鉄槌と清風
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50部分:49:スーパー銭湯
49:スーパー銭湯
夕食には六課隊員以外に現地協力者とその友人というか関係者も来ていた。
まず別荘の提供者にして隊長陣の幼馴染アリサ、もう一人の幼馴染でもあるすずか、なのはの姉の美由希、その友人でクロノの妻エイミィ、フェイトの使い魔アルフ…現在はフェイトの魔力を多く使わない為のチビモードだ。
それぞれの挨拶と会話を交えながら食事は終了する。
その後別荘に風呂が無いことから、海鳴に出来たスーパー銭湯へ向かう事に。
大人数でぞろぞろと移動して行く、中に入りで迎えた店員に。
「えーと、大人13人、子供5人やな、おねがいします」
ちなみにリインフォース・ツヴァイも外部サイズ変更で普通の子供サイズになっている、当然これも新人達は驚いていた。
「ヴィータ副隊長は…?」
「あたしは大人だ」
「よしh「俺も大人だぞ?」・・・はい、すいません」
ティアナの問いにヴィータが素早く答え、スバルに至っては言おうとした段階で突込みが入る。
そのまま脱衣場の方へ歩いていき、良彦は男子の方へ…と、エリオがフェイトに連れられて女子の方へ連れてかれようとしている。
「まてまて、エリオはこっちだろ」
「えー、でもエリオと久しぶりにお風呂に」
「いえ、僕は男性の方に行きますから、それに女性のお風呂に入るのは」
「私は気にしないわよ」
「前から頭洗ってあげようかって言ってるしね」
「あ、ほらエリオ君」
良彦の制止に、フェイト、ティアナ、スバルが問題ないと言い、キャロが示した先には。
11歳までの男児は女性風呂に入る事も可能、とか書かれている。
「それでも、こっちに来させてやれ、エリオの年齢だと余計困るもんだ」
すたすたとフェイトに歩み寄り、エリオの腕を掴んでる手から、どうやったのか判らないほどあっけなくエリオの腕を外させる。
「んじゃ、連れてくぞ」
「うぅ、ヨシヒコが意地悪だよ、なのは」
「にゃはは、よしくんはね、見られたくない人がいるからだよきっと」
「せやな、それも理由の一部やろうな」
「……あぁ、そっか、うんそれじゃ仕方ないね」
フェイトに泣きつかれたなのはが、そんなことを言うとはやても援護、何故か納得するフェイト。
「あぁ、それでいいよ、嘘ではねーし」
ぶっきらぼうに言って、エリオを男子脱衣場に連れて行く、女性陣からの視線を受け顔を赤くしているヴィータもさっさと脱衣場へ入っていっていた。
男子脱衣場について、エリオにロッカーの使い方などを説明して、服を脱ぎだす良彦。
「あの、ありがとうございました良彦さん」
エリオも服を脱ぎながら、そういってくる。
「いいって、エリオ…お前の気持ちは俺も結構わかるからな」
「そうなんですか?」
「昔な…皆と知り合った頃、シグナムとかシャマルと入らされた事があるんだ」
苦笑と共に答える良彦。
「そうなんですか…ははは…って、良彦さん、服脱ぐと、その筋肉凄いんですね」
「あぁ…なんだかんだで14年、途中少し問題があったけど、鍛えてるからなこれくらいにはなるだろ」
人前では比較的余裕のある服装が多いため判りづらいが、外見の年齢とは見かけにならないほど引き締まった筋肉で全身が覆われている。
「あれ、これ…一箇所だけ大きい傷が」
「あぁ…それはその内教えてやるよ、今はまぁ、戒めの為のもんだって覚えときゃ良いかな」
「はぁ、あ、すいません、じろじろと」
「いいって、エリオも頑張って鍛えろよ」
会話の締めにぽんぽんとエリオの頭を叩き、湯船の方へ二人で歩いていく。
洗い場でエリオの背中を洗い流してやり、良彦もエリオに洗い流してもらう。
「ふぁぁ…こんだけでかい湯船はひさしぶりだな」
「僕は始めてです、凄く気持ち良いですね」
比較的空いてる時間なのか、他に人はほとんど居ない。
と、ゆっくりしていると、念話が来る。
「(おい、良彦…そっちにキャロが行ったぞ、その)」
「(ん…あぁ、銭湯って女の子も男性の方入れるんだっけか、てか、どうした?)」
珍しく切れの悪い念話に疑問を浮かべる。
「(…キャロの事見て鼻の下のばすなよな!)」
「(なんで、子供の裸見て、そうなるんだ)」
「(あのな、自分でいうのもなんだけど、あたしとキャロ、体型にそんな違いねーんだぞ?)」
「(…あぁ、なるほど…心配するな、俺が好きなのはヴィータであって、ヴィータの身体だから、その、興奮するんだぞ)」
「(…っばか、とにかくキャロを変な目で見んなよ)」
「(あいあい、仕方ないエリオに犠牲になってもらうか)」
念話は切れ、同時にキャロが近づいてる事を視線の隅で見つけ。
「キャロ、こっちだ…エリオ、あそこから出ると子供用の露天風呂だ、行って来い」
「えぇぇ、って、キャロ!?」
「あ、良彦さん、ありがとうございます」
「何で此処に?」
「店員さんに聞いたら、女の子も11歳までなら男性の方入って平気なんだって、だから来ちゃった」
「えぇ、って良彦さん、気付いてたんですか?」
「まぁ、普通の銭湯でもそうだったしな、それよりあんまり見せたくないなら急いであっち行ったほうが良いぞ」
驚くエリオ、のほほんとしているキャロ、苦笑している良彦。
「うぅ、わかりましたキャロ、こっちに」
諦めたのか、キャロを引っ張って子供用露天風呂に消えるエリオとキャロ。
それを見送り、湯船の中で、苦笑しながらも身体を伸ばしリラックスする良彦であった。
皆が風呂を上がり…エリオと良彦はかなり上がるのが早く、待たされたが…帰り道、暖まった身体に丁度良い温度の中を団体で歩く。
良彦とヴィータは最後尾、少し離れた位置だ。
見れば、二人の小指同士が繋がれているのが判る。
「キャロの事みなかったろうな?」
「だーら、さっきもいったろ、キャロに興味はない、妹みたいなもんだ」
「ま、まぁ、信じてるけどよ、やっぱ少し心配になるんだよ」
「んー…そっか、それじゃ今度ちゃんと信じさせッから、な」
ぽんぽんと、髪が解かれている頭をなでる、昔送った髪留め…アイゼンとゼピュロスの右手、どちらも待機状態、がクロスした物…もそれにあわせゆれる。
「どうやってだよ、それ」
「今は、秘密だな、つか前にいる奴らに聞かれちゃ困る」
「…ん、まぁ待ってる」
小指をつないで、そんなことを話していると…それぞれのデバイスから反応、ロストロギア発見の知らせだ。
「休憩は此処までやな、機動六課出動や」
そのはやての声に、六課隊員はデバイスを取り出し、協力者その他は先に別荘へ戻るらしい。
アインが広範囲に封鎖領域を張り巡らせ、皆がセットアップを開始、反応は臨海公園の辺りらしい。
「フォワードメンバー4人で、本体を確保、他はサポートに廻ってや」
「了解」(全員)
新人4人がロストロギアへ近づく、まるで某RPGのスライムのような感じのそれは回りに分身?を多く作り出している。
見た目どおりに弾性が強く、殴ってもぽよんぽよん跳ね回る。
そんな中で、ティアナが跳ね方の違う、恐らく本体を補足、スバルとエリオで動きを止めた所をキャロが封印魔法で、封印していく。
攻撃能力のないロストロギアは、比較的簡単に封印され、任務終了である。
別荘で戻っていた皆と合流した後、直ぐに帰り支度を始める六課隊員。
アリサ達は一日位泊まっていけば、と言っていたが、六課の仕事がたまっている状態なので、このまま帰る事にはやてはしたらしい。
良彦だけ、一寸約束があるから、と翌日の昼頃まで残ったのだが。
約束とは士郎に頼んでいたシュークリームの事であり、六課の隊員分…えらく大量で、士郎と桃子もあまり寝なかったらしい…を購入し、六課へ戻った。
六課待機組みと他のバックヤードスタッフなどにも配ったそれは、かなり喜ばれたらしい、六課内で翠屋が有名になった瞬間だった。
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ロストロギア確保は、ほぼおまけです、銭湯内でのやり取りメイン。
次回はホテルアグスタの話し…多分何話かに分かれると葉思いますが…を書く予定です。
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