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ヘタリア大帝国

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TURN128 ヒムラーの誤算その八

「だからいくよ」
「では今より機械の兵達をですね」
「法皇の前に集めて」
「主だった連中だけでいいよ」
 機械の兵達にだというのだ。
「連中は一人の考えが全体に伝わるからね」
「そして情報を共有し学習していく」
「そのうえで強くなっていく」
「そうした連中だからですね」
「主だった者を集めて」
「うん、俺がその脳味噌まで完全にコントロールするよ」
 ヒムラーの手駒にするというのだ、完全に。
「じゃあいいね」
「では今より」
「主だった者を」
「ええと、イレブンナインに後は」
「二人程いますが」
「その二人もですね」
「うん、それと艦隊司令クラスもね」
 彼等も呼べというのだ。
「ではいいね」
「トルーマンにマッキンリーねえ」
 その中の二人の名前をだ、ヒムラーは出した。
「生前はカルト教団の教祖、それに連続食人殺人鬼だね」
「ドクツならば即座に処刑ですね」
「とんでもない連中ですね」
「全くだよ、ガメリカはどうしてすぐに処刑しなかったのかな」 
 それが全く以てわからないとだ、ヒムラーは肩を竦めさせて言った。
「まあだから俺のところに脳が来たんだけれどね」
「そして犯罪者達の脳を集めて」
「そして造った者達です」
 それが機械の兵達だというのだ。
「思えば合理的ですね」
「犯罪者の再利用ですね」
「そうだね、死刑にして終わりというのも無駄だね」
 ヒムラーもこうした考えを持っていた、犯罪者を刑務所に入れたままではただ無駄飯を食わせるだけだから死刑にしてその脳を使ったのである。
 そしてその彼等をだ、自分の前に集めさせたのだった。
 白銀の不気味な笑顔の機械の顔だった、ボディも黄金だ。しかも服は白い。何処か王者のものを思わせる。
 その左右には黄金の髭を生やした機械の顔に緑の何かを喰らう様な身体の者達もいた、その後ろには無機質なシルバーの機械の身体が並んでいる。
 その彼等を前にしてだ、ヒムラーは側近達に問うた。
「そういえば少女のボディがあったね」
「機械のでしたね」
「この笑ってるのについて刑務所に入っていた」
「共犯の少女の脳を入れた」
「あの娘は何処に行ったんだい?」
「それがわからないのです」
 側近はこう答える。
「ベルリンの何処かにいると思いますが」
「逃げたかな」
「どうやら」
 ヒムラーがベルリンに戻ったそのどさくさにだというのだ。
「しかし逃亡したのはその一体だけです」
「他のものは全て艦隊に入れていますので」
「ではいいね」
「はい、今は探している余裕もありませんし」
「それでは」
「はじめるよ」
 ヒムラーは側近達に応えながらだった、そのうえで。
 手袋を脱ぎ左手の青い石を機械達に見せた、それからこう彼等に告げた。
「御前達はこれから俺の言葉に従って戦うんだ、いいね」
「・・・・・・・・・」
「では今から各艦隊に戻る、そして敵を迎え撃つんだ」
「はあ!?」
 だが、だった。ここで。
 その笑った顔の機械が言ってきた、何を言っているんだという口調で。 
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