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ヘタリア大帝国

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TURN130 プリンセスその十

 しかしだ、エイリスはというと。
「あの連中はくそまずいオートミールと乾パンだけだからな」
「ああ、携帯食も凄かったね」
「俺はあんなの出さねえからな」
 間違ってもだというのだ。
「絶対にな」
「だろうね、フランスさんもね」
「少なくともセーシェルにもそんなまずいの食わせてねえだろ」
「ああ、それはないね」
「やっぱりあいつの料理は誰が食ってもまずいんだな」
「正直最悪だね」
 また言うビルメだった。
「どうしようもないね、本当に」
「それで欧州経済圏が出来たらな」
「やっぱりイギリスさんも入るんだろ」
「絶対にな」
 そうなることは自明の理である、エイリスもまた欧州の一国でありレーティアは欧州全土をその経済圏の対象にしているからだ。
 それでだ、エイリスもなのだ。
「入るさ」
「そうなるね、じゃあね」
「あいつのまずい飯か」
「食うことになるよ」
 やはりそうなるというのだ。
「時々でもね」
「覚悟しておきましょう、そのことは」
 フランス妹も今は深刻な顔である、そのうえでの言葉だ。
「私はあちらの妹さんとは懇意ですが」
「そういえば御前等仲いいよな」
「はい、昔から」
「俺達は嫌煙の仲だけれどな」
 兄達の関係はかなり悪い、これも昔からだ。しかし妹達はというと。
「長年いがみ合ってきたのにな」
「お互いに知っていますので」
「だからかよ」
「はい、そうです」
 フランス妹は兄にこう答える。
「お兄様とはそこが違いますね」
「ひょっとして世界ってのは女の子中心の方がいいのかね」 
 ここでこうも思うフランスだった。
「どうなのかね、そこは」
「そのことについては」
 フランス妹は兄に微妙な顔で応えた。
「はっきりとは申し上げられないですね」
「一概には言えねえか?」
「そういうものかと」
 こう兄に話す妹だった。
「どうしても」
「そうか、そういうものなんだな」
「世の中はどちらも存在してこそですね」
「ああ、どっちもいねえと何もならねえな」
 それこそどちらが欠けてもだ、世界は成り立たない。これは自明の理である。
「本当にな」
「ですから」
「言えねえか」
「はい、そうかと」
「それもそうか、女の子中心でもな」
「悪いところもあります」
 フランス妹は女の立場から話す。
「そういうものなので」
「そうだな、じゃあな」
「それではですね」
「ああ、とりあえずコーヒーとクレープの後はな」
 どうするかとだ、フランスは三人に話した。
「進撃準備だな」
「それですね」
「それをしような」
 こう話しそしてだった、彼等は三時の後も仕事をするのだった。
 オフランスへの進撃用意は整っていた、そしてその彼等に対して。
 エイリス軍も続々とオフランスに入っていた、イギリスはその自軍を見つつ自身の妹に対して目を顰めさせて言った。 
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