ヘタリア大帝国
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TURN128 ヒムラーの誤算その二
「それ一体」
「ああ、それはな」
「もうお話してもいいですね」
「あっ、待ってね」
だがここでエルザが出て来た、そしてだった。
セーラと二人の間に入ってだ、こう言ったのである。
「とりあえずお話はあの娘のことね」
「レーティア=アドルフのことですね」
「そう、あの総統さんが生きていることは私も考えていなかったわ」
それは全くだった、エルザもまた。
「けれど生きていてドクツに戻って来たわ」
「そしてドクツが枢軸に戻りました」
「状況はかなりまずいわ、けれどね」
「諦めることはなりませんね」
「セーラちゃんはそう考えているわね」
「勿論です、エイリス以外に世界を導ける国はありません」
毅然としてだ、セーラは母の問いに答えた。
「太平洋諸国にもドクツにもソビエトにも」
「それは無理っていうのね」
「ですから」
何としてもだというのだ。
「戦いそして」
「勝つっていうのね」
「そうします、最後に勝つのは私達です」
この劣勢でもセーラはセーラだった、誇りと戦意を失っていない。
それでだ、こうエルザに言うのだ。
「正々堂々と戦い、そして」
「わかったわ、それじゃあ今はね」
「どうされればいいというのですか?」
「オフランス軍は頼りにならないけれどね」
それでもだというのだ、エルザもオフランスのことは諦めていた。
だがそれでもだ、オフランスを失うことの重大さはわかっているので言うのだ。
「パリまで陥落したら本当にロンドンまで来るから」
「彼等と協同してですね」
「そう、オフランスで戦うわよ」
あの国でだというのだ。
「そうしましょう」
「では今からオフランスに入り」
「そうしましょう、私も行くわ」
そのオフランスにだというのだ。
「そこで戦いましょう」
「では私も」
ロレンスも名乗りを挙げる、最早エイリス唯一の騎士提督となった彼も。
「ご同行させて下さい」
「俺もな」
「私もです」
イギリス兄妹も言う、彼等はというと。
「総力戦でいこうな」
「何があろうとも」
こう話してそしてだった、彼等は。
オフランスに向かうことにした、そしてその際に。
セーラは今度は自分からルイ八十一世の前に赴いた、王がいるベルサイユ宮殿において強い声で言うのだった。
「我々も最後まで戦いますので」
「は、はい」
恐縮しながらだ、ルイ八十一世はセーラに応える。セーラの前にはエイリスの国家と要人達がいるが彼の後ろには誰もいない。その差もあった。
「我々もですね」
「お願いします、マジノ線もありますね」
「修復はしました」
「あの線に位置してです」
そしてだというのだ。
「戦いましょう」
「そういえばドクツの兵器ですが」
「潜水艦ですね」
「あれや空母は」
「心配ありません、こちらも対する兵器はあります」
「そうですか」
「そして数もあります」
エイリス軍にはそれもあるというのだ。
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