ヘタリア大帝国
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TURN130 プリンセスその四
しかしその多難な前途もだ、まずはだった。ハンガリーはそのことについても話した。
「戦争を終わらせないとね」
「エイリスとオフランスはまだですか?」
「ああ、戦うっちゅうとるわ」
ベルギーがリトアニアに話す。
「総統さんの復帰に驚いてるけどな」
「そうですか、やっぱり」
「そや、最後まで戦うってな」
こう言っているというのだ。
「まあオフランスは攻めるつもりはないけどな」
「あそこは相変わらずや」
オランダは憮然とした顔で述べた。
「一国平和主義のままや」
「ほんまあそこは相変わらずやな」
ベルギーもそのことを聞いて呆れる。
「一回やられて懲りへんねんな」
「やるしかない」
オランダはこう結論を出した。
「オフランスもエイリスもな」
「ではだ」
ここでだ、こう言うドイツだった。
「パリだな」
「マジノ線まだあるんだよな」
「あのままな」
ドイツはプロイセンの問いにも答える。
「存在している」
「すげえな、まだあのままあるのかよ」
「もう一度あそこを攻めることになる」
「また潰してやるか、今度は別のやり方でな」
「エイリス軍もいるがな」
それでもだ、彼等は再びマジノ線を突破しようと決意していた。オフランスでの戦いがまたはじまろうとしていた。
そのオフランスに向かわんとする彼等にドロシーが言って来た、その言葉とは。
「ヴァージニアのことだけれど」
「あれか」
平賀が久重の口から応える。
「何かあったのか」
「キングコアは完全に破壊されていたわ」
まずは彼のことから話す。
「けれどもう一人のコアは」
「プリンセスとかいったな」
ヴァージニア内のやり取りは皆聞いていた、平賀もこのことから問うた。
「あの少女だな」
「ええ、キングコアと行動を共にしていた」
彼が人間の時にだ。
「言うならパートナーの」
「その少女の記憶は残っていたのか」
「生きていたわ」
プリンセスは、というのだ。
「身体はあちこち破損しているけれど」
「それでもか」
「ええ、もうすぐその行動を完全に終了させるけれど」
致命傷ではあったというのだ、もう助からないまでの。
「けれどまだね」
「話は聞けるか」
「本人も話したいって言ってるわ」
そのプリンセス自身もだというのだ。
「自分達のことをね、死ぬ前に自分達のことを聞いて欲しいって」
「遺言ね」
スカーレットはドロシーの言葉からこう察した。
「それでなのね」
「多分」
そうだろうとだ、ドロシーも見ていた。
「人は誰かに自分のことを憶えて欲しいものだから」
「無意識にそう思うわね」
「それで」
プリンセスもそう思ってだというのだ。
「私達に」
「わかったわ、ではね」
「是非お聞きしたいと思っています」
ここで帝も言った、日本帝国国家元首即ち太平洋経済圏の盟主である彼女もまた。
「彼女のお話を」
「では」
ドロシーも帝の話を受けてそうしてだった、プリンセスを一同のところに連れて来たのだった。
見れば機械の身体の各部が破損している、右目は吹き飛んでなくなっておりそこから機械が見える。各部がショートしており車椅子の上にいるがそれもやっとという感じだ。誰がどう見ても活動の終了が近いことは明白だ。
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