鉄槌と清風
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59部分:58:集う人々
58:集う人々
セプト…北風のセプテントリオン、良彦というか【風王】の融合騎…が来て暫く、捕らえた3人は未だに雑談以外には応じない。
ルーテシアとセインは、心理ブロックがかかっていると言う可能性もあるが、今のところ実際には不明だ。
アギトは何度か口を滑らせそうになる所から、そういう心配は無いだろう。
それと隊長陣には、アギトが融合騎だという事、古代ベルカの真正のそれだと言う可能性もあることを教えた。
そちらは様子見という結果になった、その際セプトもアギトの事は、本物ならシグナムがロードのはずだとシグナムだけに教えたようだ。
で、新暦75年9月5日…8月には六課で誰が一番強いのかとか、バックヤードスタッフや整備班、新人達で騒いで居たりしたり、ガジェットの改造型が出たりしたが概ね無事だった。
その日、六課は本局と陸士108部隊からの出向員を迎え入れる、本局第四技術部のマリエル・アテンザ…なのは、フェイトのデバイス達を改造してくれた人だ。
陸士108部隊からはギンガ・ナカジマ陸曹、捜査官でもあり、これまでも捜査協力してくれていた、基本新人フォワードと組む事になるだろう。
二人が来た時丁度新人の訓練が一段落ついた時で、マリエルがヴィヴィオをなのはとフェイトの子供?!と勘違いしたりしたが、その勘違いも何とか解けた。
で、ふたりともに面識のある良彦が、手を上げながら。
「マリーさんもギンガも久しぶりだな」
「えぇ、良彦君とは中々会えなくて…所で、そっちの肩の上の子は」
「ん、我か、我はセプテントリオン、ロード良彦の融合騎だ」
「よ、良彦君いつの間に、こんな子を、是非一度検査を!!」
「反応がシャーリーと一緒何だけど、マリーさん」
苦笑する良彦、他新人やなのは、フェイト、ギンガ。
「ダメですよマリーさん、本人の承諾を取らないと」
「あ、うんそうね…セプテントリオンさん、どうかな?」
「まぁ永く眠っていたゆえ、何度も検査を受けるのは構わぬが…それと長くて呼びづらかろう、セプトで良い」
既にシャーリーから数度検査をうけていたセプトも苦笑しつつそう言ってくれる…元は学術研究国家で作られたからか、検査などに忌避感はないようだ。
「所で、二人ともどうしたんだ?」
「あ、そうだった、あのね…相手が相手だからそっち関係の協力と、デバイス整備も手伝おうと思ってね」
「私は、本格的な捜査協力と戦力補強のためにはやて部隊長が」
「なるほど、んじゃ、これからよろしくな」
「うむ、我もよろしく頼む」
他の皆も挨拶…スバルはギンガに飛びついていたが…して、一段落。
その後、セプトを検査したマリーはシャーリーと色々と話しをして、ツヴァイ改造とか言い出しそうになっていたらしい。
そんなこんなで3日後、9月8日…この日は新人達の模擬戦だったのだが、厄日でもあったようだ。
海上訓練スペースで整列している新人一同。
その前に歩き出すのは、紫の髪をポニーテイルにした女性…シグナム。
「さて、今日は私がお前たちの模擬戦の相手になろう…が、私一人では心もとないとおもってな、友人に応援を頼んだ」
その言葉に、新人一同+1…ギンガも一緒だからだ…はきょとんとする、シグナムの後には、見慣れた隊長、副隊長…良彦、なのは、フェイト、ヴィータ…が見学している。
誰が来るのか、と良彦も思っていると、聞きなれた声が。
「お待たせしましたシグナム、不肖の身ながらお手伝いさせていただきます」
そちらを見れば紫の髪をショートカットにし、いかにも修道女と言う格好をしたシスターシャッハ。
「シスター、何やってんだあんた!」
「友であるシグナムの頼みに参じました…皆さん始めまして、シャッハ・ヌエラです、今日はシグナムと共に模擬戦のお相手を勤めさせていただきます」
その言葉を聴いた新人達は、口々に…陸戦AAAの、とか、近接戦闘ではシグナムさんと互角の、とか…驚きとある種の恐怖の感想を吐き出している、。
「さて、では行こうか5対2の変則マッチだ」
「えぇ、此方はいつでも」
シグナムもシャッハもいつの間にかセットアップし、騎士甲冑へと姿を変えている。
シグナムの手にはレヴァンティンが。
シャッハの手にはヴィンデルシャフトが握られている。
新人+1も一寸自棄気味にセットアップし、模擬戦に突入。
舞台は廃墟セッティングで障害物なども多い場所で行われるようだった。
フロントアタッカーであるスバル、同ポジションのギンガ、ウィングガードのエリオが、シグナムのシュランゲフォルム…蛇腹剣形態…を中距離で足止め。
しているように見えるが本当は逆、足止めされているのはスバル、ギンガ、エリオだ。
その足止めもそれほど長い時間ではなかった、だが…シャッハにそれで十分。
障害物など関係ないとばかりに、移動魔法…旋迅疾駆…により足止めされる3人の横、廃墟の残骸を通り抜け高速で一瞬でセンターガードであるティアナへ接近。
「烈風一迅!」
鋭い一振りでノックアウト、それに驚き隙を見せたスバルが、シグナムから
「飛竜一閃」
炎を纏った蛇腹剣の一撃で、此方も一発K.O。
自分達の陣形と動きを崩された残り3人も、次々と倒れて行く。
結果として、新人+1はぼろぼろにされ、シグナムとシャッハは物足りないと言う顔で、良彦とヴィータ、なのはとフェイトを見ている。
「と、とりあえず皆をシャマル先生の所運ばないと、ね、フェイトちゃん」
「そ、そうだねなのは、急ごう」
素早い反応で、離脱するなのはとフェイト。
残っているのは、良彦とヴィータ…顔を見合わせ。
「ゼピュロス、セットアップだ」
『了解、セットアップ』
「アイゼン、あたしもな」
『了解、セットアップ』
青と赤の髪、騎士甲冑に包まれた二人が訓練スペースに足を踏み入れる。
「負けた方が、今度ベルカ自治区の何時もの所でおごりな」
「良いだろう、此方も負けるつもりはないしな」
「へっ、今日こそ決着つけてやんよ」
「それは此方の台詞です、ペアマッチは毎回引き分けですからね」
良彦、シグナム、ヴィータ、シャッハが言いながら構える。
「両方のノックアウトか、1時間経過、周囲のレイヤー全部消えても終わりな…ノックアウト以外は引き分けだ」
「「「了解」」」
良彦の確認に3人が声を合わせる。
そして、模擬戦なのに死闘が始まるのだった。
結果は又も引き分け、時間ぎりぎりでお互いの切り札が炸裂するが、それにより訓練スペースのレイヤー建築が全部消え去ったからだ。
お互いに相手を変え、時に1対2の状況を作り、中近距離での激しい白兵戦メインの模擬戦だった。
まぁ、この組み合わせで遠距離がちゃんと攻撃できるのはヴィータだけなので、当然の結果だが。
なお後に…六課解散後…この時の映像が一寸した理由で他の部隊などに流出するのだが、大半の近代ベルカ式の魔導師が、無理だろあれ、とか言っていたらしい。
また、スバル、ギンガ、エリオもこの時の映像を見て…スバル、エリオは頑張らなきゃと気合をいれ、ギンガは参考にする所は参考にし、無理な所はきっぱり諦めようと思ったらしい。
夜、良彦の部屋…良彦とヴぃーた、セプテが風呂上りで、ソファに座り…一人肩に座っているが…ヴィータ作のバニラアイスを食べていた。
良彦は白いTシャツに青のショートパンツ、ヴィータは何時ものように髪を解き、良彦のTシャツ一枚、セプトはツヴァイから貰ったと言う寝巻き…基本青で白いリボンとかレースがついてる…を着ている。
「ったく、今回も引き分けか」
「これで、99戦全引き分けか、ペアマッチは」
「そんなになるのか…タイマンだと決着結構つくんだけどな」
「シグナムで3割、シャッハで4割だっけ、勝率」
「これでも上げてきたんだぞ、知り合った頃なんか暫く勝てなかったんだからな」
「わーってるよ、頑張ったってのはよ」
珍しくヴィータが良彦の頭をなでる。
「ふん…ま、身体動かしまくったからアイスが何時も以上にうめーけどよ」
一寸頬を赤くし、良彦が呟き。
「ふむ、烈火の将とあの双剣の騎士相手に、これだけできるなら問題はないだろう…あの二人は古代でも強者に分類されるぞ?」
セプトがゼピュロスから模擬戦…今までの分全部なので、映像で見せずデータでやり取りしたようだ…を確認しつつ、褒めてくれる。
「セプトもわかってんじゃねーか、もっと食えよ」
それを聞いて何故かヴィータが嬉しそうに小さな食器にアイスを乗せて渡す。
「む、これはすまんな、ヴィータ」
それをおいしそうに食べて。
「昔は此処までの甘味は無かったからな、冷たくて甘いアイスは我は好みだ」
普段比較的無表情なセプトが微笑を浮かべる。
「あー、リトもあんま甘いもんは食ってなかったみたいだな」
「うむ、あの時代、甘い物は贅沢品故な」
「そうなのか、あたしは覚えてねーんだけど…」
「ヴィータは良くリンゴみたいなのが好きで食ってたぞ」
「あぁ、あの実か、あれは甘いからな、昔からヴィータは子供舌だった訳だの」
「うっせ、ほっとけよ…ふぅ、ごちそうさまっと」
ふと気付けば皆アイスを食べ終わっている。
「んじゃ、寝るか…セプトはどっちにする?」
「ふむ…まだ、主ら番っておらんようだしヴィータのベットにするかのう、ロード良彦は寝相が悪い」
「おう、こいこい、歓迎すんぞ」
「悪かったな、それじゃ、おやすみな、ヴィータ、セプト」
言いながら、ヴィータにいつもの用にキス。
「ん、お休み良彦」
「ではの、ロード良彦」
3人とも寝室へ入り、直ぐに眠ってしまう…慣れていてもシグナム、シャッハ相手では厳しかったようだ。
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新人+1への無茶振り(シグナム&シャッハ)でした。
次回は、ユニゾン合戦模擬戦とか、面白いかなーとおもいます…相手はシグナムかヴィータで。
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