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ヘタリア大帝国

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TURN127 アルプス要塞その一

               TURN127  アルプス要塞
 枢軸軍はいよいよだった、ドクツ軍が立て篭るアルプス要塞に向かおうとしていた。だがこの要塞こそはだった。
「まさに難攻不落です」
「この戦力で攻撃を仕掛けてもか」
「攻略出来るかどうか」
 秋山は険しい顔で東郷にこう話した。
「確実とは言えません」
「そうか」
「攻略できる可能性は四十パーセントです」
 今の枢軸軍の主力を全て投入してもだというのだ。
「全戦力の殆どを向けると確実ですが」
「損害は馬鹿にならないな」
「ドクツ軍は後方に予備戦力があります」
 まだ、だ。それがあるからだというのだ。
「その予備戦力、具体的にはどんなものかまだ不明ですが」
「それが来てだな」
「負けはせずとも」
「戦線は膠着状態になるな」
「そこでエイリス軍が来れば」
 ドクツの同盟国である彼等がだというのだ。
「敗れる可能性もあるな」
「はい、そうした意味でもアルプスはです」
「下手に攻められないな」
「正念場かと」
 そのアルプス攻略もだというのだ。
「ドクツ軍の新型兵器に精鋭艦隊、堅固な防衛ライン、大怪獣と」
「揃っているしな」
「兵器で気になるものは」
 それはというと。
「ドーラ砲と艦載機でしょうか」
「その艦載機だが」 
 ここでレーティアが言って来た。
「私も設計図は描いていたがな」
「あの円盤だな」
「そうだ、あれはまさに秘密兵器だった」
 こう自身の祖国にも話す。
「空母の艦載機としてな」
「しかしよ、あれは切り札でな」 
 プロイセンもここで話す。
「そうそう多くは開発出来ない筈だろ、数は」
「その通りだ、配備しているとしてもな」
「確認出来たのは数機だ」
「多くて十機です」
 諜報部の明石とゾルゲが影の様に出て来て報告する。
「それだけの数しか確認出来ていない」
「おそらくそれ以上はいません」
「そうだろうな」
 レーティアも二人の話を聞いてそれで納得した。
「あれだけの兵器の開発はな」
「困難だからな」
「数ある筈はねえよな」
「しかし動けば誰にも止められない」
 レーティアはドイツとプロイセンに応える形で言い切った。
「あれはまさに光だ、光の動きは止められない」
「一旦動けばな」
「それであとは攻撃されるだけだよな」
「普通の艦載機では捕捉出来ない」
 同じ艦載機でもだというのだ。
「絶対にな」
「第八世代の艦載機でもですね」
「あれはそれどころではない」
 切り札と言うだけはあるというのだ、開発者自身が。
「何世代、いや十世代は上の兵器だ」
「逆に言えばどうやったらそんなのが開発出来たんだよ」
 フランスはその話を聞いて唖然となってこう言った。
「十世代も先の兵器なんてな」
「私も閃いた、稀にある閃きだった」
 人類の歴史においても最高の天才とさえ言われるレーティアでさえ、というのだ。
「その結果だ」
「出来たものかよ」
「そうだ、それだけにだ」
「とんでもねえ兵器なんだな」
「あれはな、そしてドーラ砲だが」
 今度はこの兵器の話になる。
「あれもだ」
「移動力はあまりないのよ」
 グレシアもここで一同に話した。 
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