ヘタリア大帝国
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TURN133 隠された航路その八
「やはり一度額に穴を」
「だから福原さん何でそう物騒なんだよ」
「腐敗した無能な特権階級なぞ不要ですから」
だからだとだ、福原はその微笑みでフランスに言う。
「それが為です」
「いや、それでも極端だろ」
「悪を成敗することについてですか」
「あんたも武道やってるよな」
「はい」
柔剣道の有段者だ、とりわけ合気道は十段で合気柔術も免許皆伝である。
「少々ですが」
「免許皆伝は少々じゃないと思うがね」
フランスもこのことを指摘する。
「まあ武道をやってるのならな」
「その武道で、ですか」
「ちょっと懲らしめる位でいいだろ」
あくまで穏健に、というのっだ。
「そう思うけれどな」
「そうですか」
「それ言ったら俺の国だってまずいんだよ」
オフランスの貴族達もだというのだ。
「植民地持ってたからな」
「けれどマダガスカルはエイリスの植民地みたいなことはなかったね」
南雲がフランスにこのことを言って来た。
「結構ほったらかしなところがあったよね」
「ああ、半分存在を忘れたっていうかな」
フランスも首を少し左に捻って述べる。
「そんな感じだったからな」
「搾取とかはしなかったんだね」
「最近の王様もそうしたことが嫌いじゃなかったんだよ」
フランスはさらに言う。
「それに知識人が人道主義に平等主義、まんま共有主義だけれどな」
「植民地統治に反対していたんだね」
「ああ、それでなんだよ」
だからだというのだ。
「マダガスカルはああだったんだよ」
「そういうことだったんだね」
「そうさ、まあ植民地がなくてもな」
今のフランスはというと。
「充分やっていけるしな」
「で、フランスさん欧州じゃどんな感じになるんだよ」
「二番手か三番手じゃねえのか?」
田中には少し考えてから述べた。
「一番はもう言うまでもねえからな」
「エイリスと争うんだな」
「ああ、それで四番目がな」
ここでフランスはイタリアを見て言った。
「五番目はスペインか」
「そんな感じか」
「まあそっちとはまた違うさ」
日米中三国が軸となる太平洋とは、というのだ。
「俺達は俺達だよ」
「そういうことか、まあ頑張れよ」
「そっちもな、さて」
話が一段落したところでだ、こう言うフランスだった。
「これからお茶にするか」
「あっ、じゃあ俺タルト出すよ」
イタリアはすぐにこのスイーツを話に出した。
「それとカプチーノでね」
「いいな、やっぱり御前と一緒にいるとな」
フランスはそのイタリアに笑って返した。
「楽しくやれるな」
「うん、じゃあ日本の皆と一緒にね」
「しかし。タルトとは」
ここで平良はタルトと聞いて言うのだった、その言うこととは。
「素晴らしいですね」
「山下さんなら非常に贅沢だと仰っています」
小澤は陸軍の質素さから述べる。
「あの方は本当に贅沢がお嫌いですから」
「えっ、タルトって日本でも映うに売ってない?」
「そうなのですが」
だが、だというのだ。山下の場合は。
「あの方は本当に贅沢を嫌われていますので」
「そういえばあの人いつも玄米とお味噌汁とちょっとしたおかずだけだよね」
「陸軍自体が」
「だよね、よくあんな生活出来るよね」
「ドクツ軍も凄いがな」
フランスは眉を少し顰めさせて彼等の名前を出した。
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