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MS Operative Theory

作者:ユリス
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クロスボーン・バンガードのMS開発②

——CVによるMSの開発——

 CVは地球連邦に対する軍事行動と、コスモ貴族主義国家コスモ・バビロニア建国を目指す「コスモ・バビロニア計画」のため、ブッホ・コンツェルンが組織した施設群であった。

 兵力の絶対数に劣るCVは少数精鋭主義を取らざるを得ず、使用する起動兵器も地球連邦軍のそれよりも強力なものを必要としていた。そのため、ブッホ・コンツェルンは総力を上げてMS開発を行ったのである。


■ブッホ・コンツェルンの開発体制

 ブッホ・ジャンク・インク時代からジャンク回収業を営んでいたブッホ・コンツェルンは、ジャンク回収やAEなどとの取引によって高度な重化学工業力を獲得した。

 その後、ブッホ・エアロダイナミクスやブッホ・エアロマシンといったグループ企業も増加していった。これらの企業が、CV用MS開発の中核となった。


■CV用小型MSの使用要求

 コスモ貴族主義に共鳴するエリートを中心に編成されたCVでは、人員も少数にならざるを得ないため、MSには地球連邦軍の制式採用機を凌駕する性能が求められた。また、MSは旧来の第二世代や第四世代MSではなく、当時研究が進められていた小型MSが開発されることになった。


➀小型化と高性能化

 コスト削減と運用システムのコンパクト化や、少数精鋭ゆえの高性能MSの必要性などから、15メートル級の小型MSであることが求められた。ジェネレーターの外装化や出力系を分散配置するなどによって、小型化と高性能化の両立に成功している。


➁コロニー内戦闘への対応

 コスモ・バビロニア建国戦争の諸戦では、コロニーを制圧する必要性から、コロニー内戦闘に対応した機能が求められた。この結果、敵MSの核反反応炉を誘爆させにくいショット・ランサーや、コロニーの内壁を傷つけないゴム製ソールが開発された。


➂ビーム・シールドの装備

 ビーム・ライフルの普及によって、U.C.0120年代でも火力優位の時代は継続していた。ビーム・ライフルの直撃は撃墜を意味していたため、実体弾式兵装だけでなくビーム兵器も防御可能なビーム・シールドの装備が求められた。高いジェネレーター出力を持つCV用MSは、ビーム・シールドを標準装備していた。



——CV用MSの開発系統——

 CVのMSは、作業用MSとして開発されたデッサ・タイプをその始祖としており、そこからXM-01(デナン・ゾン)に代表される量産機系列とXM-04(ベルガ・ダラス)などの指揮官用高級機系列へと分化したと考えられる。兵装やビーム・フラッグなどのデバイス類は、別個に開発されたものが核機用に装備されたと思われる。


■MSと推進器の進化

 小型MSのバックパックは、外装式ジェネレーターとスラスターがパッケージングされたユニットであり、これはCV系MSも同じ構造である。これはエネルギーロスが少ないシステムでもあった。

 また、より高い効率と機動性を目指し、ベルガ系のシェルフ・ノズルやXM-07(ビギナ・ギナ)のフィン・ノズルなど、AMBACシステムを併用した偏向スラスターも開発されている。





補足事項

——海賊のガンダム——

XM系列の形式番号にはデッサ・タイプのMS以外にもガンダム・タイプのMSが存在する。XM-01(クロスボーン・ガンダムX1)、XM-02(クロスボーン・ガンダムX2)、XM-03(クロスボーン・ガンダムX3)、XM-0(クロスボーン・ガンダムゴースト)の4機が確認されており、これらの機体はサナリィで開発された(開発時点ではF97という形式番号が与えられている)。

 この4機は機体性能にほとんど大きな違いはないが、それぞれに違う改修が行われている。U.C.0133、べラ・ロナ (セシリー・フェアチャイルド)を中心に組織された宇宙海賊クロスボーン・バンガードに配備されたが、XM-0だけは輸送中の事故により失われている。

 
 

 
後書き
次回 ベスパのMS開発 
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