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ヘタリア大帝国

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TURN122 砂嵐の中でその一

                TURN122  砂嵐の中で
 話は少し前に戻る、スエズに入城しエジプトも加えた枢軸軍はそこから北アフリカに駒を進めようとしていた。
 艦隊の修理も済んだ、秋山はそのことを確認してから東郷に言った。
「準備は整いました」
「そうか、それではな」
「はい、今からですね」
「全軍北アフリカに向かう」
 そうするとだ、東郷も言う。
「いいな」
「それでは」
「スエズを手に入れたことは大きかったな」
 北アフリカへの進軍を告げてからだ、東郷はこのことについて言及した。
「やはりな」
「はい、ここからソープ帝国やソビエトにも行けますし」
 ワープ航路がそちらにもつながっているのだ。
「無論アフリカ方面にも向かうことが出来ます」
「インドカレーにもな」
「まさに要地です」
 戦略上のだというのだ。
「アフリカ、アジア、そして欧州にも」
「何処にでも迎える」
「エイリス軍が必死に守ろうとしただけはあります」
「ここを陥落させたこと本当に大きい」
「ソビエト方面からの補給物資も届いています」
 何処にも向かえるということは何処からも物資が届くということだ、枢軸軍はスエズの恩恵を受けているのだ。 
 しかもだ、スエズにはまだあった、そのあるものとは。
「大修理工場まであるとはな」
「あのエイリスといえど滅多にないものです」
「戦略上の要地だけあって置いたな」
「はい、そうです」
「ここからだな」
「北アフリカにもイタリンにも迎えます」
 大修理工場ならばそれこそ撃沈寸前にまでなった艦艇でも一ヶ月で修理出来る、そこまでの修理能力があるのだ。
 だからだ、ここを拠点としてというのだ。
「そしてアンドロメダにも」
「あそこも手に入れておかないとな」
 東郷もこの星域のことは既に頭に入れている、そのうえでの言葉だ。
「是非な」
「そうですね、エイリスの植民地は全て解放し独立してもらいましょう」
「これまで通りな」
「カメルーンさんの領地になるかと」 
 独立したその場合は、というのだ。
「アフリカ西部ですので」
「そうだろうな、ではな」
「はい、そのことも踏まえて」
 アンドロメダにも攻め入ることも話された、そうしてだった。
 枢軸軍の主力は北アフリカにも向かった、その北アフリカはというと。
 砂塵が舞っている、防塵システムは整っているが。
 北アフリカのそれは別格だった、田中はその壮絶なまでの砂嵐を見てそのうえで苦々しげにこう言った。
「おい、防塵設備いけるよな」
「はい、何とか」
「いけています」
 そうだとだ、潜水艦にいる部下達が答える。
「視界はどうもですが」
「レーダーも効いています」
「だといいんだがな」
 田中はそれを聞いてまずは安心した、だが。
 砂塵の中にあるエイリス軍を見てだ、こう言うのだった。
「あいつ等か」
「はい、指揮官はモンゴメリー提督です」
「スエズと同じく」
「あのおっさんか、今回も辛い戦いになるな」
 こうは言ってもだ、田中の顔は楽しそうである。
「そうなるな」
「でしょうね、今回も」
「かなり」
「そうじゃないとな」
 喧嘩上等の田中としては面白くなかった、それでだった。
 潜水艦の中からだ、こう言うのだった。
「よし、じゃあいいな」
「全軍突撃ですね」
「敵に」
「いや、時を見てだよ」
 それからだというのだ。 
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