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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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八章 幕間劇
  リアル鬼ごっこ

さてと、今の所気配はなさそうだな。撒いたようだけど、どう来るかな。今の所アレの気配は感じないが、どう来るかな。何しろ匂いだけで、こちらの居場所を特定できるらしい。ここはどう行くか。

「うぁあぁぁぁぁぁぁ」

あ、一人捕まった。こりゃ時間の問題なので、和奏の悲鳴があったから、距離的には近いな。

「うにゃぁぁぁっぁぁぁぁぁ!」

また捕まったか。次は雛が捕まったようだけど。仲間の悲鳴をただ聞く事しか出来ないが、今は考えるのはよそう。ほう、少しずつだが距離が近付いて来ているな。なぜこういう事をしているのかと言うと少し前に遡る。

暇そうな人はいないな。まあ上洛宣言出た後だからか、城内では走り回っていたけど。俺は特にやる事はない。一真隊の事はひよ達に任しているし、黒鮫隊も準備については特にない。

「お、暇な人発見」

何してるかは知らんが、暇そうな人物を発見した俺は話しかける。

「おい犬子、ちょっといいか」

「わふっ!?一真様!?」

「そんなところで何をしている。暇ならちょいと稽古に付き合ってほしいんだが」

「わわわっ!だ、駄目、一真様!そんなに大声を出したら!」

ん?そんなに大きな声を出していないんだが。

「どうしたんだ、そんなに慌てて?」

「だ、だから!しーー、しーー!一真様!そんなに騒いだりしたら二人に見つかって・・・・」

「ふふふ、ざ~んねん。もう手遅れだよぉ」

「み~つ~け~た~ぞ~犬子~」

「わんっ!?」

背後からの気配、これは和奏と雛だな。そこから飛び出してきたけど。

「肉じゃ~若い女の肉じゃ~~!」

「食わせろ~~!その肉をボク達に食わせろ~~!」

「きゃ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!」

飛び出してきた和奏と雛は犬子にのしかかると、犬子の二の腕に齧りついた。

「はむはむはむ・・・・ん~~、犬子のお肉とってもおいしいーよー」

「むぐむぐ・・・・うむ、良い歯ごたえだ」

「二人とも痛い痛い、痛いってば!こら!本気で噛むな~~!」

何か知らんが、二人は犬子を噛みついたりしてた。その内、甘噛みとか言ってやっていたけど、犬子は色っぽい声を出していた。

「いいのかー犬子、そんなやらしー声出しちゃって。一真が見てるぞー」

「わふ!?か、一真様!?」

「おう、何だ犬子?」

「や、やだ見ないで一真様!ふ、二人ともホントにこれ以上は・・・・」

その後、これからが本番だと言った雛に続き、しばらく様子見ていた。色っぽい声が出まくりだった。で。終えた所で、犬子は涙目になってペタンと座り込んでいる。あとどうして二人を止めなかったのかと聞かれたが、対処の仕方が分からなかったと言った。何しているのかも知らんし。

「犬子、とりあえず乱れた着衣を直した方がいいぞ」

「ふぇ?直すって・・・・何のお話?」

「だからそれだよそれ。早くしまってくれないと襲っちゃうかもよ」

「え、え、ええぇぇぇぇぇぇ!?こ、これって!?」

「おお、一瞬で真っ赤になっちまった」

で、何やらやらしーとか俺の目の前であんな格好をとか言ってる内に、犬子は行ってしまった。恐らく恥ずかしさが限界に来たんだろうなーと思った。

「で、お前達は一体何をしていたんだ?こんな忙しい時に」

「一真さん。雛達は遊んでた訳でも悪戯してた訳でもなくて、稽古してたんだよー」

「どこからどう見ても三人でじゃれあっているようにしか見えなかったが・・・・」

それで、説明されたが何でも対鬼戦とした訓練とか言っていたが、あれのどこが訓練何だ?もう少し説明を要求したら、人の肉を食べる鬼の真似事をしてみれば、鬼の行動が読めるのではと。

「それは訓練じゃなくてただの鬼ごっこだろうが」

と一発ハリセンで叩いた。これが訓練だったら、俺はそんな生易しい事はしない。銃を撃ちながら相手を追うとか、見つかったらゴム弾当てるとか。と思ったが、この時代にハンドガンはなかったか。じゃあ俺も混ぜてくれと言って鬼役は誰にする?と言ったらいつの間にか戻ってきた犬子がやると。

「ふ、ふふふふふ、さっきはよくも好き勝手してくれたよねぇ二人とも・・・・」

にっと歯を見せ、雛と和奏に向き直る犬子。明らかにいつもと雰囲気が違うな。さっきやられたからか。

「や、やばい・・・・からかいすぎたか?」

「あ、あのね、犬子?まずは落ち着いて雛たちの話を・・・・」

「和奏、雛ちゃん」

と言ったら二人の身体が跳ねた。今のは勢いある言い方だな。そしたら矛先は俺にも向いた。何でもあんな恥ずかしい思いをしたのだから責任を取れと。

「三十数える間だけ待ってあげる。その間に頑張って逃げてね♪」

とりあえず俺達は走り出した。茂みに隠れるぞと言って隠れたけど。

「あの雰囲気変わりすぎだろう」

「犬子の奴、一度キレると手の付けられない狂犬に化けるんだよ」

「いくら何でも化けすぎだろ、あれは」

「乱れた姿を一真さんに見られたのが、よっぽど恥ずかしかったみたいだねー」

「ちょーっとやりすぎたか」

「そこまで分かってるなら、この先三人がどうなっちゃうかも分かるよね?」

で、逃げようとするが匂いで分かるらしいので、和奏を犠牲にして逃げる俺と雛。後ろから和奏の悲鳴が聞こえたが、知らないとして俺と雛は別れて逃げた。俺は風術で、周辺一帯無臭にして、透明の聖剣発動。こんなので発動するとは思わなかった。まあ、こうなってしまった訳だからな、今はアレ=犬子から逃げているが自信はある。最悪な場合犬子をハリセンで成敗すればいいし。

「どうやら犬子は相当噛み付いているようだ、風が教えてくれてるけど。地の精霊からはどこにいるか教えてくれる」

逃げ始めてから30分以上は経ったのか、未だにに静かだけど。お、あそこに犬子発見。どうやら匂いを追って来たようだけど今の俺は無臭状態。さてとどう退治しますかね?透明の聖剣を解除して犬子の目の前に出た。

「あ、一真様。今までどこにいたのかな?」

「匂いで追ってきた来たみたいだが、そう簡単にいくかよ」

「という訳で、いただきます」

と向かってきたので、一振りした。頭に当たった犬子はそのまま俺に噛みつこうとしたが、回避して叩きまくった。そして今に至る。

「身体中歯型だらけじゃねえか、何で一真は無傷なんだよー」

「そりゃ鬼役の犬子を倒しただけだ、これでな」

「うぅ、頭が痛いよー」

あの後、俺の勝ちになった。でもまたするなら、俺がこれで成敗すると言ったらもうしないと言った。そりゃそうだろう、このハリセンは既に織田家中の者らにとっては畏怖してるからな。 
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