関門トンネル
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1943年になりました
年が明けて新型の潜水艦の配備は15隻を超えた。
毎週1隻建造を合い言葉に、未来の工場から送られてくるコンテナ
(9m2m2m)の部材を中国帰りの若い工員が呉と水島のドッグ
で組み立てていた。
当時の100m程度の耐圧深度に対し、そうりゅう型潜水艦は安
全深度250mと海中20ノットの高性能を実現したものだったの
で、北は千島列島から東はミッドウェー島、南はオーストリアまで
を守備範囲にし北海道と沖縄、マーシャル諸島を拠点に通商破壊活
動をしている。
サイパンや硫黄島などは光ケーブルと送電線と通信線を同時に建造
された施設船で埋設されていく。
連絡無線は全てデジタル化されたので、盗聴は不可能と成った。
国後島歯舞島色丹島等は北海道との海峡深度が20m以下なので埋
め立て地続きにするとともに地下50mにも鉄道をシールド工法で
埋設して、島の地上部分には線路を出さずに操作用の小さな建物を
建造し、油圧で100m四方が一度に浮き上がり戦力の即時展開が
容易にできる設計を元に各島で工事が始まった。
樺太島のソ連との境界にはショベルカーを使い50m幅の東西海岸
貫通の平野部を造成し、鉄条網を施設するとともに、対戦車地雷を
埋設した。
削った山土を積み上げ高さ10m幅8mのコンクリート製の階段
を30段積み上げる準備を始めた。
飛行機は無防備の零戦から、F8Fを参考に防弾性能を重視し誘導ミ
サイルや20mm機関砲を装備し、炭素繊維を多用した高性能ブロ
ックパーツが未来日本から続々と広島に届けられ、組み立て配置さ
れていった。
また国内防衛用にジェット戦闘機も本田ジェットを参考とした機
体を試作することが決まった。
新型潜水艦のホーミング魚雷や磁気魚雷などの未来魚雷は深海から
直接空母や敵潜水艦を撃沈できるので、アメリカの艦艇は日本本土
から3000km以内の近海航行は困難な状態になっていった。
種子島の宇宙開発基地建設が1月から始められ資材運搬用の港湾も
3月を目処に工事が進められた。
静止気象衛星ひまわりと監視衛星を2ヶ月に一機打ち上げを目標
に資材発送の準備が進められた。
国内では電力不足を解消するために、LED電球への交換と重力式
の揚水発電所の建設が進められている。
地熱発電所は重点的に建設が進められ、発電所本体は地中に設置
して発電所から100m以上離れた所にビニールハウスや温水プー
ルや浴場を建設していく。
国内は地下鉄工事と飛行場建設と地下工場建設、地下街建設で工員
が足りない状況です。
朝鮮半島も満州を併合するなら高句麗と同じくらい大きな面積とな
るので、独立派に済州島を無人にして割譲できないか交渉している
今年中には結果が欲しいものである。
いつまでこのトンネルが使えるかわからないので、昭和の工員に
工作機械や半導体工場の仕組みを教育して未来の技術者は5月末ま
でに戻るつもりである。
昭和への移住希望者がいるようであればと秘密のうちに身元を確か
めた上で希望者を募っていたが、失業者や高齢者を中心に150万
人が応じている。
南方や樺太に空き地は多いので仕事には困らないだろう。
6月11日8時に下り貨物列車が下関を出発した。
未来の門司には3,614mを時速50kmで運転すれば5分で着
くはずだが9時になっても到着することは無かった。
過去日本への1年限りの夢だったのだろう。
アメリカ等と講和できたのかはこちらでは全く不明だが幸多かれと
祈っている。
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