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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡 【リメイク】

作者:ブレイア
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第1話 気がついたら空ですよ?

前も砂、後ろも砂、右も左も360度どこもかもが砂の砂漠
そのど真ん中を少年が一人、歩いていた
そう、一人である。周りには誰もいない、孤独である
そんな彼の前に一通の手紙が舞い落ちてきた
少年は不思議に思いながらその手紙を拾い、裏返す

【源 修也 様へ】

あて先にはそう書いてあった

【源 修也】
少年の名前である
少年、源 修也はその手紙の封を切り、中身を見る
そこにはこう書かれていた


【『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
その才能を試すことを望むのならば、
己の家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨て、
我らの"箱庭"に来られたし】

読み終えた瞬間、そこには修也の姿は無く、砂漠に残った足跡だけが残っていた

:::

ゴオオオオオオ

耳元で風の音がする

足が地面に付かない

体全体に強い風が当たる

瞼を開ける

目の前に広がった光景

それは

空だった

現在進行形で落下中なのである

すぐ下には湖が広がっている

そこに向かってまっしぐらに、一直線に落ちていた

ドッボーーン

side 修也

「ぷっはあ! なんなんだよ!」

俺は誰に言うでも無く叫ぶ

「ん?」

一人だけ、そう思ってた俺は目の前に髪の短い少女が猫を抱えてこちらに手を差し出していた

「……手、風邪ひいちゃう」

俺はその手をとり、岸へと上がる

「ありがとな、えっと…」

「春日部耀(かすかべ よう)」

「春日部さんか、ありがとう」

よく見ると彼女の服は濡れていた

「ちょっとそこに立って、服を乾かすから」

彼女は疑問符を浮かべながら立ち上がる
俺は彼女の正面に立ち、パチンと指を鳴らす
するとパンッと彼女の服から水滴が飛ぶ

「さっきのお礼」

「ありがとう、あの、あなたのお名前は?」

「ん、自己紹介がまだだったな。俺の名前は源修也(みなもと しゅうや)だ」

「し、信じられないわ! まさか問答無用で引き摺りこんだ挙句、空に放り出すなんて!」

「ん?」

少し離れた所にいかにもお嬢様って感じの人と「俺、問題児です」オーラをだしているヘッドホンを付けた少年がいた

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーコースだぜコレで、誰だよお前ら」

いかにも「俺(以下略)が訊く

「それはこっちの台詞よ。目つきの悪い学生くん?」

お嬢様が目つきの悪い学生くんに言う

「一応確認しとくけど、お前らにもあの変な手紙が?」

目つきの悪い学生くんが訊く

「そうだけど、まずは“オマエ”って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後は気をつけて。それで、そこの猫を抱きかかえている貴女は?」

「……春日部耀。以下同文」

「そう。よろしく春日部さん。それと、貴方は?」

飛鳥が俺に訊いてくる

「俺は源修也、とりあえず挨拶代わりにコレをどうぞ」

パチン

俺は春日部にもやったのと同じように
指を鳴らすと彼女達の服から水滴が飛ぶ

「あら、ありがとう」

久遠は俺に向かって礼を言うと目つきの悪い学生くんの方を見る

「で、野蛮で凶暴そうな貴方は」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜(さかまき いざよい)です。粗野 で凶悪で快楽主義者と三拍子そろったダメ人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢さま」

「取扱説明書をくれたら考えてあげてもいいわ、十六夜君」

飛鳥は十六夜に対して警戒心剥き出しだった

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけ、お嬢さま」

十六夜は警戒される視線を軽く笑いながら受け流す

…ところでさっきから気になっているあの気配は何なのだろうか

「で、呼び出されたはいいけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと、箱庭とかいうものを説明する奴が現れるもんじゃねえのか?」

「そうね」

ブツブツと呟く十六夜と飛鳥

「仕方ねえな。こうなったらそこに隠れている奴にでも聞くか?」

「あら、あなたも気付いてたの」

どうやらこの二人も気付いていたようだ

「当然、かくれんぼじゃ負け無しだぜ。そっちの二人も気付いてんだろ」

十六夜が俺達の方を見ながら言う

「風上に立たれたらイヤでもわかる」

「あれで気配を隠してるつもりだったらかなり笑えるな」

春日部が気づいてたのには驚いた
どうやらここにいる全員が気付いてるみたいだ

「へえ、おもしろいなお前ら。おら、わかってんだろ、おとなしく出て来いよ」

十六夜は振り返りながら言う

「や、やだなあ御四人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ? ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じて ここはひとつ、穏便にお話を聞いていただけたら嬉しいでございますよ?」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「じゃあ俺も」

「あっは、取り付く島もないですね♪」

黒ウサギはバンザーイ、と降参のポーズを取る

にしても、あの目はなんか気にいらねぇ。ありゃ他人を品定めをする目だ。

そんな時、春日部は黒ウサギの隣に立って黒ウサギのウサ耳を根っこから鷲掴みして引っ張った。

「えい」

「うきゃぁ!? ちょ、ちょっとお待ちを! 触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きにかかるとはどういう了見ですか!?」

「好奇心の為せる業」

「自由にも程があります!」

黒ウサギはどうにか耀の手から逃れて彼女の正面に立った

へえ、おもしろいな

「へぇ? このウサ耳って、本物なのか?」

「じゃあ、私も」

俺と同じ考えなのか十六夜と飛鳥が黒ウサギの耳を左右から引っ張る。

「え? ちょ、ちょっとお待ちを!? あ、あ……あ──っ!」

 耳を引っ張られた黒ウサギは悲鳴を上げ、その絶叫は近隣に木霊した 
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