いつか必ず、かめはめ波を撃つことを夢見て
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第07話 放浪!聖地カリンを求めて
ナシゴは10年の月日を経て、とうとう不老の能力を手に入れた。不死鳥を観察し始めた頃は、こんなことをせずに “かめはめ波”を撃つための修行に力を入れたほうが良いのではないかと考えた。しかし、目標を一つ決めてしまうと達成するまでは決して諦めないナシゴの性格が作用して、10年の月日が掛かってしまったが不老を手に入れるという目標を達成することを優先した。
もう一つの理由として、ドラゴンボールという世界に来たのに何も成さないで死んでいく事が怖いという理由があった。折角ドラゴンボールの世界に生きているのに、亀仙人や悟空、クリリン、ピッコロ、ヤムチャ、ベジータなどなど主要キャラとの交流なくして死ぬなんて、もったいないとさえ思った。一度は彼らと手合わせをしてみたいと、ナシゴはそう思った。
不死鳥の涙を求めて10年と言っても、ずっと山に篭っていたわけではなく、1年に1回は実家へと帰ったし、占いババの両親との交流も何度かあった。
そして、不死鳥の観察を進めている間も出来る限りの修行を進めていた。この10年で、ナシゴは体内エネルギーを操る方法を見出していた。体内エネルギーを片手に集めて岩を殴れば、普通に殴る以上に岩を粉々にするようなパワーを実現することが出来るようになっていた。気を一点に集中する方法を見つけていたのだ。
また、腕だけでなく足や、頭、身体の思うところにも体内エネルギーである気を回すように出来るようになっていた。気を回すスピードも戦闘に使えるぐらいの物に出来ているので、この修業の成果を対人戦で試してみるのが楽しみであるナシゴであった。
ナシゴは、10年もの間お世話になった山に感謝の礼をすると、すぐに実家へと戻った。実家へ戻ったナシゴは、以後実家で過ごすと両親に伝えると、とても喜ぶ両親に迎えいれられた。
田中竜二としての前世では、修行ばかりを優先していたせいで両親の亡くなる瞬間を立ち会えなかった。その事がずっと後悔として残っていたナシゴ。今度は、親のそばに一緒に居てあげたいと考えたナシゴだった。
そして、両親の畑の管理を引き継いだ。ナシゴは、両親が亡くなるその日まで実家で畑を耕し、一緒に付き添うことにした。
修行に関しては、家の近くの一番有名な道場を訪ねてみたが、お世辞にも上手いとは言えないレベルの道場長が取り仕切っている道場で、弟子のレベルも酷いものだったので、ナシゴは一人で修行を進めることにした。
エイジ295年ナシゴの父親が亡くなり、その翌年には母親も後を追うように亡くなった。2回目の両親の死に、ナシゴは涙したが、それを引きずらずにすぐに旅の準備を始めた。管理していた畑を手放し、両親の家も他人に売ってしまった。必要な物だけを荷物に入れて、目指すはカリン塔。
不老の能力を手に入れて、無限に修行する事が出来るようになってはいたが、独学で修行するには限界を感じていたナシゴ。特に気の使い方については、これ以上自分で探るのは遠回りになると考えた。ここで再び、エイジ296年でも生きていいる原作キャラに師事することを考えた。そこで第一候補に上がったのがカリン様だった。
そのためにカリン塔へと目指す事にした。しかし、カリン塔がどこにあるのかが見当もつかないのだ。
分からない事は、まず占いババ様に聞いてみよう! ということで、占いババの館を訪ねて見たが。
「わからん、本当にカリン塔というものはあるのかのう?」
何故かカリン塔の場所は占いババ様にはわからなかった。
以前、占いババの館を探す間、同時並行でカリン塔を探したのだが、カリン塔、聖地カリンという場所の噂は一つも手に入れることができなかった。天まで伸びる塔、カリン塔。かなり目立つ物だが、噂一つ流れていないことには少しの違和感があった。つまり、人が踏み入らないような未開の地にあるのだということかとナシゴは推理する。
ここでナシゴは、人づてに探すのではなく、人が寄り付かない場所を探すようにした。中には原作に出てきたようなユンザビット高地にも訪れた。後に神様になる、カタッツの子が乗ってきた宇宙船を探しても見たが、残念ながら見つからなかった。
そんな風に、世界を回るナシゴだったが、西の大陸。人が寄り付かない魔境と呼ばれる場所を訪れた時に、やっとの思いで天まで伸びる塔のようなものを発見。エイジ301年になった頃だった。
「やっと、やっと見つけたぞ」
森の木の間から見える空、その空に不自然な線が一本。多分あれがカリン塔なのだろう。森のなかを、見える一本のカリン塔と思われる塔を目指して歩く。歩く。歩く。
やっとの思いで、塔の一番下の根本まで来たナシゴだったが、そこである人間と出会う。
「待て、貴様何者だ?」
テントが一つ。そのテントの近くに一人、こちらに向かって警戒をする人間。名をアパと言う。
後書き
14/03/03) 文章修正 検討もつかない→見当もつかない
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