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ヘタリア大帝国

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TURN130 プリンセスその八

「今度の戦争でな」
「それでは」
「それは止めるさ」
 一国平和主義はというのだ。
「もうな」
「ではこれからのオフランスは」
「総統さんの言う欧州経済圏に入るさ」
 まずはそうするというのだ。
「それで欧州の中のな」
「防衛機構の中にもですね」
「入るからな」
「では集団防衛ですか」
「集団自衛っていうのか?」
 この言葉も出すフランスだった。
「それだな」
「そうですか、それでは」
「ああ、とにかく一国平和主義は終わりだよ」
「放棄ですね」
「王様にもそれを認めてもらうさ」
「祖国殿が仰ってですか」
「そこは俺が絶対に説得する」
 フランスはシャルロットに確かな声で話す。
「任せてくれよ」
「はい、それでは」
「本当にオフランスはこの戦争では散々だったな」
 今度はやれやれといった苦笑いで言うフランスだった。
「滅茶苦茶な金を注ぎ込んだマジノ線は突破されて負けて」
「マダガスカルでも」
「それで俺達は枢軸軍に入る始末だからな」
「いいところがない、ですか」
「そんな感じだよな」
 その苦笑いでの言葉である。
「本当にどうしたものだよ」
「やはりそれは一国平和主義故ですか」
「現実的じゃないからな」
 フランスも負けてわかったことだ、このことは。
「これからは欧州はかなり弱まってな」
「そうしてその中で、ですね」
「ああ、やっていくことになるよ」
「欧州は欧州で」
「そうさ、もう欧州が世界の中心である時代が終わるんだよ」
 フランスにとっては残念なことだ、しかしそれはもう避けられないというのだ。それだけこの戦争で欧州が受けたダメージと太平洋諸国の発展が大きいのだ。
「けれど欧州は続くからな」
「それでめげてはいけませんね」
「何、落ちたらまた上がればいいんだよ」
「前向きですね」
「雨の後は晴れるだろ」
 自分の国の諺である、悪いことの後にはいいことがある。
「どん底から下はないだろ」
「後は上がるだけですね」
「そうだよ、追い抜かされたら追い抜けばいいんだよ」
「それだけですか」
「とはいっても総統さんが中心だけれどな」
 レーティア、ドクツの総統である彼女がだというのだ。
「そこがどうも、だけれどな」
「それでもあの人が応酬を導いてですか」
「絶対に復興させてな」
「発展させてくれますか」
「ドクツを復活させた人だからな」
 一次大戦の後経済も倫理も破綻し絶望の底にあったドクツをだというのだ。
「だからな、欧州だってな」
「必ず、ですね」
「確かに向こうはでかいよ」
 太平洋経済圏、彼等のことである。
「もう嫌になるまでな、けれどな」
「それでもですか」
「あの人がいるからな」
 フランスも認めていた、レーティアの力量は。 
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