グラールの神機使い
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7-3
「さ、ついたな」
俺がヘリから降りると、口元を抑えたタツミとカノンがフラフラと続く。
「……大丈夫か?」
「へ、ヘリの中であんな臭いのキツい物飲むな……」
「あぁ、切ない香りが……うぅ」
臭いとヘリの揺れで乗り物酔い、ということだろうか? なる程気分は悪そうだ。
「お前らこれから任務だぞ? シャッキリしなきゃ、シャッキリ」
「お前のせいだろ!」
高台から降り、強大な竜巻が支配する世界へ降り立つ。
あれほど巨大な空気圧の塊があるにも関わらす、周囲は異様な静けさを放っていた。
しかし
『ガァァァァ!』
「……うーん、いるな。タツミとカノンは右回りに行ってくれ。俺は左から行く。さ、出撃するぞ」
「了解!」
「わかりました!」
旧型神機使いの場合、接近型と遠距離型がペアを組み、一体となって戦うのが普通だ。
それに対し新型は、接近戦も遠距離戦も1人でこなせるぶん、遊撃が多い。
だいたいの場合、新型神機使いはそれだけで巨大な戦力になる。個体依存性が強い分、旧型は旧型で組み、新型は個人で動くというのは、よくある話だ。
この場合、新型である自分が1人、旧型であるタツミとカノンがペアというのは、最も無難な組み合わせだろう。
簡単に言うと、「強い奴は1人でやれ」という事だ。戦術としては単純だが、そのぶん信憑性は高い。
当然だが完全ではない。個人で戦う新型は、一瞬の気の緩みが命取りにさえなるのだ。近場に自分を助けてくれる仲間はいない。俺はしっかりと気を引き締めた。
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