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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS戦術解説
  艦隊遭遇戦➂


——ミノフスキー粒子の出現と艦隊戦の消滅——

 宇宙という新たな戦場と電子技術の急速な発展、大出力ビーム兵器の登場などにより、連邦軍は宇宙艦隊戦を前提に宇宙軍の編制を進めていた。

 しかし、ミノフスキー粒子とMSの戦力化は大鑑巨砲主義、ひいては艦隊決戦主義を一挙に空論としてしまった。

 また、艦艇にのみ搭載可能とされていたメガ粒子砲も、一年戦争の時点でMSに転用されたほか、大型兵器プラットホームとしての価値もMAの出現により低下せざるを得なかった。この結果、艦艇はMS空母として性格を強め、艦砲射撃もMSの援護や対艦、対拠点用として用いられることが増えていった。



——宇宙世紀の艦隊戦——

 MSの戦力化により艦隊による戦いは激減したが、MSを是ネイとして後方から艦艇が砲撃を行うと言った戦術が考案されている。この戦術は、宇宙要塞や巨大軍事施設を巡る戦いで用いられるケースが多く、防御側の艦艇は浮き砲台兼MSの出撃拠点として使用されるが、艦艇の持つ機動性を生かしきれない場合もある。


■U.C.0079,01,15 ルウム戦役

 宇宙世紀最大の艦隊戦で、両軍合わせて350隻近い戦闘艦艇が参加したと言われる。ジオン公国軍のMS投入直前までは艦隊対艦隊の艦砲射撃が行われていた。しかし、ミノフスキー粒子のため、連邦艦隊は本来の能力を発揮しなかった。


■U.C.0079,12,24 ソロモン攻防戦

 連邦軍艦隊と、ジオン公国軍宇宙要塞ソロモン及び宇宙攻撃軍艦隊との艦隊戦。ミサイルが主に使用された。ビーム撹乱膜の散布により、ミサイルが主に使用された。


■U.C.0079,12,31 ア・バオア・クー攻防戦

 宇宙要塞ア・バオア・クーを巡る連邦軍とジオン公国軍の戦い。連邦艦隊はMSを前衛として要塞に接近したため、艦隊同士が近距離で交戦した。


■U.C.0088,02,02 メールシュトローム作戦

 グリプス2を巡るエゥーゴとアクシズの艦隊戦。エゥーゴはグリプス2を包囲する艦れを形成し、アクシズからグリプス2を奪取している。


■U.C.0088,02,22 三つ巴の艦隊戦

 エゥーゴ、ティターンズ、アクシズの三艦隊による艦隊戦。コロニー・レーザーが使用されたため、ティターンズ艦艇の大半が撃沈した。


■U.C.0088,12,25~ ネオ・ジオン内戦

 ハマーンはとグレミー派によるネオ・ジオン内部の紛争。ジオン系組織では珍しく、同型艦同士の砲撃戦が行われている。


■U.C.0153,04,27 カイラス・ギリー攻防戦

 カイラス・ギリーの奪取を目指すリガ・ミリティア艦隊と、ベスパのカイラス・ギリー艦隊による戦い。最終的には両軍兵士による白兵戦が展開された。


■U.C.0153,06,23 エンジェル・ハイロゥ攻防戦

 巨大リングサイコミュ、エンジェル・ハイロゥを巡る戦い。リガ・ミリティアは、主要艦艇を失いながらもモトラッド艦隊の撃破に成功した。





補足事項

——大鑑巨砲主義の衰退——

 一週間戦争とルウム戦役での惨敗という事実があっても、連邦軍首脳部の一部勢力は大鑑巨砲主義に拘泥していた。この傾向はU.C.0080年代前半頃までみられ、MS運用能力を持たないバーミンガム級などの艦艇も建造されていた。

 しかし、一年戦争の戦訓はMSの絶対的な優位を示しており、宇宙世紀に復活したはずの大鑑巨砲主義と艦隊決戦主義はグリプス戦役期荷は消え去っていた。

 一年戦争以後もグワジン級やマゼラン級に相当する巨大艦艇は建造されているが、これは火力よりもMS運用能力の強化を目的としており、大鑑巨砲主義とは相容れないものであった。



——艦隊の進化と新たな艦隊戦——

 MSに対して絶対的な不利を強いられていた艦艇だが、ビーム・シールドをはじめとした新技術が投入されたことで、攻防力を著しく向上させることに成功した。

 この結果、後方からの援護射撃が主な役目だった艦艇は、MS級のレンジ、場合によってはMSの格闘戦に相当する「衝角(ラム)戦」までを行うようになった。


■防御力の上昇

 U.C.0150年代には艦首ビーム・シールドが標準装備となり、砲撃戦における生存性の向上に貢献した。また、アドラステア級戦艦の様に全方向防御網を形成した艦もおり、ビーム・ライフルでの撃破は難しかった。


■近距離戦における装備

 ビーム・シールドの標準装備は防御力の向上と共に、交戦距離も短くした。このため大鑑戦を意識した近距離専用の装備を持つ艦艇を出現しており、モトラッド艦のラッド(タイヤ)も近距離での戦闘で使用されている。

 
 

 
後書き
次回 ゲリラ戦➀ 
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