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オズの五人の子供達

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第六幕その四

「わしは食べたことはないがのう」
「お寿司にも使います」
「そういえばそうじゃったかな」
「これも日本ではよく食べますから」
「それでか」
「作ってみました、それじゃあ」
「うむ、ここに置いてな」
 船長さんは卵焼きを乗せたお皿を空いているテーブルの上に乗せました、恵梨香もそこにお握りのお皿を乗せます、その隣には。
 ふわりと宙に舞っている女の子がいました、虹色の綺麗な服と長い布を身体に巻いています。長い黄金の色の髪もふわりとしていて赤と青の飾りもあります、その目は青くてとても綺麗です。顔立ちは明るくて整っていてとても女の子らしいです。
 その娘を見てです、恵梨香は声をかけました。
「ポリクロームさんですね」
「はじめまして」
 そのポリクロームも挨拶をしてきました。
「この国に来てくれた人よね」
「はい、ジャックさんについて来た形で」
「あの学園に来たのね」
「あっ、ポリクロームさんもですか」
「あの学園には何度も行っているのよ」
 そうだというのです。
「八条学園よね」
「はい、そうです」
「あの学園はいいわね」
「いい場所ですよね」
「だから私も飛ばないで普通の娘としてね」
 妖精であるということを隠してだというのです。
「遊んでいるのよ」
「そうだったんですか」
「ジャックさん達は出来のいい仮装として出入りしているのよ」
「ううん、それは凄いですね」
「そうでしょ。それでだけれど」
 ここでポリクロームはこう言ってきました。
「いいかしら」
「いいっていいますと」
「貴女達のパーティーだけれど」
「今からはじめます」
「楽しいわよ、オズマが主催するパーティーは」
「かなりですね」
「そうよ、かなりよ」
 楽しいものだというのです、オズマが主催するパーティーは。
「だから楽しんでいってね」
「わかりました、存分に楽しませてもらいます」
「そうしてね」
「はい、そうさせてもらいます」
 ポリクロームとも知り合いになりました、そうしてなのでした。
 皆はパーティーの準備を整えました、それからでした。
 オズマは舞踏の間にいる皆にです、明るい笑顔で言いました。
「それでは今からね」
「はい、パーティーをですね」
「はじめましょう」
 右手に緑の林檎のジュースが入っている緑水晶のコップを掲げてでした、そのうえで。
 恵梨香の言葉に応えてです、こう言うのでした。
「皆楽しく食べて飲みましょう」
「わかりました」
「では今から」
 皆も、飲み食いの必要がない人達も儀礼的にコップを掲げてです。そうしてなのでした。
 乾杯の合図をしました、そのうえで。
 パーティーをはじめます、そしてなのでした。
 皆で楽しく飲んで食べはじめます。ドロシーはナターシャが作ってくれたボルシチを食べて笑顔で言いました。
「このシチュー温まるわね」
「はい、それで作ったんです」
「身体を温まることが身体にいいからなのね」
「そうです。ロシアはとても寒いですから」
 だからだというのです。
「よく食べるんです」
「トマトの味が強いわね」
「それがボルシチの特徴です。ただ」
「ただ?」
「本当はボルシチって茶色なんです」
 そうだというのです、あちらの世界では。 
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