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問題児たちが異世界から来るそうですよ?~無敵の転生者~

作者:rocky
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時雨、問題児達と出会う。

さて、神の元から無事転生した時雨とヒョウ。
1人と1匹+αは今…
上空4000mから大絶賛スカイダイビング中でっす!

「いや~命綱無しのスカイダイビングは楽しいな!ワクワクする!」

『マスター!風がッ!風がッ!』

「んだと!?風ェ!表にでろや!」

『…いえ、それは無理じゃないかと…』

そんなことを言っている間にも高度はぐんぐん下がっていく。

「おっ!水に落ちるぞヒョウ!」

『…え?』

スタッ ポチャン
ちなみに前者が時雨。後者が+αの人たちだ。

『ちょっとマスター!私の覚悟をまるで塵を箒で掃くように掃き捨てないでくださいよ!』

「にゃはは、悪いな。ヒョウを濡らすわけ無いだろ?」

『…うっ、まあ…そう、ですね』

仲良く時雨とヒョウが言い合いしていると、+αの中の1人が声を荒げる。

「し、信じられないわ!まさか問答無用で引き摺り込んだ挙句、空に放り出すなんて!」

「右に同じだクソッタレ。場合によっちゃその場でゲームオーバーだぜコレ。石の中に呼び出されたほうがまだ親切だ」

「……。いえ、石の中に呼び出されては動けないでしょう?」

「俺は問題ない」

「そう、身勝手ね」

まあ、此処は何処?とかいう記憶喪失みたいな発言はスルーしましょう。

「まず間違いないだろうけど、一応確認しとくぞ。もしかしてお前達にも変な手紙が?」

「そうだけど、まずはお前って呼び方を訂正して。私は久遠飛鳥よ。以後気をつけて。それで、そこの猫を抱えてる貴女は?」

「春日部耀。以下同文」

皆さんプライドが高いこって。

「そう、よろしく春日部さん。そこの野蛮で凶暴そうな貴方は?」

「高圧的な自己紹介をありがとよ。見たまんま野蛮で凶暴な逆廻十六夜です。粗野で凶暴で快楽主義と三拍子そろった駄目人間なので、用法と用量を守った上で適切な態度で接してくれお嬢様」

「そう、取扱説明書をくれたら考えてあげるわ、十六夜君」

「ハハ、マジかよ。今度作っとくから覚悟しとけお嬢様」

「それで、そこのウサギを頭に乗っけた貴方は?」

「スー…スー…」

「「寝るなっ!!」」

「はっ…何か用か?」

寝ていたのでよく状況がつかめていない時雨。
自己紹介の最中に時雨が寝ていたことで少し怒っている飛鳥。
面白そうにケラケラと笑っている十六夜。
無関心を貫いている耀。

「…俺の名前?天月時雨だ。こいつは天月ヒョウ。よろしくな3人とも」

頭の上に乗っているヒョウを撫でながら言う。

「そう、よろしく時雨君」

そんな中、十六夜が苛立たしげに、

「で、呼び出されたは良いけどなんで誰もいねえんだよ。この状況だと招待状に書かれていた箱庭とかいうのを説明する人間があらわれるもんじゃねえのか?」

と呟く。

「そうね、なんの説明もないままでは動きようが無いもの」

「………。この状況に対して落ち着き過ぎているのもどうかと思うけど」

「なら、あそこに隠れてる人物に聞けばいいじゃねえか。回りくどい」

時雨がそういうと、茂みに隠れてる人物はビクッと身体を震わせる。
そして、十六夜、飛鳥、耀ににらまれて飛び出てくる人物。

「や、やだなあ御3人様。そんな狼みたいに怖い顔で見られると黒ウサギは死んじゃいますよ?ええ、ええ、古来より孤独と狼はウサギの天敵でございます。そんな黒ウサギの脆弱な心臓に免じてここは一つ穏便に御話を聞いていただけたら嬉しいでございますよ?」

「断る」

「却下」

「お断りします」

「まず死ね。それからなら考えなくもない」

「あっは、取り付くシマも無いですね♪って最後のは酷くないですか!?」

黒ウサギはおどけながらも4人にどう接するべきか冷静に考えをめぐらせているーと、春日部耀が不思議そうに黒ウサギの斜め後ろに立ち、黒ウサギのウサ耳を根っこからわしづかみ、

「えい」

「フギャ!」

力いっぱい引っ張った。

「ちょ、ちょっとお待ちを!触るまでなら黙って受け入れますが、まさか初対面で遠慮無用に黒ウサギの素敵耳を引き抜きに掛かるとは、どういう了見ですか!?」

「好奇心のなせる業」

「自由にも程があります!」

「へえ?このウサ耳って本物なのか?」

「あら、ためしがいがありそうね」

十六夜、飛鳥が不敵に笑い…

「む、ヒョウのほうが気持ちいいと思うんだがな」

ちょっと思考回路がずれていると思う。
そんな時雨はどこからか取り出した櫛でヒョウをブラッシングしている。

『はふう…気持ちいいです…』

「私も触っていい?」

「ん?別にいいぞ?」

「あ…本当だ。黒ウサギなんか比べ物にならないくらい」

「だろ?3年間欠かさずやってきた結果だ」

そんなことを話している時、黒ウサギの声にならない絶叫が森に響きましたとさ。 
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