神の子は世界を巡る《緋弾編》

２００１年　１２月　９歳　深夜


・・ヒュン

武装軍人たちのアサルトライフは当人達の脳の中で火を噴いた。
・・ぐちゃりと湿っぽい音が鳴り自分自身の頭にアサルトライフルが刺さった軍人達が倒れる。

「ま、脳に直接、物体を転移させらちゃあ軍人といえど形無しか・・」

俺はピクリとも動かなくなった軍人達(ゴミども)を見下しつつそう言う。

「さて、ゴミ掃除も終わったしさっさとおさらばするか」

俺はゴミが持っていたサバイバルナイフを奪ってから出口に向かう。途中に鍵のかかり防弾シャッタ－がしまった扉などもあったが、全てナイフで死点を突きとっぱした。

「はぁ・・やっと出口についたのに今度は粗大ゴミかよ。それも二つも」

俺が溜息をつくと同時に何所からともなく無機質なレン博士の声が響く。

『ここの設備が武装軍人達だけだとでも思っていたのか？さぁLOOプロトタイプ、GⅣ(ジ－フォ－ス)を撃破しろ』

その声にに合わせ二体の二足歩行戦車(LOO)がバルカン砲を俺に照準し弾をバラ撒く。
とりあえず、座標移動(ム－ブポイント)で片方のLOOの後ろに転移しその巨体を盾にし弾を防ぎながら攻略法を考える。
LOO自体を座標移動(ム－ブポイント)で地面にめり込ませるのは質量制限で無理。
・・よし、なら直死で一体ずつバラスか。そう決めると俺は盾にしてる方のLOOの死点にナイフを突き立てる。そうすると、外装のLOOは壊れ中に乗っていたであろう軍人が出てきたのので、もう片方のLOOの内部に
転移する。
・・ヒュンと物体が転移された音の後に・・グチャベキッと言う人体が起こすにふさわしくない音がたつ。

「ま、二人の人間を同じ場所に重ねれば当然か・・」

「さて、レン博士もうゴミ掃除は終わりか？」

『・・・・・・・・・・』

俺がそう問いかけるが一向に答えは返ってこない。

「ああ、ここの設備は打ち止めだよフォ－ス君」

「なっ・・」

俺の問いに答えたのはレン博士ではなくいつの間にか俺の後ろにいたひょろ長く痩せた身体、鷲鼻に角ばった顎を持ち。左手に古風のパイプを持った人間。と言うか今ここであっちゃいけない、緋弾世界最強の超人、シャ－ロック・ホ－ムズ一世が居た。

「・・・あっ、つんだ」

「いや・・つんでは、いないよフォ－ス君。僕は君を迎えに来たんだ、イ・ウ－にね」

「拒否権ないじゃないですか、ヤダ－」

「まあ、そうとも言うね」

ま、本来はランパンに行こうと思ってたがイ・ウ－でもいいかこのさい。

「OKだ、シャ－ロック。でも一つお願いをいいか？」

「なんだい？たいていのことは聞いてあげられるが」

「俺に名前をくれ、製品名(プロットナンバ－)ではなく人としての名前を」

「・・いいだろう、そだね今日から君の名前は遠野鋼也。これから、よろしく頼むよ鋼也(こおや)君」

シャ－ロックははにかみつつそ言った。