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オズの五人の子供達

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第六幕その六

 にこりとしてです、こう言いました。
「うむ、美味い」
「どうも」
 カルロスは船長さんのその笑顔に笑顔で返しました。そうしたのでした。
 ジョージはハンバーガーにホットドッグ、それにサンドイッチを用意しています。けれど緑のパンやお肉、卵等についてはです。
 どうにもというお顔で、です。こう言うのでした。
「何とか慣れてきたけれど」
「エメラルドの都に色によね」
「はい、緑色の食べものにも」
 ようやくだというのです。
「慣れてきましたけれど」
「最初見たらね」
 どうしてもというのです、ドロシーもこの辺りは知っています。
「びっくりするからね」
「はい、大丈夫かなって」
「けれどアメリカは今だと」
 どうかとです、ドロシーはジョージの祖国であり自分の祖国でもあるアメリカの今のことについて言うのでした。
「緑のケーキもあるのよね」
「青いケーキやオレンジのものもあります」
 ジョージもこの辺りのことは知っていて言います。
「ニューヨークに行けば凄いです」
「ニューヨークもかなり変わったらしいわね」
「はい、高いビルがこれでもかと建っていて」
「カンサスじゃお話に聞くだけだったのよ」
 ドロシーはカンサスの大草原で育ってきました、そこからアメリカの他の場所に行ったことはなかったのです。
「それでも凄く栄えている場所って聞いたわ」
「そして今は」
「その時以上なのね」
「そうなんです、それでそのニューヨークは」
 どうかとです、ジョージはドロシーにお話します。
「今は凄いんですよ」
「凄く栄えているのよね」
「そうです、それでケーキも」
「緑色のもあるわよね」
「色を付けているんです」
 つまり自然の色ではないというのです。
「こうした感じじゃなくて」
「オズの国の色は自然のものだからね」
「マンチキンの青もエメラルドの都の緑も」
「そうよ、全部自然だから」
「だから最初見た時は本当にそうだったんだって思って」
 ボームさんの書いていたことは真実だったということを知ったのです、そしてそのうえでなのでした。
「この緑のお料理も」
「アメリカのお料理ね、じゃあ今からね」
「ドロシーさんもですね」
「ええ、頂くわ」
 ドロシーはにこりと笑ってジョージに答えました。そうしてです。 
 ハンバーガーとホットドッグを一つずつ自分のお皿に取ってです、まずはハンバーガーを一口食べて言うのでした。
「うん、美味しいわ」
「そうですか」
「焼き加減もパンとお野菜のバランスもよくて」
「健康にも気をつけてます」
「それだけはあるわ。かなり大きいしね」
 見ればジョージが作ったハンバーガーは日本のそれとはかなり違います、まさにアメリカのビッグサイズです。ドロシーはこのことにも満足しているのです。
「いいわ」
「有り難うございます」
「ええ、じゃあサンドイッチもね」
「はい、どんどん食べて下さい」
 こう言うのでした、ジョージのお料理も好評です。
 神宝の前には白い足首まで完全に隠れたドレスを着た人が立っています。背はとても高くて波だつ明るい茶色の髪を肩の高さで切り揃えていてその頭には金色の王冠があります。
 お顔はお鼻の形も目の形も素晴らしいです、その目はライトブルーでしっかりとしたかつ優しい包容力のある光をたたえています。 
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