってどうすんねん!

「だって、一真様が名乗ったのなら、綾那達も名乗るのが筋なのですよ。コソコソと名乗りも上げない何て、ご先祖様に申し訳が立たないのです!」

そう言っているが、ゴロゴロしながら名乗るな。それこそご先祖様の恥だと思うが。

「・・・・まあ、そうね。私は榊原小平太康政。通称は先程の通り、歌夜と申します」

「三河の・・・・だったら、ここはまだ三河なの?」

「ここは長久手だよ。清州や美濃まではもう少しあるけど、尾張だ」

「そっか・・・・よかったの・・・・」

小さく息を吐き、背筋を伸ばす。

「私は・・・・」

その一言で場の空気が凜と引き締まったようだ。床にゴロゴロしていた綾那でさえ、思わず体を起こして座り直している。

「そんなかしこまなくていいぞ。さっきも言ったが、礼儀作法で怒る人はいないから。気を楽にして構わない」

「そうなの?じゃ、そうするの」

と鞠が微笑めば、さっきの空気はあっという間に普段通りになった。

「鞠の名前は、今川彦五郎氏真。駿河から、尾張の織田三郎殿に会いに来たの!」

「うわあ。大物じゃねえか」

「そうだ、今川彦五郎様だ。やっと思い出した」

「今川ってあの今川か?」

「しかも彦五郎殿と言えば、今川家の現当主ではありませんか・・・・」

わおー、すげえ大物じゃん。武将は皆若いから、何となくだった。しかも久遠も眞琴も一国の主。双葉もあの歳で、将軍の影武者をやっている。ある程度は予想してたが、こんな小さな女の子が当主とは。まるで、恋姫世界にいた朱里や雛里みたいだな。あの時も、本当にこの子が諸葛亮孔明と鳳統士元だとは思わないようなギャップ萌えだったな。

「で、鞠。何で今川家当主が、たった一人でこんな所にいるんだ?」

まさか、たった一人で仇討ちしに来たのかな?東海一の弓取りと言われた今川家の事だし、それはないな。仇討ちするなら軍を率いてくるはずだ。

「駿府屋形が、武田に落とされたの」

駿府屋形・・・・駿河国守護が在す館。

「・・・・・っ!」

もう何でも来い!みたいな感じだったが、鞠の一言で覆された。

「駿府屋形が・・・・」

「って事は、武田が駿河に攻めてきたって事ですか?」

「ですが、甲斐の武田は今、越後の長尾と事を構えていたはず」

「南下したという考えでは?」

「いえ。武田家と今川家、そして相模の北条家の間には同盟が成っています。だからこそ武田は北の信濃や長尾と事を構え、今川は上洛に集中出来ていたはずなのですが。いずれにしても、武田がここまで早くあの駿河を落とすなど」

「あ、違うの。駿府屋形を落としたのは晴信ちゃんじゃなくて、信虎おばさんの方だよ」

信虎・・・・武田光璃の母・武田信虎の事。苛烈な領国経営が祟り、娘・晴信に甲斐を追放されてしまった。

「信虎?確か武田晴信の母親で、晴信は信虎を追放して躑躅ヶ崎館の主だったか」

「その通りです。一真様」

まあ、美濃の斎藤家と似たようなものだな。例え親子でも容赦はしないって事か。

「信虎おばさんは晴信ちゃんに追い出された後、お母様の客人として駿府屋形に来てたんだけど」

「気が付いたら、信虎に実権を握られていたと?」

「・・・・うん。それで、泰能達と屋形を逃げたんだけど、追手が掛かって・・・・逃げられたのは、鞠だけなの。あとこれが、泰能の書いてくれた三郎殿へ宛てた書状なの。一真にあげるの」

鞠はそう言って丁寧に包み紙に納められた書状を差し出してくれた。

「あげるってこれ・・・・久遠への書状なんだろう?俺が預かっていていいのか?」

「泰能は三郎殿と、彼氏の一真を頼れって言ったから・・・・一真でもきっと大丈夫なの」

「そうか。一応中身を確認させてもらってもいいか。詩乃にも見せてもいいか?」

「うん。一真の判断に任せるの」

俺は詩乃を呼び、書状を読んだ。その時、詩乃が俺に寄り添うように来る。あと隣に来そうな綾那がいたので、ハリセン一発。

「阿呆。これは織田家の久遠による書状だ。お前には読まれると困るんだよ。そっち行ってろ!」

「一真様、申し訳ありません。綾那、他国同士の書状なんだから見ないのが礼儀なの」

まあ駿府から尾張への手紙なのだが、間にある三河を飛ばして織田に頼るというのは、どういう事だろうな。そう意味でも三河の二人に、この手紙を読ませる訳にはいかない。綾那は気になるらしいが、松平の殿に怒られるのは勘弁とか言ってた。

「二人共、先に風呂にでも入ってこい。ギャーギャー騒がれると、考えようとしてもうるさくて考えが出来ない」

「そうですね。だったら綾那。今の内に使わせてもらいましょう。それと静かに考えたいですものね」

「でもさっき二人は無理だって?」

「俺は体が大きいから無理なんだよ。綾那と歌夜くらいだったらちょうどいいという事だ」

「なるほどです。じゃあ歌夜と入ってくるです」

と綾那と歌夜が風呂に行った後に、詩乃は静かに言った。

「・・・・なるほど」

ちょうど書状を読み終えたようだった。

「で、何て書いてあったの?俺にはさっぱり分からん」

「では、説明するとですね。概ねは、先程鞠さんの説明通りでした」

今川家は、と言いかけたがここには鞠もいる。詩乃もそれが分かっているのだろう。小さく首を振って俺が言いかけた言葉を肯定した。

「内容としてはあまり気分の良いものではありませんでしたが・・・・少なくとも泰能殿と鞠さんには、織田に敵対する意思はないかと思います」

「そうか。では鞠。これは俺が大切に持っておく、そして久遠に渡しておくから」

「そうですね。一真様が持っていればよろしいかと」

「お願いしますなの」

「それと書状は三河の方々には・・・・」

やはりそうなるか。俺が見たのは最初の方だけど、何となくだが周辺国に鞠を任せられない理由が書いてあった。綾那にハリセン一発したお蔭なのか、どうやら正解だったようだ。こんな物が見られたら織田と松平にヒビが入るかもしれない。

「これはいいとして、鞠はこれからどうするの?」

「美濃に行って、三郎殿に会うの」

「一人で?」

「なの」

おいおい、こんな小さな女の子を、一人旅させようとは俺には思えない。護衛が何人かいたら話は別だが、今の世には鬼がいるからな。例えこの子が強くてもな。

「いいかい?確かに尾張や美濃は、他より安心かもしれない。だけど鞠のような者を、護衛無しでは行かせられない。路銀も無さそうだし、さっきみたいに行き倒れになる。それに書状は俺が預かったから、今から一人で行っても書状無しでは会えないよ」

「あ・・・・・・!や・・・・やっぱり返してなの!かーえーしーて!」

俺に掴みかかるが、書状は俺の内ポケットに入れてある。この時代にはポケットなんてない。

「だからさ・・・・」

「にゃ?」

バタバタと暴れる鞠の身体をひょいと抱え上げて座らせる。

「鞠、俺の客人にならないか?」

「客人に?」

「俺達はしばらくここに滞在後、美濃に戻る予定だ。鞠も一緒に来ないかって事」

「いい・・・・の?」

「久遠の客人なら、恋人の俺にとっても客同然だ。数日はここで待つけど、俺達には馬があるから美濃に着くのは歩きと変わらないと思う。それに俺と一緒に来てくれるなら取り次ぎ位はしてあげるよ」

「ホントなの!?」

「その後の判断は久遠がするけど、同席して、鞠に悪く言わないように口添えもできるし」

書状内容を見る限り、久遠も邪険扱いはしないだろう。すると鞠にとっては不利な条件ではないはずなのに、なぜか遠慮をしているような感じがした。

「そうじゃないの・・・・。客人って・・・・その」

「一真様。今川家は、甲斐からの客人に」

「そういう事か。では客人無しで俺達と来るか?鞠の素直な気持ちを聞きたい。俺と共に美濃に行くか、一人で行くか」

「一緒に・・・・行きたいの。一真に力、貸して欲しいの」

「なら決まりと言う事で・・・・改めてよろしくな、鞠」

「よろしくなの!一真!」

そう言って手を差し出すと、鞠は嬉しそうにその手をきゅっと握り返してくれた。

「一真様、私もよろしいかと思いますが、路銀は大丈夫なのですか?」

「ここにあるから心配するな」

空間から路銀を大量に出した。浮かしてたけど。こんなに持っているとはとか聞かれたが、これは全部俺が創造したものだからと言って安心させた。で、路銀を空間にしまった所で三河のお二人さんが戻ってきた。

「あーっ!いいお湯だったのです!」

「すみません。お先に頂きました」

「気にするな。それに話もちょうど終わったから」

詩乃も納得しているので安心だ。本来だと、詩乃の視線が来るはずだけどな。

「どうなりましたか?」

「鞠は俺達と一緒に美濃に行く事になったんで、二人とも仲良くしてくれよな」

「よろしくおねがいしますなの」

「そうですか。良かったです」

「よろしくなのです!」

「じゃ、鞠もお風呂入っておいで。長旅で疲れているだろうし」

「うん!だったら、一真も一緒に入るの」

と言ったら全員固まった。俺はあとで入ると言ったら一人で入れないようだ。

「という事で、詩乃。一緒に入ってもらえるか?ついでに、一人で使えるように教えといてくれると助かる」

「承知しました。鞠さん、今夜は私と一緒に入りましょう。一真様の言った通りに、一人でのお湯の使い方も一通り説明させて頂きます。これからはお一人でお湯を使えるようにして下さい」

「詩乃と?分かったの。分からないところは教えてほしいの」

「俺は外に行って少し飛んでくるんで。あとはよろしくな」

俺は言った後に翼だけを展開して窓から飛んだ。幸い、宿には発信機を付けてるから暗くても場所が特定できる。ふう、・・・・この世界の風は気持ちいいし、良い風だと思ってたら風の精霊らが俺に寄ってきた。そしてしばらく話した後に、トレミーで風呂に入った後に宿に戻ると詩乃以外は寝ていた。風呂は?と聞かれたら前線基地で入ってきたというと、頭が?になっていたが、時がくれば教えると言ってから寝たのであった。 
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