とある科学の風紀委員
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七月十六日〜なら、強制的に矯正してやろう〜
前書き
どうも、最近白猫と黒猫どちらが可愛いか人類最終試験にぶち当たってる猫猫猫です。
今回はしっかりしっぽりちゃっかりオリ主が活躍します。
後、◇ ◆ ◇ ◆ ◇は場面転換、◆ ◇ ◆ ◇ ◆は過去編スタート、二回目は終了の合図としていきます。
突如の出来事に殆どの人が反応出来ずに硬直する。だが、それは仕方ないことだろう。いつも通りの日常を謳歌していたところを非日常がいきなり襲ったのだから。
さて、一体何故こんなことが起こったのか、少し時間を遡って見てみよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
数十分前ーーー
〈銀行〉
「…………暑い。この暑さはどうにかならないのか…?」
とボヤくのはこのssの主人公にあたる風紀委員、出雲郷楕円。能力は後々公開するとして中々の人格破綻者だ。見た目はまぁイケメンの部類にはいるだろう。ただ、白い。髪も、肌も睫毛も目も唇も何もかも異常なまでに''白い''。
そんな彼が向かっている先はとある銀行。何故かと言うと丁度この日が学校の入金日なのだ。それも合って銀行はとても混んでいた。
(…昨日くればよかったか)
何事も早く済ませた方がいいという言葉は実に的を得ているな、と一つ感慨深く呟く出雲郷は溜息をつく。列に並んで数十分後、ようやく自分に回ってきた。さっさと済ませようと事務の人に要件を伝えようとしたその時
「お前ら手を上げてそこに座れ!!一歩でも動いたら殺すぞ!!」
体を黒い服装に身を包み、口に黒いスカーフを巻いた360度どこからどう見ても強盗でござい、な3人組の内の一人が手に炎を出現させ、銀行内の全ての人を脅した。
この瞬間、出雲郷はちぃ〜さな声で「アイツの不幸が移ったか…」とこの世の真理を悟った様な目をし、深い溜息をつくのであった。
「そこのお前!この鞄に金をありったけ詰め込め!!」
「……俺か?」
強盗'sは、運が無かったとしか言いようが無いだろう。まず彼がいる銀行を襲ったこと。次に彼を指名してしまったことだ。本来面倒くさがりやな彼は余程の事がない限り自ら干渉したりしない。しかし、彼らはその引金を自分自身で引いてしまった。一度撃った弾丸は、元に戻る事は無いのに。
「あぁ、そういえば''腕章''を付けて無かったな。残念ながらその指示に従うことはできない」
「あぁ!?テメェ状況わかって」
「『風紀委員』だ。とっとと馬鹿げた事は辞めて投降しろ。その方がお前たちの為だ」
俺も働かなくて済むしな、と付け加える。
事の重大さに気付いた彼らは当然焦る。当初に定めた状況が悪くなったら直ぐに逃走する、という決め事さえ忘れてリーダーの指示を求めてしまう程に。
「『風紀委員』だと…!?」
「ど、どうする!?」
「お、落ち着け!相手はたった一人だ!一斉に掛かれば問題はねぇ!!」
リーダーの的確な指示に冷静さを取り戻す二人。
そうだ、何をビビってるんだ。相手が風紀委員だからといって必ず能力者な訳じゃない。もし能力者だとしても此方にはLevel3クラスのリーダーがいる。
ニヤリと笑い三人は彼に襲い掛かる。
一人は右手に炎を纏わせて、一人は自慢の拳を振りかぶり、もう一人は拳銃の狙いを定め発砲する。
傍から見たら不可避の攻撃。巻き込まれた人達は次に起こるであろう悲惨な光景を瞼に思い浮かべ硬直する。彼らは勝利を確信し笑みを浮かべた…その瞬間、襲われている白い少年の右腕が宙をきる。
それだけ。たったそれだけの行動で''彼ら''の''時間''が止まった。それは瞬く程の時であったが、その一瞬の間だけで世界は変化を生じさせる。
気付いたら、彼らは音速並みの速度で吹き飛ばされていた。爆発したと錯覚させる程の爆音と共に。
ズガァァァァァァアアアン!!!!
そんな爆音が響いた音に被せて
「…全く、喧嘩を売るなら相手を選べ。余計な手間をかけさせないで欲しいのだが」
その声と共に、彼らは意識を手放した。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「「……あ〜」」
先程の言葉を発した白すぎる少年の姿を確認した二人の風紀委員から同情の声が漏れる。その様子にもう一人の少女は疑問の声を上げた。
「一体何が起こったのか、黒子わかるの?」
「…恐らく、出雲郷先輩がやったものかと思いますわ」
「……出雲郷?それってあの風紀委員のLevel5、出雲郷楕円!?」
「そうみたいですね〜」
出雲郷という言葉に聞き覚えがあったのか、少女は驚きの声を上げる。それは自分以外のLevel5の面々に、あまり会ったことがないからだ。この現象を起こしたであろう少年に興味を含んだ目を向ける。
(こ、こいつがあの出雲郷?)
曰く、一度狙われたら半殺しにされるまで狙われ続ける。
曰く、反撃しようものなら10倍以上で返される。
曰く、どんな攻撃も意味をなさない。
曰く、曰く、曰く………
このような噂が立つほどの人なのだから、相当ゴツいイメージがあったのだろう。しかし、実際に会ってみるとどうだ?全くそんな事は無い。
(なんてゆーか…白いわね。これ地毛かしら?とゆうか、本当にこれ男…?)
そう、なんととても綺麗なのだ。パッチリとした目、きめ細やかな肌、長い睫毛。女の子でさえ羨ましいと感じてしまう程に彼は綺麗だった。
「こんにちわですの、出雲郷先輩」
「こんにちわです!」
「ん?ああ、黒子に初春か。御苦労だな。で、其方の女性は誰だ?」
「はい、この方は出雲郷先輩と同じくLevel5、常盤台のエース『御坂美琴』お姉様ですの!」
「ほう、君があの『超電磁砲』か…。噂はかねがね聞いているよ。黒子が世話になっているみたいだな、よろしく頼む」
「い、いえいえ!こちらこそよろしくお願いします、出雲郷さん」
「固い表現はしなくていい。普通に接してくれ」
「そ、そう?よかった、私も固いのは苦手なのよね。改めてよろしく、出雲郷さん」
「此方こそ、御坂さん」
和やかな雰囲気が彼らを包む。どうやらいい人みたいだ、と御坂はホッとする。
「そうえば、出雲郷さんの能力って何なの?」
「確かに、気になりますわね」
「私も知らないです〜」
三人の無邪気な質問に苦笑いし、''何かサプライズ''を思いついたように笑みを浮かべる出雲郷。
「なら、ためしてみるか?」
「「「?」」」
「俺と勝負して、君達が勝てたら俺の能力を教える。俺が勝ったら…そうだな、御坂さんに一日風紀委員体験をしてもらおうか」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
〈河原〉
彼女達の返答は勿論イエス。
ただ彼はLevel5なので、此方側も同じくLevel5の御坂美琴が三人の代表として戦うことになった。
「さて、ルールを確認しておこう。どちらかが相手の攻撃によって倒れた場合、若しくは何らかの理由で能力が使用できなくなった場合のみこの戦い(ゲーム)は終了する。君が勝てば俺の能力を教える。俺が勝てば君が一日風紀委員になる。なにか異論は?」
「無いわね」
両方が壮絶な笑みを浮かべる。
Level5はその強大な力故、全力を出せる機会がとても少ない。もし全力を出そうモノなら死人が出かねない。なのでとてもストレスが溜まるのだ。だが、今はその誓約に邪魔するものはいない。
「お二人とも、準備はよろしいですか?では……始め!」
黒子の試合の合図により、Level5(化物)同士の戦いが始まる。
後書き
あれ?オリ主すげーマトモにじゃね…?と思う方もいるに違いないので一言。
大丈夫、彼の人格破綻は他の奴らとベクトルが違うのです!なので安心して下さい!
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